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最初はちゃんと見えてた
兄の背中も
笑い声も
遠くで鳴ってた生活音も
全部、ちゃんと
___見えてたはずだった
いつからだろう
気付けば、視界はぼやけて
色も、音も
認識できなくなってた
全部が遠くなっていくみたいに
何かが欠けてるのに
分からなかった
分からないまま、時間は刻々と過ぎる
呼ばれた気がした
けど、振り向く理由がない
だって、
そこには誰もいないから
___いや、違う
ひとりだけ、いる
こさめ
小さな手が袖を引く
その瞬間だけ
世界に色が戻った
音もついて、感覚が戻る
ぼやけていた輪郭もくっきりと見える
あぁ、なんだ
ちゃんとあるじゃん
光
俺の"ハイライト"
___これでいい
他はいらない
だって
ハイライトはキミにだけあればいい
Prolog 【完】