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お待たせしました!!!!

2025/03/14投稿

第63話

「再会」

おじいちゃんほんまに大丈夫なん?

紫のおじいちゃん

大丈夫じゃ

80代がダンジョンなんて聞いたことないけど...w

紫のおじいちゃん

これでも現役だった頃はバリバリだ

へぇ〜

(まぁ気にかけとったら大事にはならんか...)

はッ、!!ザシュッ(ゴブリンを切る

《山針無限》!!

〈 グォォッ!!

もーゴブリン湧きすぎやない!?

紫のおじいちゃん

盾の使い方がなってないぞ

え、ちょ、捌ききってから言ってーや!?

あ、おじいちゃん危なッ__

紫のおじいちゃん

ゴッ(拳

〜〜ッ!?

....え、?

おじいちゃ....、?

紫のおじいちゃん

剣士も拳くらい使える

もう意味わからんて!!(泣

黄の兄(マガール)

半年でSランク...!?

黄の兄(マガール)

お前今Cランクって聞いたぞ

そうなんよな

兄さんにアドバイスもらいたくて!

内容の濃い鍛錬って、どうしたらええと思う?

黄の兄(マガール)

そうだなぁ...

黄の兄(マガール)

下2人が今鍛錬してるだろ?

あぁ...そういえば結構強くなっとうな

黄の兄(マガール)

その10倍

...10倍?

黄の兄(マガール)

走り込みなら2人の10倍、腕立て伏せも2人の10倍、とにかく10倍のメニューをこなす....とか

...あいつら結構走っとるよな?

黄の兄(マガール)

そうだな

10倍...

(それ人間の量じゃない気がする....)

...まぁ俺も本気やないと他のメンバーに顔合わされへんしな!

それやってみるわ!

黄の兄(マガール)

俺はいくらでも付き合うぞ

...ほんま、?

黄の兄(マガール)

家族だからな(ニコッ

っ...!

ありがとう....っ!!

師匠

山のふもととここを往復20回じゃ

このくそじじい....(ボソッ

※お口が悪いですよないこさん

師匠

誰のことだか

師匠

無理か?(ニヤッ

....やるけど!!

師匠

ふむ....1時間半か...

ゼェッ...はぁッ、(地面に這いつくばってる

師匠

それなりに早くなったな

師匠

それに口答えもしないのう

まだッ...走れる、けどっ?

師匠

師匠

...お前がそんなことを言うとは

メンバーみんな本気でやってる

俺だけが生半可な気持ちで修行するわけにはいかないから

師匠、(立ち上がる

俺を、絶対Sにして

魔王相手でも仲間を守れるような...そんな狩人にしてください

師匠

ほぉー...

師匠

変わったな、ないこ

変わらなきゃいけないから

師匠

わかった

師匠

その願い、師として叶えてやろう(ニヤッ

ここ....かな、?

(シェイラの仲間....こんな遠くの支部に飛ばされてたんだ)

すみませーん!!!

〈 ちょっとお待ちくださーい!

ガチャッ

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

はいはーい...と、どうしました?

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

...あれ。君は__

〜〜っ...!✨️

りうらだよっ!リウラ・スタティアン!ギュッ(抱きつく

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

おわっ!?

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

え、やっぱりうらだよね!?

うんっ!久しぶり!

...あ、ごめん。勢いで抱きついちゃった...(離れる

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

全然いいけど....その...変わりようが凄くて言葉が出ないよ、w

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

大きくなったね、りうら(ニコッ

....

(シェイラみたい...)

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

なんでボクの居るとこわかったの?もしかして帳簿でも漁った?

あ....いや、...

実はジュスティス抜けたんだよね....、ごめん

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

....なんで謝るの?りうらの人生なんだから、りうらが進みたい方に進めばいいんだよ

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

こっちこそ、シェイラのとき、手紙しか送れなくてごめんね

ううん。忙しいの知ってるし...それこそいつの話なの、w

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

たしかにだいぶ昔だねw

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

わざわざ訪ねてくるなんて、なにかあったの?

