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アシンメトリー□□パペット.

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アシンメトリー□□パペット.

44 - みんなが僕を、支えてくれる。

♥

450

2024年01月14日

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幸太

なあなあ昨日ヒロムのアホがさー!

幸太

はー?お前また課題やってきてねえの?はい、アイス奢りな!

まっすぐ生きて、ただ誰かを救えたらと希望に満ちてた亜子ちゃんが死ぬまでの僕

幸太

僕がもっと…もっと状況を見えてれば…

幸太

僕がみんなの意思を変えられるくらいすごかったら…

幸太

ちゃんと…みんなを……亜子ちゃんを…幸せに………

今まで通りを装いつつ徐々に人が為を主体に変えた亜子ちゃん自殺未遂から中学卒業までの僕

幸太

幸太

(そういえば去年の葬儀のときってアイツらも来てたな)

幸太

(なんで人を殺しといて参列できんだよ死ねよ)

幸太

(…僕も、死ね)

ひたすら引きこもり身につけた対人技術についてや自分がどうあるべきかを考えた春休みの僕

幸太

え!?課題!?!いつ出た!?

幸太

(歴史…ああ、黒瀬さんについて考えてた)

幸太

(あの優等生の本性…拗れてるけど、晒して変えて救うには)

幸太

(やっぱ現場押さえるのが1番かな)

幸太

テスト勉強?してないけどシマは?

幸太

(聞かなくても分かるけど)

人間の思考を完全理解し常にその動向を探り、関わる人への幸福のためのみ行動し、自分自身を構築し直した最近のオレ

幸太

(…でも僕が……僕が救われる側になってもいいんだとしたら)

染花

幸太!

染花とも

柑奈

ユキくん!

柑奈とも

白玖くん

センパイ

白玖くんとも

ここ

おにい!

姉ちゃん

ユキー

幸太

洋介くん

ユキ〜

ここに姉ちゃん、雅、洋介くんも

ユウ

ユキーっ

ミユウ

ユっキ〜!

マイト

なあユキ

メイナ

ユキっ

カイ

幸太!

スミノ

ユキ〜

みんなとも

もっと楽に、話せるのだとしたら

幸太

だったら僕はどうしたらいい…っ!

染花

幸太

苦しんでほしいと思ってないなんて僕も分かってた…っ

幸太

だけど苦しまなきゃ…生きている心地がしない!生きていい気がしない!!!!

染花

生きることに許可なんていらない!!!!

染花

生きてるって心地なら何度でもあたしたちがあげるから!

幸太

だけど…っ亜子ちゃんを救えなかった僕が救われることは…っ

染花

だから!!!!

染花

そういうのも全部アンタが勝手に抱え込んでるだけじゃん!!!!

染花

アンタはそうやっていつも人の感情や境遇を勝手に抱え込んで!!!!

染花

抱え込まれた方の気持ちも考えなさいよ!!!!!!

幸太

…抱え込まれた方の…気持ち?

染花

自分ばっか負担になってアンタはちっとも変わらず笑って

染花

そんなアンタを救いたいと思うの当たり前でしょうが!!!!

染花

亜子ちゃんだってアンタに救われて欲しいに決まってる!!!!

染花

あたしが亜子ちゃんの気持ちを図るのはおかしいけど…!!

染花

だけどアンタ見て黙ってられないの!!!!

染花

なんで人の気持ちは解るのに、救えるのに…っ

染花

自分のことが関わるとなんにも分かんないの!?!!!?

染花

アンタが救われなきゃあたしだって救われきれない!!!!

幸太

…っなに、それ…っ

幸太

幸太

…っここまでされて、気づかされて…

幸太

これ以上、苦しみを抱えていくなんて言う方が分からずやのバカみたいじゃん…

染花

染花

…そうでしょ、最初から

染花

バカなんだよアンタは

染花

ほんとバカ、人の気持ち解りすぎてるのもキモいし

染花

人を救うなんて、思っても実行できないようなこと簡単に成し遂げちゃって

染花

その上そんなのなんとも思ってないみたいに卑屈になって…

染花

ムカつくけどアンタは…自分のすごさが分かってない

染花

亡くなった事実は変えらんないし、いじめたヤツらが生きてて

染花

傍観してるやつらみたいなのがいっぱいいるのも事実だろうけど

染花

アンタの周りではそれもぜんぶ、変えられるんでしょ

染花

染花

染花

…もう、いいじゃん

染花

後悔も苦しみも全部抱えて…それでも

染花

それでもアンタだって生きていくんでしょ

染花

生きて、いたいでしょ!!!!!

染花が怒ってるのか泣いてるのか笑ってるのか分からないようなそんな顔で言った

だけど声色はとても優しくて

僕も思わず釣られて瞳を潤ませてしまった

…いや、釣られたんじゃない

染花の言葉があまりにも僕のために一生懸命で

あまりにも、僕の心に、刺さったから。

幸太

…うん………っ

染花

…ここが?

幸太

うん、亜子ちゃんが亡くなったところなんだって

染花

へえ…きれいな海

幸太

…うん

幸太

来れなかったんだ

幸太

何度もここに来ようとしたけど

幸太

体が震えて、頭が真っ白になって…

幸太

途中でいつも、自分自身に拒まれたから

染花

…そっか

染花

来れて、よかったね。

幸太

…うん

幸太

(亜子ちゃん)

幸太

(ごめんね、たくさん、ごめんね)

幸太

(もう亜子ちゃんの声は聞こえないけど)

幸太

(もう、亜子ちゃんの気持ちは分からないけど)

幸太

(もう亜子ちゃんは…いないけど)

幸太

(亜子ちゃんがくれたクマのぬいぐるみといっしょに)

幸太

(僕は、歳をとる)

幸太

(だから、亜子ちゃんの言葉と、生きていた事実とともに)

幸太

(…ちゃんと、進むよ。)

幸太

(バイバイなんかじゃない)

幸太

(忘れるなんてことはできないし、したくもない)

幸太

…染花、ありがとう

染花

あははっ!何言ってんの!

染花

染花

…これで、おあいこでしょ

幸太

そっか

幸太

(だけどこれからも色んな人を救って幸せにして…)

幸太

(僕も、ちゃんと…笑顔に囲まれて、生きていきたいから───。)

ザアッと風が吹いて、潮の香りが漂う。

幸太

(…うん、きっと、来世で。)

アシンメトリー□□パペット.

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