あおい
あおい
美紅
美紅
美紅
美紅
あおい
あおい
あおい
あおい
美紅
あおい
美紅
美紅
あおい
あおい
あおい
あおい
ぶつくさと文句を言いながら、あおいは勝手知ったる様子で、ショッピングモールを闊歩(かっぽ)する。
制服姿の女子中学生が1人で歩いていては目立つものだが、関係無い。
今のあおいからすれば、周囲の冷たい視線は『見る目がない大人の視線』でしかないのだから。
人の少ないフードコートの席に座り、紙コップに水だけ入れて、スマホを開く。
そうしてしまえばもう、周りにある全ては、ただの背景に変わり果てる。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおいはすっかり、画面の向こうの数字に――フォロワー数とコメント数に、心を奪われていた。
1時間も待てば、フォロワーの数字は1人、2人くらい増えている。 コメントに至っては、返信がマメなせいもあってか、最低でも10件ほど向けられる。
大した苦労も努力もせず、あっという間に望む反応を得られた事が、あおいからすれば面白くて仕方がなかった。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あまりにも反応が多いから、通知は切った。 一々反応して見に行ったら、一日中スマホをいじることになる。
アカウントの知名度を上げ、行く行くは本来の自分の投稿物に注目させる。 そのためのなりすましなのだ。これにばかり力を入れてはいられない。
あおいがなりたいのは、望岡きなこ本人ではなく、望岡きなこと同等の影響力を持った自分のアカウントを構築することなのだから。
あおい
あおい
あおい
あおい
こうして見れば、あおいのなりすまし計画は、快調に進みつつある。
アカウントを作ってすぐだと言うのに、フォロワーは増え、コメントでも多くの人に構ってもらい……あおいの自己肯定感は満たされていた。
しかし、それでもあおいには不満があった。
あおいの評価が高いのは、セラーノベル内でだけなのだ。
だけでしか、ないのだ。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
美紅
美紅
美紅
あおい
あおい
美紅
美紅
あおい
あおい
美紅
美紅
美紅
画面を眼前に突き出され、美紅は意図的に瞬きをする。
美紅
美紅
あおい
あおい
美紅
美紅
あおい
あたし史上最高傑作なんだけど!
美紅
美紅
あおい
美紅
美紅
あおい
あおい
美紅
美紅
あおい
あおい
美紅
美紅
美紅
あおい
美紅
美紅
美紅
美紅
美紅
美紅
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
美紅
美紅
あおい
あおい
美紅
美紅
あおい
スマホを机の隅に置いて、あおいはいつもの調子で喋り出す。
美紅の様子がいつもと違う事に、気付かないまま。
翌日。
あおい母
あおい母
あおい母
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい母
あおい母
あおい母
あおい母
あおい母
あおい
あおい母
あおい
あおい
あおい
そうしてあおいは、ダラダラとした足取りで校舎の中に入る。
既に爽やかとは言えなくなった朝の空気に、あおいは欠伸を噛み殺した。
男子A
あおい
男子A
あおい
あおい
男子A
男子A
あおい
男子A
男子A
あおい
あおい
あおい
そうしてスマホを見せたあおいだが、すぐにその手に汗が滲み始めた。
適当に話をする程度のクラスメイトに、創作活動を知られた。しかも、他ならぬ自分の過失で。
今引っ込めたら、疚(やま)しい事があると自白しているようなものだ。迂闊(うかつ)に手を引き戻せない。
迫る身バレの恐怖に、あおいは恐る恐る彼の表情を凝視(ぎょうし)した。
男子A
あおい
嘘である。
あおいが表示しているのは、望岡きなこのなりすましアカウントだ。
お願いだから、『色々』とバレませんように。
あおいはただひたすら、そう願う。
男子A
男子A
男子A
あおい
男子A
男子A
男子A
男子A
男子A
あおい
男子A
ぽかんとするあおいを置いて、体育着姿の彼が下駄箱の前から姿を消す。
まさかその彼が、次の騒動を呼び起こす事になるとは、この時のあおいは思いもよらないでいた。