...急に会いたくなって

一緒にクエスト...行ってもいい?

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

...ふはっwやっぱりまだ子供は子供なんだw

なっ...!!?からかわないでよ!!

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

いいよ。アイツらも誘ってみんなで行こう

ジュスティスメンバー(赤魔術士)

りうらはボクらにとって弟みたいなものだしね!(頭を撫でる

弟....

(家族って...思ってくれてるのかな)

うわぁぁぁ....っ(頭を抱える

《ヒール》...《ポイズンアンチ》....《プロテクト》.....(ブツブツ

あれ...これ初級魔法か...

僕さっきまで何やってたっけ、?

「皮膚の細胞を中級魔法《クリア》で取り除き、他の人体から取り出した皮膚を移植することは組み合わせ魔法の基礎だが、それをさらに発展させて__」

わかるかぁ!!!バタンッ(本を閉じる

はぁぁ.....実際使うのかなこれ

みんながそんな酷い怪我したことあったっけ...?

...いや。僕が完璧じゃないとみんなが安心できないもんね

うぅぅっ...!限界!!!←じっとできない

頭パンクする.....っっ(机に突っ伏す

〈 入るぞー

へっ?

ガチャッ

いとこ

よっ

よ...ょょょ...

いとこ

壊れた....??

いとこ

近くの白魔病院手伝いに行くけど、

いとこ

息抜きに一緒に行くか?

....!

行く!!

青の父

忘れ物は無いか?

青の父

万全な状態だな?

もー、俺何歳なんよw

青の父

Sランクの重みは知ってるからな

青の母

この人、昨日も寝ずに心配してたのよw

俺より緊張しとるやん!w

...でも、これ受験したら俺王都戻らなあかんな

修行でほぼ一緒におれんかったし....せっかく帰ってきたのにごめん

青の母

いいのよ

青の母

あなたが健康で、自由で、幸せならなんでもいいんだから

青の父

たとえ寝る時だけでも帰ってきてくれて嬉しかったぞ

...ありがとう.....

俺....あんまいい子供ちゃうし、ちっちゃい頃に隣におってくれんかったことまだ消化しきれてへんけど

家族の温かさを知らへんって思わんようにする

俺の事心配してくれてる人がどこにおるか、もうわかったから

いってきます!

キョロキョロ(周りを見渡す

居ない...

あれから半年。もう半年。 ひとりぼっちはこれで終わりだ。

いや....ひとりぼっちではなかった。 家族が居てくれたし、心ではみんなと一緒に励んでいるつもりだったから。

ランクの合否の手紙は、まだ封を切れていない。

〈 いむくーん!!

っ!バッ(振り返る

久しぶりやなっ!

こっちだよ〜!w素通りしたよね今ww

見えとらんかったやろw

おかえりほとけっち!

遅いぞー

みんな....っ!!

ダダダッ(走る

ギューーーッ

寂しかったぁ...!!

思いっきり全員に抱きつく。 この勢いの僕を受け止めてくれるのは、きっとここだけだ。

第一声それなんやww

よぉーしヨシヨシ....ナデナデナデ(爆速で頭撫でてる

うわぁぁぁんしょーちゃぁぁんっ"ポロポロ(泣きつく

ガチ泣きかよ...w

会いたかったよみんなぁぁっポロポロ

変わんないねぇw

頭を撫でられて涙腺崩壊。 いやだってずっと会いたかったんだよ? ほんとにめちゃくちゃ寂しかったんだから。これくらい許して。

泣き虫やなぁw

そういう初兎ちゃんも泣いてたくせにw

そういうりうらも俺らと合流したとき泣いてたやんかw

そういうまろも目うるうるだっけどね〜

そういうないこがひとりで涙ぐんでるとこ俺見たけどなぁw

そういうアニキも今ちょっと泣いてるでしょw

泣き虫ばっかりみたいだ。 通行人からちょっと変な目で見られている。

無事みんな揃えて一安心やわぁ

....ちなみにみんなが1番話したいであろう話題出してええ?

