レン
さて、着きました
アスマ
俺のアパートより新しいな····
レン
そ、そうですか?
レン
中はあまり片付いてはいませんが、、
アスマ
俺の部屋の方が汚いから大丈夫!
レン
···········
レン
そ、それでは、どうぞ御上がり下さい
アスマ
····お邪魔します
アスマ
(····普通に片付いてる)
アスマ
(ん?)
アスマ
(写真立てに写真があるな)
アスマ
(これはー···)
アスマ
(家族写真かな?)
レン
あ、座っていてください~
レン
今飲み物をご用意しますので
アスマ
(ふーむ、成る程)
アスマ
(女の子らしい部屋だ)
レン
あの····
アスマ
えっ?!
レン
何見てるんですか···?
アスマ
いっいや!特に何もっ?
レン
じとー···
アスマ
こっこの写真さっ!
レン
はい?
レン
あ、それはお兄ちゃんとお姉ちゃんとのスリーショットです!
レン
私たちが家族写真撮ると心霊写真になることが多いので
レン
あまり撮らないようにしておりまして···
レン
なので、結構レアな普通の写真なんです!
アスマ
レアな普通の写真·····
アスマ
(でも、何となく気持ちは分かるな····)
アスマ
やっぱ家族もみんな霊感体質なの?
レン
うーん、お姉ちゃんはそうでもないかな~?
レン
お兄ちゃんは一番強いので跡取り決定です!
アスマ
なるほどね····
アスマ
(·····お兄さんが相当なイケメンってとこがまた···)
アスマ
(お姉さんはレンに似てるな···!)
レン
さて、アスマさん
アスマ
はっ、はい
レン
早速はじめましょうか
アスマ
宜しくお願いします!
レン
それでは······
レン
····観自在菩薩
行深般若波羅蜜多時···
アスマ
(これって般若心経?)
レン
······そろそろ、
レン
貴方は転生しなければいけないのです·····
レン
····男性はゆうたさんだけではありませんよ···?
········かなしい······かなしい········
ひとりはかなしい·····
レン
貴方は独りではありません
レン
ご安心下さい
レン
私が貴方を導いて差し上げます
レン
(式神よ······我が名の元に·····)
レン
出でよ
レン
天后(てんこう)様
··························
うーん····
···········あら?
何ぃ?レンじゃないの
アスマ
えっ?!
(キレイなお姉さんが出てきたっ!!)
レン
天后様、ご無沙汰申し上げております
久しぶりね~
この前はあんたのお兄さんから呼び出しくらったわ~····
······ん?
あら~、なになに?
レンったらようやく彼氏出来たの~?
年頃ねぇ~っ
レン
そんなんじゃないですよっ
レン
先日は兄がお世話になりました
レン
はい、、いつも助かっております
レン
その通りです
ほんとぅに····気の毒な女性だわ····
分かった····
私が輪廻の輪まで送ってあげる
レン
天后様!感謝致します!
アスマ
···········
レン
あ、天后様は航海の女神様なのですが
レン
それは、あの世でもその通りで、転生出来ない者達を
レン
輪廻の輪まで導いて下さいます
レン
慈悲深く、海よりも大きな優しさをお持ちの高貴な方であります
アスマ
そっそれは、大変恐縮ですっ!
レン
はい!何卒宜しくお願い致します!
あ、彼に巻き付いてる勾陣
早く解放してやんなさいよ~
レン
あっ!はっはい!!
レン
···········
アスマ
······あのさ、あの霊の遺体はまだ見つかってないんだよね?
レン
····はい···
アスマ
遺された想いは転生されるかもしれないけど、
アスマ
体はどうなるんだろぅ····
アスマ
なんか···
アスマ
スッキリしないな···
レン
そうですね····
アスマ
レンにはあの霊の生前が見えたんだよね?
レン
はい······
アスマ
何処まで···見えたの?
レン
············
レン
彼女の遺体の場所は大体把握しましたが······
アスマ
!!!
レン
それを怪しまれずに伝える手段がないのです····
アスマ
·······でも···
レン
分かっています
レン
私とてどうにかしてあげたいのですが、、
レン
···········
レン
この様な事は···よくあるんです····
レン
あの霊だけではなくて、
レン
怨霊化しそうな霊なんかの殆どは想いを残したまま
レン
体と心だけが散って行きます··
レン
それは、私たちの中ではある意味普通の事でもあるのです·····
アスマ
それって、、殺された人も多いってこと?
レン
はい·····
レン
だからと言って、事件の事に首を突っ込むのは
レン
私達の間ではタブーとされていますので····
レン
········私達には私達に出来ることをやるだけなんです···
アスマ
······そう、なんだな···
アスマ
じゃあ仕方ないか···
レン
申し訳ありません····
アスマ
あ、いやっ
アスマ
何もレンが謝る事じゃないからっ
レン
···········
アスマ
なんかな、、
アスマ
レンの十二天将のおかげで
アスマ
あの霊は転生出来るんだろうけど、
アスマ
あの時レンが駅に行ってなくて、あの一弥って人を見掛けてなかったら
アスマ
二人とも最悪の事態になってたんだよな、、
レン
····そうですね
アスマ
あ、それを言ったら
アスマ
俺なんか今頃あの駅の影の中に取り込まれてて、、、
アスマ
(考えただけでゾッとする·····!!!)
レン
····アスマさん、
レン
数珠をお返しします
アスマ
あっ!!
アスマ
(今すぐに着けたいっ)
レン
···運命は人それぞれに違いますが、
レン
アスマさんは今ここにいますので、
レン
あの時自分がどうなっていたかなんて
レン
考えなくて良いんですよ····
アスマ
っ!!
アスマ
レン、
アスマ
俺は世界一ツイてる男だなっ!!
レン
っ!!
レン
そう····ですかぁ?
アスマ
おうっ
レン
····では、
レン
そろそろ約束守ってもらわないとですね~っ
アスマ
!!
アスマ
よし!これから行こうか!
レン
はいっ
レン
あ、その前に勾陣返してもらいまーす
アスマ
(すっかり忘れてた···)
アスマ
(すみません···守り神様···)