優衣
(あ‥紗綾!莉子!)
紗綾
…‥!
紗綾
い、いこう莉子
優衣
待って!
優衣
どうしても聞いてほしいことがあるの
紗綾
‥何?
優衣
約束を破った事、本当にごめん
優衣
私‥髪までお揃いにするのは嫌だったの‥
優衣
なんでもお揃いにする事も本当は嫌だった‥
優衣
でもどうしても言えなかった‥
優衣
だって‥そうしたら‥
莉子
…‥?
優衣
二人が‥
優衣
私から離れていくんじゃないかって‥不安になって‥!
紗綾
えっ‥
私たち三人はいつも 一緒にいた
でも私はいつからか二人との間に 壁を感じていた
どうしても越えられない 高い高い壁を‥
優衣
その壁を壊したくて、いつも二人の機嫌を伺うようになった‥
優衣
おこづかいを前借りしてでもお揃いにした‥
優衣
結局ね‥
優衣
気持ちをぶつける勇気がなかったんだ‥
莉子
優衣‥
優衣
拒絶されるのも
優衣
嫌われるのも怖くて‥!
それがたとえ偽物の友情 だったとしても。
失うのが怖かった
ずっと一緒にいたかった
優衣
…やっと言えた
優衣
今更ごめんね
優衣
でもちゃんと言いたかったんだ‥
優衣
じゃあね‥
紗綾
まって優衣!
え…?
紗綾
よかった、やっと聞けた
紗綾
優衣の本当の気持ち
優衣
どういう‥事?
莉子
私達は優衣に怒ってたわけじゃないよ
紗綾
優衣が気持ちをぶつけてくれないから悲しかったんだよ!
優衣
え‥?
紗綾
拒絶されるのが怖かったのは私達の方だよ‥
紗綾
優衣がお揃いを嫌だった事も
紗綾
本当は薄々気づいてた‥
莉子
でも優衣が何も言わない事をいいことに‥
莉子
ずっと知らないふりしてた‥
紗綾
お揃いにする事で、私達の友情は本物なんだって信じたかった‥!
優衣
紗綾、莉子‥
優衣
私達今まで何をしていたんだろう‥
お互いに壁を作って 本当に言いたい事も言えずに
ほんの少し踏み出せば
答えはすぐそばに あったのに‥
優衣
じゃあ‥私達はこれからも友達‥?
莉子
バカ!
紗綾
当たり前じゃん‥!
いつかまたすれ違いそうになったら
今日の事を思い出そう
紗綾
私達も酷いことしてごめんね‥
莉子
ごめん‥!
そして何度だって 自分の気持ちをぶつけよう
だって心の壁はもう
どこにもないのだから。
おしまい