そ、そうだよね...本題そこだよね

....

みんなの顔が強ばる。 どっちなのか読めないけど、みんなならできてると信じている。

そういう僕はまだ結果さえ見れていないいくじなしなんだけど...

....

.....

....

どう話を進めたらいいのか全員わからないみたい。 話題提示した初兎ちゃんでさえ「これからどうするん」って顔してる。

...じゃあ俺から話そっかなw

俺はSランク昇格したよ

っ....!

お前やっぱ超人やな!?

有言実行したんだ....

1回落ちて2回目はなんとかギリ合格って感じだったけどねw

そこの画面の前のあなた!!!()

Sランクってほんとに凄いから!! 世界に100人も居ないくらいの超激ヤバ人間だから!!!

あらゆるパーティーがこぞって欲しがる人材....というかまず全ての冒険者の憧れと言っても過言では無い。 それくらい希少なランクってこと。

Aランクより上の試験は受けるのもお金かかるじゃん?

そうだよね

師匠にもちょっと負担してもらってたから、1回落ちた時しばかれまくったんだよねw

そのおかげかも

ケロッとしてるけど本当にすごいんだなこの人....

みんなは?

俺もSまで昇格したで!

やばぁ...なんでみんなそんなにポンポンと....

昨日通知きたんよ。ほんまに間に合わんかと思ったw

じゃあ俺アニキと同ランクなんだ...

悔しい?(ニヤッ

....うん

(ないちゃんが素直だ...)

どうしよう。みんなカミングアウトしてるけど、僕自分のランクも知らないんだよね.... 今こそっと見るべき?そんな勇気ないんだけど...!!!

っ....ごめんッ!!!

っ!?ビクッ

りうら...っ、どうしても無理だった....

みんなで約束したのに。みんな頑張ってただろうに

約束破ってごめんなさい....っ

僕らに向かって深々と頭を下げる。 その声は少し泣いていた。

俺..も.....

A+以上は、とれんかった....ごめん(頭を下げる

...ごめんなさい。俺も、約束破った

3人ともに頭を下げられる。 僕も下げた方がいいのか、でもまだ決まったわけではないし.... とオロオロしていると、アニキがりうちゃんの肩をバシッと叩いた。

なにくよくよしとんねん

へ...っ、?

お前ら2人もや!!

っ...だって、約束やったのに....

なんでメンバーに頭下げられなあかんねん

結果=努力の量やと思うなよ。大事なのがどっちなんかわかるやろ

..努力の...量、

せや

アニキの言う通りだよ

みんなが頑張ったのは、みんなが1番わかってるんだから

3人が泣きそうになるのを2人が笑ってなだめてるのを見ていると、自分が頑張った日々がフラッシュバックしてきてこちらまで泣きそうだった。

....あれ、?

てことはいむは.....

...僕、言わなきゃいけないことがあるんだ

な、なんや?あらたまって

僕ね....

意気地無しすぎてSランク試験の結果見れないの!!!(泣

....はい、?

お前何言うとん...

ほんとなの!!怖くて見れない!!

だからみんなと見ようと思って....

カバンの中から合否の手紙をそろーっと出すと、みんなが吹き出した。 そんなに僕の意気地無しが面白い??

ふはっwwいむくんはほんまいむくんやなww

しょーちゃんが開けてよこれ!

ほんまにええん?w

もうここで見ようや。待っても結果変わらんし!

そうそう!

んじゃ開けるで

結果は〜っ__

イム・ベルリナ・ミファイ  【Sランク昇格】

へっ....??

え、まぼろし....?

合格じゃんほとけっち....!やったね!!

お前よぉやったやん!

え、げんじ、つ.....??

現実だよ!

