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テラーノベル(Teller Novel)

ガチャリ、と牢屋の扉が閉まる音が響く。

芥川龍之介

…逃げようなど愚かなことは考えるなよ、鏡花。

泉鏡花

……………。

すると、タッタッタ…と誰かがこちらへ走ってくる音が聞こえた。

ッ芥川先輩!!!

芥川龍之介

…なんだ樋口

「樋口」と呼ばれた金髪の女性は、息を荒くしながら芥川の元へ走って来た。

樋口一葉

首領から召集を受けていましたよ!!

芥川龍之介

…そうか、分かった。

首領からの召集…それは「壇一雄をポートマフィアへ連れ戻す任務」についてだろう、と芥川は思っていた。

芥川は首領室へと足を進めた。

(執務室ッッ…思うような背景が見つからなかったんで…コレニシマシタ……(血涙))

ガチャ、という音と共に、執務室の扉が開く。

ねぇエリスちゃんドレス着てよおぉぉッッ!!!!!!ちょっとで良いから!!!!!!ねっ!?!?!?!?

…芥川が執務室へ入ると同時に、男性の叫び声が聞こえてきた。

芥川が執務室で目にしたのは…幼女にゴスロリ服を押し付ける男性だった。

エリス

嫌よっ!!!!!!絶対嫌!!!!!!

そんなぁ…

幼女…エリスに強く否定を受けた男性は、メソメソと泣きはじめた。

芥川龍之介

……首領、

"首領"と呼ばれた男性は、芥川の方を振り向くと「…あぁ、芥川くんか!!」と言った。

ごめんねぇエリスちゃん、ちょっと芥川くんと話をしたいから少し抜けて貰えるかな?

にこにこと笑い、エリスにお願いする男性。

エリス

アクタガワ!!!話のついでにリンタロウを殴っておいて頂戴!!!!!!

「エリスちゃん!?!?!?!?」と、男性が去っていくエリスの背に向けて叫ぶが、エリスは振り返る素振りも無く何処かへ消えてしまった。

はぁ…エリスちゃんは冷たいなぁ…

苦笑する男性。

_さて、芥川くん。任務のほうはどうだったかな?

…そう、この男性こそが芥川の、ポートマフィアの首領…"森鴎外"だった。

森鴎外

……確か…樋口くんが夜叉を電話からの声で操って…芥川くんと鏡花くんで壇くんを捕獲する作戦だったよね…

芥川龍之介

…はい、失敗です。

芥川の言葉を聞き、森は暫く間を置いたあと…フッと笑い「まぁ良いさ」と言った。

森鴎外

「壇くんを余り傷つけないでくれ」と頼んだのは私だからね…

森鴎外

…壇くんは異能が強力な分反動が大きい。異能の反動で"死なれたら"困る。

森鴎外

まぁ、ポートマフィアを抜けられたことはもっと困ってるんだけど__

芥川龍之介

…首領は…

芥川龍之介

今でも壇さんがあなたの右腕だとお考えで…?

芥川の言葉に森は目を見開いた。

森鴎外

いやいや!!!!!!そんな物じゃないよ!!!!

森鴎外

…壇くんは…私の息子的な存在だからねぇ……親心的な物だよ。

森は優しく微笑んだ。

後に森は「まぁ、最初に壇くんから言われた言葉は「あなたを殺しに来た」だけどね」と付け加えた。

芥川龍之介

!!そうなんですか…?

森鴎外

嗚呼、あの時は本当に私を殺そうとしてたからねぇ…ポートマフィアの敵対組織に入っていたらしいよ………あッ写真あるよ!!!!見るかい!?!?!?!?

森が目をキラキラと輝かせ、無数の写真を取り出す。

芥川龍之介

!?は、はい…

…こうなると芥川は、「見る」以外選択肢が無い。

机に並べられた無数の写真に、芥川は今すぐにでも目をそらしたかった。

1、2時間ほど前に戦った上司の幼い頃の写真…それに写真のほぼ全てが、森の趣味であるゴスロリ服を着ている写真だったからだ。

そして、写真の全てが目に光を宿していない、死んだ魚のような目をしている。

芥川龍之介

…こ、これは……

森鴎外

うふふふふふ可愛いだろう!!!!いやぁ昔は壇くんが"女の子"だと思っていたからねぇ、女の子用の服を沢山着せちゃったよ!!!!!

にこにこと笑う森、きっとこの場にエリスが居たら森を殴っていただろう。

森鴎外

あっこれとか良いと思わないかい!?!?!?この時は__

…その後、1時間ほど芥川は森の「息子語り」に付き合わされて執務室から出られなかった。←

芥川龍之介

…で、では、僕は此処で……

今すぐにでも忘れたい昔の上司のゴスロリ姿を脳に焼き付けられた芥川は、フラフラと執務室を出ようとした。

森鴎外

嗚呼!!!…

…すると、ふと思い出したかのように、森は「芥川くん、」と芥川を呼んだ。

芥川龍之介

…?はい、

森鴎外

__壇くんを余り傷つけ無いでくれて感謝してるよ、ありがとう。

…芥川は、森に背を向けて返した。

芥川龍之介

…いえ、

芥川龍之介

……僕も…壇さんを余り傷つけたくはありませんから、

【文/スト】双/黒の師匠、四年ぶりにヨコハマに戻ってきたってよ。【if】

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