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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

仮屋瀬さつき

ドッキリ…って…

仮屋瀬さつき

嘘っ…ですよね…

さつきの言葉が胸に刺さった。

さつきにはやっぱりバレていたのか。

ドッキリなのに裏で泣いてることなんてないしな…普通。

市川慶一郎

…ごめん

市川慶一郎

嘘…ついた

仮屋瀬さつき

…ですよね

四季涼雅

……

仮屋瀬さつき

なんでですか?

さつきは涼雅の袖で涙を拭き、顔を上げた。

市川慶一郎

……

市川慶一郎

それは…

俺が弱かったからだ。

はっきり「好き」と言ったら終わってしまう“気がした”から。

小太郎に嫌われてしまう“気がした”から。

仮屋瀬さつき

諦めてしまうくらいの気持ちだったんですか?

市川慶一郎

違う

市川慶一郎

そんなんじゃ…ないけど

市川慶一郎

俺が…弱かったんだよ

仮屋瀬さつき

……

仮屋瀬さつき

俺にはそんなに本気だって見えないですけど

さつきの言葉が俺の中に重く響いた。

市川慶一郎

……

市川慶一郎

そんなんじゃないよ…

市川慶一郎

それより

市川慶一郎

さつき、俺の事どう思ってる…の?

仮屋瀬さつき

え…どうって?

市川慶一郎

涼雅から全部聞いたんだ

仮屋瀬さつき

…え?

四季涼雅

ごめん

仮屋瀬さつき

……そっか

涼雅とさつきは同時に下を向いた。

仮屋瀬さつき

俺は…

深呼吸した後、さつきは話し始めた。

仮屋瀬さつき

市川君のこと、好きでした

仮屋瀬さつき

それも、多分市川君が小太郎を好きになる前から

仮屋瀬さつき

だから、2人が仲良くしてる様子を見て、凄く…

仮屋瀬さつき

…嫌でした

市川慶一郎

……

仮屋瀬さつき

それからあの涙をみて

仮屋瀬さつき

小太郎と話した後に泣いたんだろうなって

仮屋瀬さつき

察しちゃって…

仮屋瀬さつき

だから頑張って耐えて

仮屋瀬さつき

応援しようとしたんです!

仮屋瀬さつき

なのに、ドッキリとか言われて…

仮屋瀬さつき

嘘に決まってるし…

仮屋瀬さつき

俺のこと、そんなに信用出来ないのかなって思っちゃって…

市川慶一郎

…それは違う

市川慶一郎

俺が怖くなったから…

市川慶一郎

きっとみんなから変な目で見られるって思ったから…

市川慶一郎

逃げた

仮屋瀬さつき

…人を好きになるって

仮屋瀬さつき

そんなに駄目なことなんですかね…?

市川慶一郎

……

今のさつきの言葉に納得してしまう自分がいた。

ずっとメンバーだからメンバーだからって我慢してきたけど

よく考えたら、普通の人間だもんな…

俺は、“双葉小太郎”という人を好きになっただけ。

そう考えたら絶対に駄目なことではないもんな…

さつきの一言に、救われた気がした。

市川慶一郎

聞きたいんだけど…

市川慶一郎

さつきは、これからどうしたい?

仮屋瀬さつき

……

仮屋瀬さつき

どうしたい…ですか…

仮屋瀬さつき

うーん

仮屋瀬さつき

俺は市川君のことが好きなので

仮屋瀬さつき

市川君には…

仮屋瀬さつき

……

仮屋瀬さつき

幸せになって欲しいって…思ってます

四季涼雅

…さつき

四季涼雅

…いいの?

涼雅がさつきの背中に手をやった。

仮屋瀬さつき

……

仮屋瀬さつき

うん

仮屋瀬さつき

市川君には

仮屋瀬さつき

素直になって欲しいです

仮屋瀬さつき

小太郎に気持ちを伝えて、本当に笑顔の市川君が見たいです!

市川慶一郎

…さつき

市川慶一郎

ありがとう…

確かに思い返せば、最近上手く笑えていなかったかもしれない。

きっと小太郎に友達として接するのが辛かったのだろう。

前まで出来ていたのに…

俺、恋してから変わっちゃったな。

恋は俺みたいに人を変える怖さがあるけど

さつきのようになる人もいる。

恋って不思議だな。

四季涼雅

俺さ

しばらくの沈黙の後、涼雅が口を開けた。

四季涼雅

さつきのこと友達として本当に好きだから

四季涼雅

市川君にめっちゃイラついてたから

四季涼雅

あんな対応しちゃったけど

四季涼雅

俺、やばいよね…普通に考えて…

四季涼雅

ごめんなさい

涼雅が深々と頭を下げてきた。

市川慶一郎

え、いいよいいよ!

市川慶一郎

頭上げて?

俺は涼雅の隣にしゃがみこみ、頭を上げるように言った。

四季涼雅

……

四季涼雅

優しいですね…市川君

涼雅はそっと顔を上げた。

市川慶一郎

涼雅の方が優しいよ

市川慶一郎

友達のことそのくらい大切ってことでしょ?

四季涼雅

…うん

俺は涼雅の肩に手を置き、静かに頷いた。

仮屋瀬さつき

…っ…っ

四季涼雅

え…さつき?

四季涼雅

泣いてるの?

市川慶一郎

さつき…

いつからか、さつきは泣いていた。

涼雅はさつきの背中を優しく摩った。

仮屋瀬さつき

…ごめん

仮屋瀬さつき

なんか…っ

仮屋瀬さつき

色々、思い出しちゃって…っ

仮屋瀬さつき

俺、本当に良い恋した…なって…っ

四季涼雅

……

市川慶一郎

…さつき

さつきの心は本当に綺麗だと思った。

さつきも色々我慢してきたんだな。

俺と同じって言ったら変だけど

同じ立場だったからこそ

辛さがよく分かる。

きっと小太郎に想いが伝わっても、

小太郎とは今以上の関係にはならないだろう。

でも、勇気を出そう。

俺はもう逃げない。

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