起きてますかーw(頬をつねる

いひゃぃ...やったぁ...っ

やったよみんなぁぁっ"...ポロポロ

省長

ふむ....

省長

S、S、S、A+、A+、A+....

省長

....お前たち、ドーピングでもしたのか?

してません!!

....え、してへんよなみんな

そんなのしないよ...w

してないしてない!w

省長

狩人...ちゃんと伝えたんだよな?

はい

「全員がランクA昇格」ですよね?

省長

そうだ

省長

なんでそれを超えてるんだ...?いや、まぁいいことだが....

省長

Sが3人か.....しかも武道家と白魔術師はBでもなかったような気がするが

ドーピングはしてません!!

「それはもう疑ってない!」と呆れ気味に話を遮られた。 死ぬ気で勉強したのに、お褒めの言葉くらいあってもいいと思う。

省長

はぁ...まぁ無事集まってくれてよかった

省長

さっそくだが本題に入ろう

本題...ですか?

省長

魔王討伐当日の作戦だ

省長

予定としては、12月後半くらいを考えている

寒そう....

魔王城って、だいぶ北の方でしたよね

省長

あぁ

省長

このパーティーだけで向かうなら身軽だが、かなりの人数で向かうとなるとそれなりに時間もかかる

省長

1週間で目指したい

...それってかなりギリギリじゃないですか?俺らだけで行ってもそのくらいだと思います

省長

そこをなんとかしないといけないんだ

大きな机の上にバサッと紙を広げる。 みんなで覗き込むと、それはここ王都を中心にかかれた地図だった。

省長

まず、普通に向かうなら市街地を通っていくだろう

整備された道の方がいいですよね

省長

だが、そんなに時間をかけることはできない

省長

だからここの森を突っ切る

かなり大きな森だが、本当に通れるのだろうか。 途中に村もなければ、大きな川だって通っている。橋はかかってないだろう。

無茶やないですか....?

俺も、そんなに連携がとれるとは思えません

省長

だからそこをなんとかするんだ

省長が明らかにないちゃんの顔を見て言う。当の本人は相当面食らった顔をしていた。

....俺、ですか...?

省長

そこらへんは狩人にまかせよう

いや投げやりにも程がありますよね!?

俺は!もう!働きたくないんですッ!!(渾身の叫び

ないちゃん...それは無理だよ....

僕みたいにアホキャラに走ってれば、未来は違ったかもね...

それ自分で言ってて悲しくないの?

ちょー悲しい

省長の前でボケても怒られないようになった。ないちゃんももう諦めたのかな?

省長

半分冗談だが半分本気だ

省長

勇者パーティーの君たちには指揮もお願いしたい

省長

私たちが執るより士気も上がるだろう

それはまぁ...そうでしょうけど...

省長

そこで

省長

お前たちには魔王城の下見をしてきて欲しい

下見...

下見と言えどかなり危険な冒険だ。 向こうの方に人は住んでないし、魔王の手下に見つかりでもしたら全員城の中に引きずり込まれるだろう。

省長

半年も離れていたからリハビリが必要だろう

省長

道の詳細もわからないから調べてきてくれ

投げやり....ボソッ

グリッ(手の甲をつねる

いだッ

....もうないちゃんの隣ヤダ。

魔王城まだぁ〜?

2時間しか歩いてへんやんけw

てか省長さすがに投げやりすぎるよね?

だから言ったじゃん僕!!

いやあれは本人の前で口に出すのがいけないの!

とか言ってるけどずっとブツブツ文句を並べている。 ないちゃんって愚痴多いよね。

まぁ久しぶりのパーティーでのクエストやし楽しもうや!

それもそうだね!

レッツ魔王城〜!!

おーっ!!

お前ら物騒やな....w

気をつけてよー?

大丈夫 大丈夫!

ないちゃんが心配そうに覗き込んでくる中崖をのぼる。 心配しなくても僕だってこのくらい造作もないことだ。

あー....こいつ落ちるな

なんで?

