息子の左手が麻痺した。
そういう病気だ
しかし不憫でならない
どうして息子じゃないと駄目なんだ?
見舞いに訪れると、息子は気丈に無邪気に振る舞う
頬に涙の跡が残る息子のその姿を見て 俺は思った
今年のクリスマスは、息子がとびきり喜ぶプレゼントを用意しよう
学生
ファミリーレストランに響く、遠慮の欠片もない笑い声
奥のテーブルを占拠し、だらだらと居座り馬鹿騒ぎをする学生グループ
テーブルにところ狭しと並んだ、ドリンクバーのジュースを様々にブレンドした飲み物。タバスコを大量に投入した食べ物。
それらを行儀悪く食い散らかし、その様を動画で撮影し奇声をあげる
店員の注意にも全く耳を貸さない
彼らの会話は実に低俗で不明瞭。ボキャブラリーが乏しく文法もぐちゃぐちゃ。見た目通り頭が悪い
彼らが一流の企業に就職して社会に貢献する確率__
限りなく0。 甚だ無価値。
何故あんな猿どもが健康体で、息子は左手麻痺なのだろうか
俺は席を立った
颯
学生
学生
颯
颯
学生
学生
学生
学生
颯
学生
学生
颯
ああ、どうしようもないクズどもだ
颯
颯
学生
颯
学生
学生
学生
颯
颯
学生
颯
颯
颯
颯
颯
颯
ドスッ
学生
颯
颯
颯
颯
数年後
若者を狙った連続殺人犯が逮捕された。
1人の青年が言った
「移植された手足ですか?」
「ええ、知ってましたよ。僕の父が集めてくれたんです。」
「最高のクリスマスプレゼントですよ。」
「おかげで僕は今、医療機関で働くことが出来ています。」
「そして痛感するわけです。健康な無能と有望な病人」
「病人もそうだが、無能とともに育った手足が不憫でならない」
「だから、彼らにはドナー候補になってもらいました」
「でも少し早すぎましたね。慌てすぎました。」
「少し早いけどメリークリスマス」
コメント
12件
面白かったです!
^_^
これは、お父さんの気持ちわからなくもない... めちゃめちゃスカッとしました←