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尾も白いしっぽを追いかけて[短編集]

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尾も白いしっぽを追いかけて[短編集]

1 - [整地]置き去りのバス

♥

301

2023年09月16日

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るるうぉ

どうしても書きたくなてしまった。

[アテンション] ・捏造注意 ご本人様とは一切関係ございません。

るるうぉ

理由はスマイルさんへの
プレゼント動画を見れば
わかると思います。

きりやん

…見てスマイル

スマイル

…ん

そこに佇んでいるのは、廃れたバス。

置き去りにされた、哀愁漂うバス。

俺らは大学で出会った仲だ。

講義が終わると飯に行ったり

今もこうして遠出したりする。

スマイル

…バス…

きりやん

外側はコケだらけだけど
内側は綺麗だね

スマイル

…そうだな

彼が靴音を鳴らして、バスに近づく。

スマイル

今も動くのかな

きりやん

さぁ…もうガソリンは
ないんじゃない?

スマイル

…メーターはちょっとある

きりやん

…ほんと?

彼の指さすパネル。

それはゼロより少し離れている。

きりやん

…ほんとだ

スマイル

…乗ったらどっか連れてって
くれたりね。

きりやん

wwwそんなファンタジーみたいなの
ないだろw

スマイル

…そうだよなw

星空の元、バスを見据える。

きりやん

…なんで俺らここにいんの?

スマイル

…わかんない。帰ろうとしたら
道に迷って…

きりやん

…そうじゃん、やば

スマイル

まぁスマホあるし

きりやん

あぁ〜まぁね

スマイル

ゆっくり帰ろうや

きりやん

wwwそうだねw

ポケットに手を入れて、少し寒い星空の下、落ち葉を踏みつける。

スマイル

…何年前のバスなんだろ

きりやん

…見る限り…てか
こんなバス見たことないけどね

スマイル

…ね、路線バスでは見ないな。
しかもどの会社のバスかもわかんねぇ
し。

きりやん

…古い年代っぽいな。やっぱり。

スマイル

それは…そうだろうね

きりやん

ナンバーは普通だわ

スマイル

…ほんとだ…これエンジン
かかるかな

きりやん

かかるんじゃね

スマイル

まぁ…かかるか

きりやん

…ちょっと中入ってみたくね?

スマイル

…えぇ?

きりやん

ちょっと入ってみようぜ

スマイル

怒られね?

きりやん

大丈夫だろ、周り人いねぇし

スマイル

まぁ……まぁまぁ

一つ、二つ、歩み寄りて

其の中に足を踏み入れる。

同時、なる音はギジリという年期の入った切ない音。

スマイル

意外と狭いな

きりやん

比較的綺麗な座席に腰を下ろして、苔むした窓から星を観る。

きりやん

うわエモ

スマイル

エモいね〜…

きりやん

意味わかってんのか

スマイル

いやwあんまりw

きりやん

ww

このまま、どこか別の所へ連れて行ってくれても構わない。

それが、楽園だとしても。

しかしこのバスが動くことは無い。

スマイル

中だけ綺麗って…どういうこと
なんだろうな。

きりやん

うーん…まぁ…覆われてるしね

スマイル

そうかぁ……

押しても何も無い降りますのボタン。

もし、走っていたとするのなら

俺らは二度と降りることはできないのだろうか。

スマイル

そろそろ行くか

きりやん

…そうだな、モタモタしてても
仕方ないし。

立ち上がる度、また鳴る音。

古びた音?

いいや、

草が擦れる音。

きりやん

っ、

スマイル

…な、なんだ

風もない中、動き出す茂み

……

その男は見えない目で俺らを捕える。

お互い、誰も、一人も、言葉を発さず

ただ、その場に居るだけだった。

緊張というのだろうか

それとも恐怖なのか。

見つめて、幾分か経った頃

彼はその場から去って。

何を目的にしたか分からないまま。

きりやん

…だ、だれ…?

スマイル

所有者だったんじゃねぇの…?

きりやん

うわ…怒られちゃうかも…

スマイル

もう帰ろ、

きりやん

え、でも大丈夫なの?

スマイル

多分ね、てかこれ以上
いるの怖いかも

きりやん

それはわかる。

スマイル

…うん、帰路調べて帰ろ

きりやん

キロ!?そんなここ遠いの?

スマイル

ちゃうちがう…帰るに路地

きりやん

あぁ、帰路ね

スマイル

うん、調べるから帰ろ

きりやん

うん

少し離れて、彼がスマホを取り出す。

スマイル

えーっと…まぁ5kmはあるらしいよ

きりやん

歩いて帰る?

スマイル

……変な話していい?

きりやん

…え?

スマイル

…バスで2分

きりやん

…は?

スマイル

…ほら

徒歩、自転車など並んでいる中

バスでは2分。

スマイル

…近くのバス停…

そうして、彼が向いたのは

きりやん

…あのバス…ってこと…?

スマイル

…うん

きりやん

そ、そんなことある…?

スマイル

…でも…ねぇ?
大型持ってないし…
歩いていこう?

きりやん

う、うん…まぁそれは…

スマイル

早く行こ

きりやん

おう

置き去りのバス

また、俺らに置いていかれた。

あのバスが動く日は来るのだろうか。

暗く、沈みそうなほど。

バスは今日もそこに佇む。

───いいや?

