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そら💫
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応答なし
フェル
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不在着信
フェル
フェル
そら💫
そら💫
フェル
フェル
そら💫
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通話
00:44
日々は確かに流れている。 笑い合う時間もあった。 優しく寄り添ってくれる瞬間もあった。
けれど、その奥に――どうしても消えないざわめきがある。
ゆい
思い出そうとしても、輪郭はぼやけている。 でも、胸が強く警鐘を鳴らしていた。
扉をノックする音がする。 サンズが、いつもと変わらない調子で顔を出した。
サンズ
その瞬間、心臓が跳ねた。
心臓
ゆい
既視感が全身を覆う。 視線を落としたゆいの手が、自然と震えていた。
ゆい
サンズ
にこやかに告げられるその言葉が、どこか冷たく響いた。
――また、始まる。 逃げられない告白の夜が。
そして、選択の先にあるのは――必ずバッドエンド。
――屋上の夜風が吹き抜ける。 ゆいの目の前に、AUサンズたちが揃っていた。
胸が締めつけられ、自然と唇から言葉がこぼれた。
ゆい
ゆい
ゆい
その呟きは、風に溶けて消えた。
ゆいの胸の中は、選択の重さで押しつぶされそうだった。
フェル
その手招きは命令にも似て、ゆいはふらふらと彼の方へ歩いていく自分を止められない。 目の前に立つ彼の顔は真剣で、赤い眼窩がぎらりと光る。
ゆい
言葉が震える。選ぶという行為が、ゆいの内側で何かを壊していくようだ。
ゆい
その瞬間、空気が変わった。 歓喜と嫉妬の咆哮が一斉に上がる。だがフェルサンズだけは静かに、ゆいを見下ろした。 彼の表情は、獲物を射止めた獣のそれに似ていた。
フェル
彼はゆいの背中に手を回し、唇を耳元に寄せて囁く。 声は甘く、だが刃物のように冷たい。
フェル
抱きしめる力が増し、ゆいは息が詰まる。 周囲の者たちの視線が、さらに鋭くゆいを取り囲む。 だが今回は、フェルサンズの意志が群を抜いて強かった。
ゆい
しかし言葉は届かない。彼の手は冷たく、だが力強くゆいを押し込める。 扉が静かに閉まる音が響いた。中は狭く、薄暗い。窓はなく、外の風だけが薄く聞こえる。
フェル
その声は震えている。怒りと愛と独占の混じった感情が、彼の中で渦巻いていた。 閉ざされた空間で、ゆいは自分に問う。 これは本当に「守られている」のだろうか。 それとも、単に閉じ込められているだけなのか。
ゆい
声は震え、涙がこぼれる。だがフェルサンズはただ静かに首を振るだけだった。
フェル
その言葉の重さが、ゆいの喉を塞ぐ。 外ではサンズたちの喧騒が聞こえる。叫び、抗議し、呟く。だが物置の薄い壁の向こう側で、全ては遠い音だった。
日々は、外とは隔絶された監獄のように過ぎていく。 フェルサンズは夜も昼も、ゆいの側を離れない。食事は差し入れられ、身体は清潔に保たれる。だが自由は奪われたままだった。
フェル
彼はそう言って、ゆいをぎゅっと抱きしめる。抱擁はぬくもりを含むが、その重みは重圧となって心にのしかかる。
やがて、ゆいの抵抗は少しずつ薄れていく。 恐怖で疲れ果て、白メアの優しさの残滓を思い出しながらも、現実に引き戻される毎日。 外の世界の記憶は霧のように薄れ、物置の四畳ほどの空間が全てになっていった。
BAD END④ ― 赤い檻の中で
フェルサンズを選んだゆいは、愛と独占の狭間で閉じ込められた。 温かさと恐怖が入り混じる日々。抵抗は削がれ、世界は狭まり、やがてゆいの名前は小さな物置の中の囁きに変わった。 外の声は届くが、届くたびに遠く、救いは視界の外にある。ゆいはそこに在り続ける――自由を奪われたまま。
ゆい
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