ムゲンダイ！HOPE SONG

発表会の翌日

少しはみんなの態度も違うのでは 無いだろうかとサジーは期待したが

やっぱりクラスはいつも通り

誰か一人でもマリーニに 話しかけてもいいと思うのだけど

ガミスやダエルでさえも 今日は一言も言葉を交わしていない

それでも 発表会前とは明らかに違うものがあった

サジーは今すぐにでもマリーニに 抱きつきたい衝動をぐっと堪える

2人で廊下に出て 階段にたどり着いた時

背後から声をかけられる

サジーが振り返ると

ピンクのロングヘアに真っ白な服の 少女が明るく笑っていた

話が弾んでいる2人を マリーニは怪訝な顔で見つめる

チャーミィは白いスカートの裾を ちょいとつまんでお辞儀をする

サジーが首を傾げていると その後ろからもう1人近づいてくる

ヴィオラと呼ばれた少女は サジー達を鋭く睨む

サジーは思い出す 確かそんな名前を最近も……

出来損ないって……

そう言いかけるサジーを遮り チャーミィはマリーニの目の前に立つ

チャーミィの声が低くなる

マリーニの手は小刻みに震えている

この学園のタブー

演奏会のことというのと マリーニの態度で

彼女の言うタブーが エンジェル・メロディであることは 簡単に察しがついた

でもどうして？

エンジェル・メロディがタブーな理由

そして他人のあまり関わろうとしない 生徒たちの態度

そのヒントは

チャーミィが持っている気がする……！

あった時と変わらずにこやかだが 声が低い

マリーニの静止を聞かず サジーは続ける

サジーが名前を言い終わらぬうちに チャーミィが怒鳴る

目の前のチャーミィ 耳を塞ぎこちらを睨みつけている

ヴィオラに支えられながら チャーミィも歩いていく

彼女たちの目は サジーを睨んでいた

カフェテリアに着くと

マリーニはサジーを隅の席へと 誘導する

マリーニは一瞬浮かない顔をしたが すぐにサジーに同調した

5時間目

担任のオリヴィアは そう告げる

名前を呼ばれたゼーデラは 小さく声を漏らす

それを聞いていたダエルが口を開く

ゼーデラは俯いて黙っている

ダエルは不敵な笑みを浮かべる

マリーニがサジーにだけ 聞こえる声で呟いた

オリヴィアは今度は サジーの方へと向き直る

発表会

いつかは私も……なんて 思ってはいたけれど

このタイミングは…

リリーナがクスクスと笑う

歌のことは自分も引っかかっていた

沈黙の人形を浄化した時と 先日の音楽の授業では何が違ったの…

その理由を解き明かさない限りは

また同じ失敗を繰り返してしまいそうで…

その後の授業内容は ほとんど記憶になかった

つづく！

キャラクター紹介

次回もお楽しみに！