お客様、ご乗車されないのですか

スマイル

…!?

きりやん

うぇ”ぇッ!?

先程の男が運転手のように所作を進める

エンジンがかかって、其のバスは光を放つ。

きりやん

いや、…結構っす…
行くぞスマイル

スマイル

お、おう…

お客様、お待ちくださいな

遠く離れた運転席から声を張る不明の男。

彼の手を引き

彼の言葉を無視する。

お待ちくださいなぁ?

きりやん

ッえ”ッ!?…

彼の近くが耳元。

            ウンテンシュ 俺が手を引いていたのは、彼

確かにスマイルを掴んだはずなのに

彼の手を離し、スマイルを探す。

掴んでいたはずのものが…
手違いなものはよくある事です…
う〜ん…人生は深いものです

きりやん

スマイルっ!

大声で呼んで叫んで探して、

見つけたのは

バスの近くで倒れている彼

きりやん

スマイル…ッ?

お兄さんはまだ命をお持ちですよ。

スマイル

…ぅ…

景色は2倍速のスライドショー

マフラーを靡かせて

スマイルとの接近を試みる。

瞬発力

朦朧、彼を起こして。

きりやん

早く…!

スマイル

ぇ…?、

きりやん

〜ッ、とにかく走れ!

スマイル

な…?なんで?

きりやん

いいから!

記憶混乱?

視界錯乱?

状況が呑み込めないであろう彼を引っ張り、又走る。

お客様!

彼を視界の端に入れながら、しっかり掴んで走る。

同時、バスは音を変える。

そうして、草木を潰して。

きりやん

いやばいっ!

スマイル

……?

走り、走る。

しかし、後ろの追っ手は俺らよりも早く こちらへ。

そうして

きりやん

ッ危ない!!!

金属の音

舞い上がる土

むせるガソリンの臭い。

そうして、視界を開くと

そこに、俺らを阻むバス。

きりやん

やばい…

俺らを追い抜き、目の前で停車したバス

曲がり角もなく、戻る他ない。

けれど後ろは漆黒。

見えず、先のない暗闇。

ドアの後ろから奴が回って来る。

俺らの前へ立ち

…さぁ、お客様…運賃はいりません。
扉をくぐり、お座りください。

不気味な声で囁いた。

きりやん

…くっそ…てかあんた誰なんだ…

私のことは良いではないですか。
さぁ。そちらのスーツの方も。

スマイル

……

きりやん

あんたに俺らを無理矢理乗せる権利は
無いはずだ

なら、そちらの方の
お命頂戴致します。
さすれば構いません。

きりやん

…は?

このバスに乗り入れた次第、
乗るか乗らずに逝くかの
どちらか。これは運命です。

きりやん

…ちっ

俺が乗ろうなんて言ったからだ…

現状に苛立ちを覚え

過去の俺を虐げる。

きりやん

さぁ…どうぞ

もう、手にも足にも任せられない。

隣の彼の手を引いて

其れに足を踏み入れた。

きりやん

っは…

心臓が揺れる。

デジタル時計は午前4:44を指し示す。

髪は乱れ、服も気だるそうにシワを多く持っている。

きりやん

汗を拭い、隣に視線を落とすと

きりやん

スマイル…

ぐっすりと眠るあの彼。

スマイル

…何

きりやん

え?あ……起きてたのか

スマイル

今さっきな。

彼も体を起こして目をこする。

きりやん

…バス

スマイル

……ね。逃げてから記憶ないんだけど

きりやん

逃げてから?

スマイル

……うん

きりやん

逃げてから……か

脳がフル回転

記憶を辿って行き着いた過去

きりやん

…入れ替わり…?

スマイル

何が?

きりやん

…い、いや…なんも無いけどさ…

スマイル

何…眠いんだけど。

きりやん

俺らが初めて会ったのって
いつだっけ?

スマイル

えぇ?…なんでそんなこと聞くの…

「大学だろ?」

きりやん

……

嗚呼

スマイル

…はは…w

きりやん

……

スマイル

じゃ、おやすみなさーい

きりやん

…おやすみ

動く羽毛布団

紛れもない、彼はニセモノ。

俺らの本当の出会いは高校。

……

否?

でも、あの時スマイルを掴んだはずなのに気づけばあの男を掴んでいた。

その時かな?

…なんでこんな冷静に分析してんだろ。

…ねぇスマイル

きりやん

俺らってさ、高校であったよね?

スマイル

……んん…んだよ…

きりやん

ねぇ?

スマイル

……

スマイル?

きりやん

高校で会ってさ、めっちゃ色んな
場所行ったもんね〜

スマイル

……疲れてんだよ。早く寝ろ。
何時だと思ってんだよ…

きりやん

はいはい、

スマイル

……

再び布団に入ると、隣の彼が大きく息を吸う。

きりやん

おやすみなさいね〜
スマイルちゃーん

スマイル

…きも

きりやん

www

ニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノニセモノ

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コメント

3

ユーザー

凄い、、ちょっとしたことで凄いゾクッとするのは、、

ユーザー

不思議すぎて最後ゾッとした。 とても興味を引く物語をありがとう!

ユーザー

ぎゃあああ好きですなんですか好きですかみですねこれぁ 助かります!!!!

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