お待たせしましたぁ!!!
2024/03/17投稿
第44話
「大図書館」
黄
アリア
青
大図書館に到着。 入口は人が多すぎたので、そこから少し曲がったところに来た。
やはり本の数が尋常じゃない。 もちろん人の数も。
桃
黄
アリア
たしかに図書館らしく無いガヤガヤ感。 人の多さも関係しているのだろうが、みんな躊躇なく喋っている。
青
桃
青
桃
おったん!?!?
青
桃
ワンピースのショートカットの女性だ。
黄
桃
なんという濃いエピソード!!!
桃
青
黄
黄
青
まぁええか.....
桃
青
とりあえず別の曲がり角を曲がってみた。 さっきまでは学者みたいな人も多かったが、ここではそうでも無い。
桃
こっちはケロッと元通りになっている。
桃
青
青
桃
桃
あるページで手が止まる。 水魔法のページ....?
桃
青
魔法陣がバーンと半ページを陣取っており、その隙間にはいろいろと説明が書かれているようだ。
少し変わり種の魔法な感じがする。
青
威力が強いのか....? いや、鋭いのか?
実際に使ってみないと分からないが、魔法陣も少し複雑で使いにくそうだ。
桃
ないこが自身の手の上に魔法陣を展開し始める。
青
桃
桃
青
桃
桃
黙り込んでしまった。 喋ってたら集中できないのだろう。
ないこの基本魔法はほんとに基礎の基礎のやつで、魔法陣の中心になるような初歩魔法だ。
魔法使いじゃなくてもできる人は冒険者にも結構居るらしいが、多分ないこみたいに不意打ちにさっと出せる人は少数な気がする。
青
桃
青
桃
青
桃
変な形の.....水のカタマリ.......
青
桃
青
明らかにしょぼんとしてるないこ。 そんなに水のナイフ見たい....? 狩人魂みたいなものだろうか。
青
ないこの持っている魔導書を見て手の上に魔法陣を展開していく。 久しぶりに新しい魔法陣を学ぶな。
魔法陣はよく見たらちゃんと仕組みが分かる。 この部分は多分ナイフの柄の柔らかさが示してあって....
青
青
⟡.·*. シュァァッッ .*·.⟡
桃
桃
青
桃
青
青
桃
水のナイフをつつきながら俺の言葉を 疑うないこ。
青
桃
桃
青
桃
桃
青
たしかに年齢関係無く「なにかのため」なら頑張れることも少なくは無い。
その「なにか」が何なのか、どこにあるのかは分からないけど。
桃
桃
青
青
桃
桃
ドサッ(資料
青
青
桃
桃
青
俺が見つけたのは子供向けのお話仕立てにしたような本1つと、勇者メインで武勇伝が綴られているような本。 それと、勇者の手記のコピーだ。
前者は正直ないこの求めているものとは違う気がするので、役に立つとすれば残りの2つだと思う。
桃
青
青
桃
青
青
桃
桃
桃
青
本のようになっているのは確かだが、背表紙が付いているわけでは無く、紐でたばねられているようだ。
表紙には、題名と著者が書いてある。
桃
桃
青
パラッ.....
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
一番最初に載っていたのは、魔王城に侵入する前日と見られるものだった。
多分、あえてこの日を1ページ目に持ってきているのだろう。 書写した人も粋なことをするものだ。
桃
桃
青
まさに勇者って感じだ。 キラキラしてて、民を想っていて、仲間を大切にする。
勇者セルフィウスも、そんな人間だったのだろうとこの1ページで分かる。
桃
青
桃
青
桃
桃
青
仲間を集めている時期の手記を2人で無言で読んでいると、ないこが急にページをめくる手を止めた。
桃
桃
桃
桃
桃
ずいぶんと熱くなっているないこ。 意外とファンタジーな物語とか好きなのかもしれない。
それともただ参考資料として尊敬してるのか。ないこならありそうだ。
桃
青
桃
青
桃
桃
青
初めて知った時は結界が500年壊れずに魔王を封じ込めれるってなに....?? という疑問に思考を侵略されたものだ。
大魔法使いメロディがどれだけの魔法使いか、その事実が物語っている。
桃
桃
青
桃
桃
青
桃
ないこが少し声音を変えて、それっぽい雰囲気で思い出すように言葉を繋げていく。
桃
桃
桃
桃
桃
青
桃
桃
なんかだんだんセルフィウス推し(?)になってきてる気がする。
青
桃
桃
桃
青
2人で本棚に戻し途中。 勇者一行が野宿を始めた辺りで2人とも力尽きてしまった。
それにしても初めて手記というものを読んだかもしれない。
自分も日記をつけてはいるが、あんな濃い内容は多分一生綴れないだろう。 さすが勇者だ。
青
それはそれで恥ずかしくて嫌だ。 というかまず有名になる努力が必要だ。
