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井川あすみ
三村優真
井川あすみ
あすみさんの涙は止まることなく溢れ
耳の辺りを伝って枕を濡らした
最終的には当直の看護師さんが枕を交換するほどになり
それでもなお止まらない涙を
優真さんがタオルで拭った
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
あすみさんの心に欠けてしまったいびつなピースを
優真さんの歪んだ愛が埋めた
優真さんの存在は彼女にとっての生きる希望
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
三村優真
井川あすみ
井川あすみ
長い長い夜
あすみさんは泣き疲れたのか
気がつくと眠っていた
それでも優真さんは彼女の手を握り寄り添い
特別に許可されたこの時間の全てを
彼女のために使いたいと思っているようだった
私が何度か仮眠を取るように促したが
三村優真
三村優真
寝る時にいつも使っていた手錠
日中でも二人でいる時は使っていた
最初の頃はトイレに行く時にもつけていたようだが
優真さんが出掛ける時とトイレの時
入浴時には外していたようだ
流石に病院内で使うことはできないため
その代わりにずっと手を握っている
長い長い夜
時々、襲ってくる眠気と戦いながら
二人を見守り続けていたが限界を迎え
当直室を借りて仮眠を取らせてもらうことに
でも二人のことが気になっていた私は三時間で目を覚まし
二人の元へ向かった
時刻は午前3時を過ぎた頃
優真さんはベッドに突っ伏した状態で眠っていた
いつもこのくらいの時間になると
あすみさんは目を覚ましパニックになり
昨日はベッドから転落してしまった
今は優真さんが手を握っているからだろうか
あすみさんは落ち着いた表情で眠っていて
これには看護師さんも驚いていた
それから数時間後
優真さんよりも先にあすみさんが目を覚ました
余程、疲れていたのか優真さんはまだ眠っていたが
その右手はしっかりとあすみさんの左手を握りしめていた
看護師さんが来てバイタルをチェックする際も
その手はずっと握られたまま
あすみさんは眠っている優真さんを見つめていた
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
沢田マリカ
井川あすみ
井川あすみ
あすみさんは深く深呼吸をして
私の方に顔を向ける
井川あすみ
井川あすみ
沢田マリカ
井川あすみ
井川あすみ
決意を込めた彼女の強い眼差しは
昨夜までの泣いていた姿とは違い
とても凛々しく私の目に写っていた
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