どのくらいの時間が経っただろう 手術室前でひたすら 祈るのみだった
凛
私達結婚したんだよ
凛
凛
なんでこんな、、、
広瀬康太
おい!!!凛さん!!!
凛
広瀬康太
服を届けに来た時に
凛さんを連れて帰ってって
広瀬康太
凛
大切なことは何も
私に言ってくれない!
広瀬康太
凛ちゃんをよろしく、と
凛
奏多はいつも
かっこつけちゃって
凛
3年も帰ってこない
婚約者を待っていた
だから、手術の終わりも
必ず待つ!!!
凛
あの3年間よりも
もっとずっと長く感じる
広瀬康太
少しいいかな
凛
広瀬康太
大事な話はしてくれない
私は奏多のこと何も知らない
って言うよね
広瀬康太
奏多のことを知ってると
俺は思うんだ
広瀬康太
多い方じゃない
それに自分を外に出すのが
とても苦手な人だ
広瀬康太
奏多のことを君はいつも
少しの言動で
見抜いてしまう
広瀬康太
とても羨ましかった
広瀬康太
奏多のことを知ってる君が
広瀬康太
広瀬康太
2人を心から応援できたんだ
凛
私そんなに奏多のこと
知れてたんだね
広瀬康太
それから奏多が大切なこと
話してくれないと言うが
広瀬康太
それに警察の中だと
超エリートと言われる
部署にいるらしい
広瀬康太
君のことを信用していないからじゃない。君のことを守るためだよ。
知れば君にも危害が及ぶ。
奏多はそう考えてたんじゃないかな
凛
わたしに何も言わなかったのは
ノートに残していたのは
広瀬康太
君を守るため!
凛
広瀬康太
今までもそしてこれからも
広瀬康太
凛
広瀬康太
今から届かない気持ちを伝える!ありったけの「好き」の気持ち。
広瀬康太
それでいい、いや
それがいいんだ!
広瀬康太
伝えようと思う。
凛
広瀬康太
君が入職した時から
君のことが大好きだった
広瀬康太
それまで遊び歩いてた俺には
どうすれば良いか
分からなかった
広瀬康太
からかったりして(笑)
凛
ご飯大盛りとかね(笑)
広瀬康太
だと知った時
俺は正々堂々君を
奪ってしまおうと
思うこともあった
広瀬康太
君と奏多との間には
とても強い絆があることに
すぐに気がついた
広瀬康太
みじんも入れないようなね
広瀬康太
婚約すると聞いた。
広瀬康太
心から幸せになって欲しいと
広瀬康太
今まで落とせない女の子は
いなかった俺にとって
凛
広瀬康太
冗談は置いておいて
心から幸せになって欲しい
なんて自分の好きな人に
心から思う人なんて
そんな偽善者、俺は
いないと思うんだ
広瀬康太
心からそう思えたんだ
広瀬康太
だったから
広瀬康太
手放してしまうとしたら
それは話が違う
広瀬康太
立花凛さん
大好きです。
必ず幸せにします!
付き合ってください
凛
凛
凛
大切に想って
くれていることは
奏多のノートで
初めて知った
凛
私はあなたに
とても失礼な態度ばかり
だったんじゃないかな
広瀬康太
何度も失恋したよ(笑)
凛
そうやっていつもからかって笑わせてくれているよね
凛
奏多を愛してる
奏多を待っている
凛
大事な同僚のひとりだよ
凛
幸せになって欲しいと
思ってくれたように
私もあなたに
幸せになって欲しいと
心からそう思う
凛
だけど
ごめんなさい
広瀬康太
分かってても
やっぱり辛いな
広瀬康太
君に謝らないといけないことがある
広瀬康太
行った時
本当は君が円香さんに
奏多のことを話すのを
知ってたんだ
広瀬康太
話は聞いていたからね
凛
広瀬康太
俺は家に行った
広瀬康太
凛
何も言わなくていい
凛
広瀬康太
そう、あの時 あなたは私にキスしたね
だけどそれは 意地悪なものでも なぐさめのものでもなく
ただただ優しい とても暖かい 最初で最後のキスだった
凛
奏多に言ってあげて
凛
心にしまって
そっと置いておくから
広瀬康太
そのことを話した時
奏多は弱々しい拳で
俺の胸をトンと叩いた
広瀬康太
広瀬康太
その重みを俺は
一生忘れないだろう
凛
広瀬康太
君のための
最後の後悔をした
広瀬康太
凛
それから2日間 私達は手術室の前で交代で寝たり これまでのことを話したりしながら
ずっと奏多を待った
最後の後悔を 無駄にしないように