別に"有名になる"のが目標のパーティーでは無いが、道は長そう。
青
青
気になっていた結構な謎。 普段勇者パーティーや魔王討伐について特に何の興味も示してなかったないこ。急すぎて少し怪しい。
桃
俺の顔を見て少し笑う。
桃
青
桃
桃
なんとも無さそうな顔で俺に問いかけるないこ。
青
青
それは少年のような好奇心であり、 ただの無謀な夢である。
誰もが無理だと分かっているという常識の上に成り立つ形の無い夢だ。 女性で言う「お姫様になりたい」のと 同じような。
ないこの言う「憧れ」はどっちだろう。 彼は本気なのか。俺はその桃色の瞳を 読めた試しが無い。
青
桃
桃
青
つまりどっちだ.....? その気持ちを読んだかのように、次なる応えを続けた。
桃
青
桃
桃
青
桃
桃
桃
青
桃
にぱっと笑って、誤魔化すように本を直しに進む。 真面目な雰囲気から茶化す感じが、いつかの彼と重なった。
意外と子供っぽいとは思っていたが、魔王討伐を目指すなんて随分無邪気だ。
桃
桃
青
青
キャァァァァッッ
....タイミング。
桃
青
桃
桃
青
桃
図書館で悲鳴なんて何事だろう。 アニキらが巻き込まれてないといいけど。
ザワザワ
すごい野次馬の量だ。 自身も野次馬ではあるが。
人と人の間をなんとか縫っていく。かなり前まで来ることが出来た。 視線が集まっているその先へ目を凝らす。
謎の男
青
桃
ナイフのような物を振り回している男。 話に聞くことはあったが、こういう場面に初めて出くわした気がする。
だいぶヤバめな人物のようだ。 野次馬も一定の距離を保ってコソコソ話すなりジッと見入るなりしている。
青
桃
意外と2人で呑気に喋っているが、これは男の興奮が高まると結構危ないのではないか。そんな考えが頭に浮かぶ。
青
謎の男
謎の男
謎の男
長く囲まれていることにストレスを感じたのか、野次馬の方へ走ったかと思ったら、1人を人質のように引っ張った。
周りからはどよめきが上がり、男が走っていった方の群衆は素早く後ろに引いていく。
謎の男
アリア
青
桃
人質はなんと知っている人物。 ないこと2人で言葉にならない声を呟き合う。完全に混乱していた。
青
桃
青
桃
桃
青
男だけに当てるつもりでも、少しでも動かれると人質の方に当たってしまう。 後ろの群衆に当たる可能性だってあるし、下手したらここが燃える。
責任の押し付け合いのような会話をしていると、男がまた動いた。
謎の男
謎の男
アリア
謎の男
青
桃
見事な回し蹴り。あまりにも自然すぎてアニキが重なって見える。 表情も技を繰り出している時の兄と全く一緒だ。
腕ごと胸に直撃した回し蹴りに悶える男を真剣な顔で見ながらもう一度技を出そうとする。
黄
群衆の中からアニキが勢いよく飛び出してきた。こけそうになりながら出てきたその顔は、もうガチ焦りしている。
アリア
まさにあと2秒で技が出そうな妹をそのまま抱えて阻止するアニキ。
アリア
黄
青
桃
黄
アリア
顔をしかめて怒るアニキと肩をすくめて少し笑いながら謝る妹ちゃん。
青
謎の男
男が腕を押えながらも別の人質を探して再度人々に向かっていく。
桃
いつの間にか隣から消えていたないこ。 男の至近距離に立ち塞がっていた。 行動早くない?人質が居なくなった瞬間にこやかに突っ込んでいく。
桃
桃
嘲笑うように犯人に言い放つ。 わざと周りに聞こえるよう大きな声で喋るないこ。喧嘩を売っているようだ。
顔がいきいきしているように見えるのは気のせいだろうか。
謎の男
謎の男
桃
桃
謎の男
桃
謎の男
桃
楽しそうでなにより....なわけない。 本人は楽しいかもしれないが、早く収集をつけてくれないものか。 そのために飛び込んだんだよな.....?
でも今はナイフも弓矢も持っていない。 避けているだけだ。
かと言って彼が男のナイフを奪って攻撃したら無惨な姿になりかねない。 ないこの加減によっては死んでしまう。
そう思えば俺の魔法もそうだ。 人を黒焦げになんぞしたくはない。
桃
桃
謎の男
桃
青
青
黄
長い長いため息の後、しぶしぶ立ち上がるアニキ。
黄
タイミングを見計らっているのか、どう動きを封じ込めるか思案しているのか、じっと男の方を見つめる。
多分"見えた"のだろう。 口元がニヤッとなり、地面を力強く蹴った。
黄
謎の男
黄
謎の男
犯人に乗っかって動かないよう押さえつけるアニキ。 モンスターに対して技を放っているところはもちろん見てきたが、人をとっ捕まえているところは初めてかもしれない。
かっこいいのは変わらないが、なんというか、正義のヒーロー感が出ている。
黄
コツンッ.....
