私がまだ小学生の頃、
香
おとうさんみて!
香
かぞくをかいたの‼︎
父
あぁ、上手く描けてるよ香。
母
えぇ、素敵よ香。
私達は幸せな家族だった。
母と父と、そして、
香保
香は
えがうまいね!
えがうまいね!
姉。
ずっと笑い合える、 そう思ってた。
私が中学生に 入ってすぐ、
姉宛に届いた、 1つの報告書のせいで、
全てが、壊れた。
母
香保…貴方…
香保
…こんなの、嘘だよ!
香保
だ、だって私は…
お父さんとお母さんの…
子供だもん…
お父さんとお母さんの…
子供だもん…
香保
何かの…手違いだよ!
父
…香保。
香保
お父さん…私は、
お父さんの子だよね…?
お父さんの子だよね…?
父
……二度と、
父
"お父さん"などと
呼ぶな。
呼ぶな。
香保
へっ…?
父
お前は、香保などでは
無い。
無い。
父
保健所に電話しろ。
母
ええ。
母
香、
そんな怪物に
近づくんじゃないのよ。
そんな怪物に
近づくんじゃないのよ。
香
…え?
香
(怪物…?
お姉ちゃんが?)
お姉ちゃんが?)
その時目に入ったのが、 1つの報告書だった。
適正結果:Doll 能力:闇
香
(Doll…?)
香
…お父さん、Dollって?
父
…能力を持ってしまった
怪物みたいなものだ。
怪物みたいなものだ。
父
こんなの娘でも
何でもない。
何でもない。
香保
……。
父
…がっかりだよ。
父
部屋に戻る。
香
娘じゃない…?
香
笑わせないでっ…w
香
私のたった1人の
お姉ちゃんが怪物…?
お姉ちゃんが怪物…?
香
そんなの、おかしいよ…!
香
不公平だ…。
その場に座り込んで 涙を流した。
香保
…香。
香保
最後に…
触れてもいい?
触れてもいい?
香
…うん。
久々に姉との 抱擁を交わした。
香保
お願いがあるの。
香
何…?
香保
貴方がもし、
Doll判定が出たら、
Doll判定が出たら、
香保
急いで、あの人達から
逃げて……。
逃げて……。
香
お姉ちゃん…。
香
分かった……。
それから私は、
私達来栖家は、
姉が居なかったように 変わった。
まるで、投げつけられた 愛を、渋々受け取るように、
ただそれなりに、 "来栖 香"として 愛された。
香
Doll…かぁ…。
香
やっと…解放される…
一番最初に来たのは 安堵だった。
香
…逃げなきゃ。
香
私はもう、
来栖 香なんか
じゃない!
じゃない!
来栖家の、
"唯一の娘"じゃない!
"唯一の娘"じゃない!
私は……
香保
香っ!
私は‼︎
香保
出て行く時には
本名で悟られないように
ニックネームをつけて。
本名で悟られないように
ニックネームをつけて。
香
じゃあ、お姉ちゃんが
決めてくれる…?
決めてくれる…?
香保
…そうだなぁ。
アマーリア
…アマーリア…
なんだからっ‼︎
なんだからっ‼︎
アマーリア過去編