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賭ケグルイ 藍

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賭ケグルイ 藍

8 - イカサマ

♥

25

2021年10月30日

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※一部リスカ表現注意です

〜木之下 side〜

彼方

みんな、木之下さんに協力してるんでしょ

木之下姫乃

っ──!?

まさか……全部、バレてる……!?

木之下姫乃

(い、いえ、そんなこと、絶対ありえないわ……!)

木之下姫乃

(わたくしのやり方は完璧よ。全て気づくのは至難の業なのだから……!)

心の中で、そう自分に言い聞かせる

彼方

流石に全員ってわけじゃなさそうだけど、10人か……20人くらいかな?

鋭い目つきをした一ノ瀬君が、 教室全体を見回した

彼方

…………

木之下姫乃

な、何を根拠に……

彼方

やり方が拙いんだよ

拙い……ですって……?

彼方

木之下さんは、200万が賭かった勝負では、2回とも連続で同じ手を出した。

彼方

1回目ならグー、2回目ならパーってね。

彼方

こんなの、何かあると思うのが当然でしょ?

木之下姫乃

っ……そ、それは……

彼方

賭け金が低い時は適当に手を混ぜてたけど、カモフラージュとしては下策だったな

木之下姫乃

なっ……!

一体、どこまで侮辱すれば 気が済むのよ……!?

木之下姫乃

(っでも……完全に、バレてる……?)

彼方

出血を覚悟しないと、人は騙せないよ?

すると一ノ瀬君が、 何故か制服の左腕の袖を捲り始めた

彼方

例えば〜……

……って、何よ、これ……!?

彼方

こんな風に、ね

左腕……正確に言うと手首あたりに、 切り傷の痕が無数にあった

彼方

これが一番やりやすい方法でさ〜。お金がない時は、いつもこうしてるんだよね

騒然としているわたくし達を横目に、 ニコニコと笑っている一ノ瀬君

まさか、自ら傷をつけて 出血させてるっていうの……?

……ギャンブルの、為だけに?

……いや、でもおかしい。 こいつがギャンブルをしたのは、 昨日が初めてのはず……?

木之下姫乃

(なのに、何故……?)

木之下姫乃

(っいえ、今はそれどころじゃないわ……!)

木之下姫乃

変な言いがかりはやめてもらえるかしら? 勝負をうやむやにするつもりなら……

彼方

いやいや。そんな勿体無いこと、わざわざするわけないでしょ?

彼方

だって……。

彼方

面白いのは、ここからなんだから

木之下姫乃

は……?

一体何なの、こいつの余裕は?

まさか、わたくしに勝てる 自信でもあるというの?

木之下姫乃

(……いえ、それはありえないわ)

わたくしが何を出すか分からない 以上、勝利の確証なんてあるわけない

つまりこれは、意味のないハッタリ!

木之下姫乃

(このままパーの札を出して、わたくしが勝つ!!)

木之下姫乃

御託はそれだけかしら。早く出す手を決めていただける?

彼方

分かった。

彼方

……忠告、したからね

最後に何かボソリと呟いていたけど、 気にする必要はない

木之下姫乃

準備はいい? 始めるわよ

一発、5000万のジャンケン

木之下姫乃

(勝負……!!)

木之下姫乃

じゃんけん──

彼方

──ぽんっ

木之下姫乃

……は?

わたくしが出したのはパー。 対して一ノ瀬君が出したのは……

……チョキ

木之下姫乃

う、うそ……そんな……!?

クラスメイトA

姫乃ちゃんの、負け……!

クラスメイトB

嘘、あいつ何者……!?

引ける確率は、少ない筈なのに……!

彼方

嘘も何も、現実から目を背けないでよ?

木之下姫乃

っ……!!

彼方

じゃあ精算だけど、俺の負け分を差し引いて……。

彼方

4500万円、支払いよろしくね

木之下姫乃

なっ……!

整った顔立ちの笑顔が、 逆に恐怖を引き立たせている

木之下姫乃

(何で……何で、こんなことに……?)

借金を負わせて、従えさせられれば それでよかったのに……

……なんで、4500万も 負けているの……?

木之下姫乃

(何なの……一体こいつは、何なの……!?)

彼方

あぁ、即金じゃないと信用できないんだったよね。俺もその方が助かるよ。

彼方

……もちろん、払ってくれるよね? だって生徒会なんでしょ?

木之下姫乃

っ……む、無理……

圧に負けて、 小さくボソリと答えてしまう

だってそんな金額、いくら生徒会役員 だからって、今すぐにはっ……

彼方

は?

木之下姫乃

ひっ……!?

重圧感のあるけど、今度はさっきより 低い、怒りが混じった声

思わず、小さく悲鳴を上げてしまう

木之下姫乃

っ……い、今はありません……数日、待っていただけないでしょうか……?

何とか恐怖を押し戻しながら、 頭を下げて、やっと言葉を口にした

彼方

…………

視線が痛い、沈黙が怖い、体が震える

今すぐにでも、 泣いてしまいたいほどだった

彼方

……まぁ、今日はその顔が見れただけ、良しとしてあげるよ

ガタリと席を立って、 鞄を持った一ノ瀬君

彼方

じゃあみんな、また明日ね

最後はにこりと笑って、 教室を去っていった

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コメント

6

ユーザー

生徒会入れるじゃん...

ユーザー

そらるさん……かっこいい… 好きです……(唐突の告白)

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