その日は急いで陽くんちに向かった
インターホンを鳴らしても応答しないその部屋に怖くなった
月
叫ぶように、乞うように…ただ、そこに
陽くんはまだいると、信じて。
月
そのとき肩に、ある感触を感じた
月
影くん
影くん
月
影くん
影くん
月
影くん
月
月
月
月
影くん
影くんはオロオロとして、俯く
月
月
影くん
月
影くん
影くん
月
影くん
影くん
影くん
影くん
月
優しい声が、耳に響く
影くん
ああ、そうだった
月センパイは泣き虫なおれにも、ずっと優しかったんだ
影くん
影くん
影くん
月
影くん
影くん
影くん
それからいくつか母親について、それから父親について話した
オレは泣きじゃくってて、月ちゃんは相槌を打ちながら話を聞いてくれたけど
…ちゃんと、伝わったかなぁ
そのうちガチャリと戸が開く音がした
陽くん
月
月
ごめんね
知ってたよ
こうなれば陽くんは出てきてくれるってこと
陽くん
陽くん
陽くん
月
月
月
月
月
まだ前の家にいたとき
月ちゃんと離れるときまでは、母親は生きていた
はるくん
結子さん
小さい頃は、優しかった
はるくん
かげくん
結子さん
結子さん
かげくん
かげくん
はるくん
…平和だったんだ
はるくん
かげくん
その日は母の帰りが遅かった
買い物に出かけると言ったきり、帰ってこなかった
その電話があまりに長かったので俺は扉から覗いて見ていた
確かそんなことを言っていたと思う
俺はよく分からなかったけど、その父の様子が切羽詰まっていてすごく怖かった
父は母を連れて帰ってきた
ただその日から家の空気は格段に悪くなった
かげくん
結子さん
バチン、と影の頭を叩く音が聞こえる
はるくん
結子さん
はるくん
暴力もざらにあるし、ヒステリックなのは言うまでもない
父親はその全貌は知らなかったけど、仕事に行く前にいつも心配そうにしていた
そう言って、ヒステリックな母を宥める
陽くん
コメント
3件
陽センパイは自分のことを隠しちゃう時があるからそれをずっとそばで見てきた影くんも兄のこと、家族のことで結構溜め込んじゃってたんだろうな……😢😢 虐待……。ある日を境に変わってしまったお母さんから影くんと自分を守るためには自分を犠牲にしなきゃいけない、って考えると陽センパイの辛さとかがめちゃくちゃ伝わってくる……
ええええ続き見たすぎる 虐待系かー…いろいろ複雑でつらいしんどい…