ズルッ(足を滑らす

やばッ

あ"ぁぁ"ぁぁぁっ"!?!?

ズザザザッ(崖から滑り落ちる)

おっと、ガシッ(受け止める

まだ下にいた初兎ちゃんが受け止めてくれた。

うぐっ

もーいむくん怖いてw

スミマセン....

初兎ちゃんがいつもの3倍頼もしく感じる。いや、これまでも頼もしかったけど。

掴まっといてや。このまま登るわ

うっそ!?ガチで言ってる!?

しがみついたままでいると、そのままひょいひょいと崖を上がり始めた。 半年前ならこんなことしなかった。 どれだけ修行したのだろう。

同い年なはずなのに、いきなり背中が大きく見えた気がした。

よっ...と、グイッ(ほとけを引っ張り上げる

ありがとうアニキぃ...

なんでまろわかったの?

こいつの「大丈夫大丈夫」は大丈夫ちゃうから

むぅ....その通りですけど....

なんで覚えてるんだろう。 僕も無意識なのに。

やっぱ6人のクエストは楽しくてええなぁw

うわぁ〜....(空を見上げる

綺麗な空色。 なんでも許してくれそうな優しい色だ。

メンバーと一緒にいると、ふと心がキュッと縮むことがある。 今もそうだ。

誰にも送れない僕の最高の人生。 これは僕しか持ってない幸せ。 隣に仲間が居て、笑いあえて、いつでも居場所があるのは素敵なことだ。

でもその反面、いつかは終わってしまうという考えがふと脳裏をよぎる。 こんな危険な職業、楽しそうにやってるけど常に死と隣り合わせなのはわかっている。

この中の誰かとの「別れ」が寿命でも解散でもなく戦闘死だったら、どうすればいいのだろう。

きっともうその時点で生きていけない。 1人でも居なくなってしまえば立ち直れない気がしてならない。

(死ぬなら一番に死にたい....よね)

何考えてるの?

へっ?

また「雰囲気エモい」とか言って泣くのかな〜って観察してたw

僕そんなこと言ったこと無いけど!?

お花見の時言ってたじゃ〜ん

...そうだっけ

言った気がする。そしてボロ泣きした記憶がある。

うわっ、りうちゃんこれ毒キノコやない!?

えっ!?どれどれ!!?✨️

「毒」という言葉に反応して無邪気に走り去ってしまった。 アニキはいふくんと喋ってるし....こういう時ってあるよね。不可抗力で1人なとき。

俺の事忘れてませんかー!!

あ、ないちゃん

先導してたらいつも1人になるんだよね。もうちょっと配慮して欲しい

1人時間を楽しみたいのかなって...

半年間十分味わったからもういいよw

それもそうだねw

ないちゃんはいつも何か考えごとしてそうな顔で歩いてるから話しかけずらい。 実際何か考えてるんだろうし、そこらへんの塩梅は僕得意じゃないし。

...何考えてたの?

と、いうと...?

悲しそうな顔くらいわかるよ

...ないちゃんそういうこと言うんだ

メンバーなんだから当然でしょ。心配だってするよ

そういうの照れくさくてあんまり言わないタイプだと思ってた。 そんなに悲しい顔してたかな?

うーん....

死ぬなら一番がいいな〜って、考えてた

...へぇ

一番に死んだらみんなの死ぬところ見なくていいし、死ぬ時はみんな居てくれるし

やっぱトップバッターかなぁって

....ないちゃんはどう思う?

こんな馬鹿げたことを聞いたらまた怒られてしまいそう。そう思ったけど、ないちゃんは意外にもすごく真面目な表情で答えてくれた。

俺もちょうど1年前、同じようなこと考えてたんだよね

えぇっ!?嘘!?

ちょうど1年前...って、みんなで旅してたとき....?