男の首の真横にナイフを突きつける。 相手の息がひゅっと詰まったのが分かった。
黄
謎の男
アリア
青
青
アリア
兄を見る横顔からは、家族を見守る暖かい気持ちがひしひしと伝わってくる。
青
俺からしたら、本当に羨ましいかぎりである。
でも、きっとあの優しいアニキだからこうなるのだろう。 兄弟に慕われる姿が目に浮かぶ。
家族思いなんだろうな。
黄
黄
警備員に引き渡したあともなんとなくゆっくり出来なかったので、とりあえず大図書館を出てきた。
いつもの道に差し掛かるとき、アニキが口を開いた。
桃
青
アリア
黄
桃
桃
黄
咄嗟に出た割にはちゃんとしていた回し蹴り。 自身も一応技について心得てはいるが、フォームが綺麗すぎて驚いた。
パーティー特訓でりうらvsないこの時にりうらがやっていた回し蹴りの威力くらいはありそうだったし。
あの華奢そうな容姿からこんな技が出てくるなんて、誰が想像できるだろう。
アリア
黄
桃
アリア
青
黄
パーティー特訓で本気の回し蹴りを繰り出しまくった記憶はもう無いらしい。 避けてなかったら多分体がボコボコにへこんでいる。
桃
アリア
アリア
アリア
桃
黄
桃
とぼけてるけど多分図星の時の反応。 目が泳いでいる。
でも、確かにアニキの過去はひとつも聞いたことが無い。 本人からは話してくれないし。
少し意図的に隠されているような気がしなくもないのは前から感じていた。
青
便乗しとこうと思う。過去を知りたいという気持ちも少しばかりある。
アリア
アリア
アリア
桃
黄
共感しあっている2人を見ながらじっと考えているアニキ。 何かを言おうか言わまいか、迷っているようだった。
黄
桃
黄
アリア
青
あの優しくておだやかで頼りになって 兄貴してるアニキが...?
武道自体を「手を上げる」とは言わないだろう。じゃあ普通に暴力なのか? いやでもアニキがそんなことするとは思えない。
黄
アリア
青
かなり考えて口に出した雰囲気があったが、気まずくなったのか必死に話題を変えようとしている。
桃
黄
黄
桃
ド直球に聞き出そうとするないこ。 だいぶ興味があるらしい。
黄
桃
黄
桃
黄
桃
アリア
黄
なかなか諦めなさそうなないこと早く話題を変えたいアニキ。 五分五分といったところだろうか。
桃
黄
どうやら決定権は俺にあるようだ。
青
青
黄
桃
青
少し気になってはいたのだ。 メンバーのことを知りたいという気持ちはずっとある。
「寄り添いたい」
りうらはほとけにそう言った。
それに便乗するわけじゃないが、俺もなにかアクションを起こさないと知りたい気持ちに変化は来ない。
ちょうどほとけの話で俺の過去もほぼバレたようなものだ。 「さすがいとこ」といじってくる時もあるが、みんな程よい距離感で俺の過去と向き合ってくれている雰囲気はある。
ここはないこの言う対価交換を理由に、アニキの過去を聞き出してみたい。
黄
アリア
アリア
アリア
黄
黄
青
いつもあるフルーツサンドの屋台。 1度りうらに奢った覚えがあるが、あの時の10倍は並んでいる。
そんなに美味しいのだろうか..... 並んだら余裕で1時間は待ちそうだ。
アリア
アリア
黄
黄
アリア
黄
アリア
足踏みしながらアニキに手のひらを見せる。 「お金ちょうだい」という意味だろう。
かなり迷って渡したアニキが、踵を返して屋台に向かおうとした妹の手を掴んで止める。
黄
アリア
青
黄
黄
アリア
黄
桃
黄
桃
青
黄
黄
青
桃
桃
桃
黄
え、図星?
桃
黄
黄
青
桃
黄
黄
続け
コメント
14件
更新ありがとうございます! アリアちゃん、動じずに回し蹴りをするのすごかったです!✨ 魔王討伐についても気になります! 黒くんの過去編楽しみです! 続き待ってます!頑張って下さい!
アリアちゃん、、、いや、アリアさんかっこいいぃぃ〜‼️ 黄くんの過去そういえば言ってなかったのか🤔楽しみです‼️
アリアちゃん...ギャップエグ✨ けどかわえぇ✨ 黄さんの過去編もめっっっちゃ気になぁる!!!!たのちみ✨