彼方
真冬
言われてみればたしかに、ちょっと 声が似てるってだけで、そらるさんと 会長は別人だと思ってた
空が好きとか、同じ日に入学式とか、 思い返せばヒントはあった気がする けど、全然気づかなかったなぁ……
真冬
少し気になっていたことを聞いてみる
僕をここに連れてきたのって、僕が “まふまふ”って確信してたからだと 思うけど、どうして分かったんだろう
彼方
彼方
真冬
それで僕がまふまふじゃなかったら、 大問題に発展してたんじゃないかと 思うんだけど……
彼方
真冬
空を見上げることが好きとか、 そんなカッコいい由来があれば よかったと今更ながらに思う
彼方
真冬
彼方
少し気まずそうな顔をしたそらるさん
けど、目は完全に同情してる
真冬
彼方
そっか、半分……って!
真冬
一瞬、ああなんだ半分か、 で済ませようとした自分を殴りたい
彼方
彼方
真冬
突然下の名前で呼ばれて、 少しドキッとする
彼方
真冬
彼方
別にそこ、こだわらなくても いいと思うけど……
真冬
彼方
真冬
彼方
いや、これは僕の中で、 かなりはっきりさせたいことだよ
さっきも急にキャラが変わって、誰か 別の人と話してるのかと思ったもん
真冬
彼方
あ、意外と素直に認めた
彼方
真冬
彼方
そらるさんらしいと言えば、 らしい理由だったけど……
真冬
彼方
彼方
しれっと爆弾発言をした、王子こと 彼方先輩こと、そらるさん
真冬
真冬
彼方
明らかに見下したような笑みで、 こちらを見てくる
身長も僕の方が少し低いから、 余計にイラッときた
真冬
キーンコーンカーンコーン……
しょうもない言い合いをしていると、 5時間目の予鈴のチャイムが鳴った
真冬
あえて、最後に名前を呼ぶ
彼方
真冬
いつもは通話越しでしていた、 このくだらない会話
真冬
彼方
屋上の出入り口に向かいながら、 そんなことを言われた
真冬
彼方
まさか、こんな手の届く距離に お互いがいたとは……
彼方
そう言って、僕の頭にぽんと 手を乗せてから、屋上の出口に 歩いて行った先輩
真冬
真冬
……何故かまた、顔が熱くなった
それに加えて、心臓がうるさくなる
彼方
真冬
真冬
この気持ちがよく分からないまま、 屋上に閉じ込められる前に、 僕も校舎内に戻って行った
コメント
1件
いいなぁ……このふたりの会話… モブになって眺めたい…wwww)