うん

1人で死ぬのは寂しいから、5人に囲まれて死にたいなって思ってた

じゃあ僕とないちゃんでどっちが先に死ぬか競走になっちゃうねw

ふざけてそう呟いたら、今度は優しい優しい笑みを浮かべて

でも今は違うよ(ニコッ

はっきりとそう言い切った。

...違うの?

終わりのこと考えるのやめたんだ

この1年一緒にいろんなこと体験したけど、「こいつらとは何があっても離れらんないな」って思って

そう...なんだ

特に初兎ちゃんとか、成仏した後天国にいっても血眼になってメンバー探すと思うんだよねw

たしかに!w

それに、一番に死んだら誰も守れない

どんだけ苦しくても死にたくなっても

最後までずっと仲間を守るって決めたから、俺が先に死ぬことは無いよ

その言葉はただただかっこよかった。 仲間のために寂しさも苦しさも捨てる覚悟を持つのは、どれだけ仲間を大切に思っていても難しい。

感心して何も言葉が出ずにいると、ないちゃんが「ほとけっちもでしょ」と言ってきた。

僕も....?

ほとけっちが死んだら誰がヒールしてくれるの?

怪我した仲間を治せるのは、ほとけっちだけだよ

っ....!

そっか....そうだよね

寂しいとか関係ない。 一番に死にたいだとか、良く考えれば 意味不明だ。

僕が誰も死なせないんだから。

そのために、Sになったんだから。

元気出た!!

単純だねw

そこはもうちょっといい言葉あったでしょ!?

ごめんごめんw

(ここが...魔王城.....)

あまりの迫力に圧倒される。 かなり離れた場所から見てもその大きさは衝撃的だった。

多分王城よりも大きい。2倍だと言われても驚かないくらいに。 周りには深いお堀があって、跳ね橋は上がったままだ。堀は本当に奈落の底まで続いてそうなほど深くて真っ暗だ。

魔王討伐をした勇者パーティーもここまで来たんやな....

これだけの大きさだとさすがにみんな圧倒されているようで、初兎ちゃんが呟いた言葉以外に喋る人はいなかった。

両隣のアニキとりうちゃんも声が出ないようで、口を開けたまま固まっている。 城から目が離せないらしい。

たしかに....同じ景色を見てるんだ

なんか、すごいな

すごいって感情しか出てこうへん

うん....

僕はそんな初兎ちゃんがすごいと思う。

正直、僕は恐怖の方が強かったから。 こんな大きな城を攻略して、こんな大きな城にいる大きな魔王を討伐するのは無謀すぎるんじゃないかと思った。

「うん」とは言ったけど、本音では恐怖が8割で感動が2割だ。

何もされていないのに、見ているだけで喉の奥が張り付くような底知れない恐怖をビリビリと感じる。

...バレないうちに早く離れた方がいいかも

なんか感じる、?

多分、どこかに監視塔があると思う

警備がガバガバなはずないし、ここで捕まったらきっともう帰れない

ゾワッ("帰れない"....)

せやな

近づくのはここまでにして、はよ戻ろう

うんっ

....っ(魔王城を眺める

何百年、何千年と続いてきた戦いに 僕らが終止符を打つのだ。

600年前の勇者パーティー『スカイ』は生還するために魔王を封印した。 でも僕らは__

(もう、人間と魔物が争わない世界がすぐそこにあるんだ)

続く

無謀なクエスト挑戦中

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コメント

8

ユーザー

更新ありがとうございます!! 今回特にメンバー同士の絆を感じてめっちゃテンション上がりました(? 終わりに近づいてるのは悲しいですが魔王討伐編楽しみにしてます!💕

ユーザー

メンバー達の絆が凄く感じられました! 一人一人がちゃんと成長してきていて、、…A+の方々が急激に強くなる様な気がするのは私だけですかね?w

ユーザー

いやすんごい。SとSとSとA+とA+とA+……。ドーピング疑うのちょっと分かる() Sランクの事で急にこっちに話しかけてきたの笑ったw

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