テラーノベル
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何かと世界が騒がしかった
静かな世界で暮らしたくても
そう簡単にはいかないらしい
人間なら誰しも
"ヒミツ"
を抱えて生きているはず
___でも、
彼女は少し多すぎる気がする
いつかそのヒミツを聴ける人になりたいな
朝の教室は少しだけ騒がしい。
窓際の席。
そこが今の僕の定位置だった。
特に理由があるわけじゃない。
ただ人の視線があまり来ないから。
それだけで充分だった。
教室のあちこちで、
笑い声が上がる。
誰かの名前を呼ぶ声、
机を叩く音、
小さな雑談が重なって、
一つの"騒がしさ"になる。
それを、ただ
聞いている。
混ざろうとは思わない。
思えない、の方が
正しいのかもしれない。
ふと、視線を窓に向ける。
窓の外は、やけに静かだった。
風に揺れる木の葉。
ゆっくりと流れる雲。
同じ世界のはずなのに、
なぜこうも違って見えるのか。
白石樺伶 シライシカレン
明るい声が教室に響く。
その瞬間、
空気が少しだけ変わったような気がした。
白石が教室に入ってくる。
自然と、人が集まる。
まるで、
そこにいるのが当たり前みたいに。
笑顔で誰かに返事をして、
また別の誰かに話しかけられて。
_____すごいな、と思う。
同時に少しだけ、
赤枝煌 アカシコウ
誰にも聞こえないぐらいの声で、
そう呟いた。
白石は変わらず笑っている。
誰に対しても同じように、
優しくて、
柔らかい笑顔。
でも_____
ほんの一瞬だけ
その笑顔が、
少しだけ"止まった"気がした。
気のせいかもしれない。
でも、どうしても
目が、離せなかった。
休み時間。
さっきまでのざわめきはそのままに、
教室は少しだけ自由な空気になっていた。
相変わらず、
白石の席の周りには、
人が集っている。
楽しそうな声。
笑い声。
その中心にいるのが
やっぱり彼女だった
____すごいな
そう思うのは、何度目だろう。
視線を逸らそうとして、
少し遅れた。
その瞬間、
ぱちと、目が合う。
白石樺伶 シライシカレン
白石が、小さく声を漏らした。
ほんの一瞬だけ、
周りの空気から外れたみたいに。
白石樺伶 シライシカレン
その声は、さっきまでと同じように 明るい。
でも、ほんの少しだけ
トーンが違った気がした。
赤枝煌 アカシコウ
短く返す。
それ以上の言葉が、上手く出てこない。
沈黙が、少しだけ落ちる。
白石は、少し困ったように笑って、
白石樺伶 シライシカレン
なんて、どうでもいい話を振ってくる。
赤枝煌 アカシコウ
曖昧に返す。
会話はそれ以上続かなかった。
それでも白石は、
白石樺伶 シライシカレン
とだけ言って、
またいつもの場所へ戻っていく。
すぐに、誰かに話しかけられて、
何事もなかったみたいに、
また笑って。
____やっぱりすごいな。
そう思いながら、
ほんの少しだけ、
違和感が残る。
さっきの、ほんの一瞬。
あの時の白石は、周りにいる
"誰に見せている顔"
とも違っていた。
…………気のせい、かもしれない。
でも、
赤枝煌 アカシコウ
小さく、呟いた。
誰にも聞こえないくらいの声で。
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