コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
死にたくないから 生きたときもあった。 死なないから 生きたときもあった。 生きたいから 生きたときもあった。 しかし、生きずにはおれないから 生きるときがあっても よいのではないか。
––– 種田 山頭火
大聖堂
天望
次に辿り着いた場所は 思わず見惚れてしまうほどの 装飾で彩られた大聖堂だった。
「君は天使?それとも悪魔?」
天望
背後から聞こえた声に 勢いよく振り向いた。
鳴家
天望
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
的外れな質問攻めを受け 環境も相まって あっしはこう答えた。
天望
勿論、そんな訳はない。 だが、彼は納得したのか 深く頷いた。
天望
鳴家
時空の移動は側から見ると そう見えるのだということを あっしは知った。
天望
鳴家
鳴家
鳴家
天望
と、目的を話そうとすると 彼の目は殺意に満ち溢れており 生半可な答え方では 許されないと悟った。
天望
天望
答えを考えている最中、 付近で不快になるような 臭いが充満していることに 気が付いた。
恐る恐る臭いのする 場所へ顔を覗き込むと そこには...
天望
天望
天望
そこにあったのは ナイフでメッタ刺しに された女性の死体だった。
その血生臭さは 思わず吐き気を催したが 神と名乗ってしまった以上 一挙手一投足に油断ができず 敢えて平然を装った。
天望
鳴家
天望
鳴家
今、気が付いたが 鳴家の右手には 血のついたナイフが 握られていた。
恐らく、あっしの 返答次第では...だ。
鳴家
天望
天望
あっしは正直に答えた。
鳴家
大聖堂に静かな空気が流れた。 互いに一言も話さず 見つめ合ったままの 恐ろしい沈黙だった。
暫くして口を開いたのは 彼だった。
鳴家
天望
鳴家
天望
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
天望
鳴家
天望
天望
鳴家
彼は手のナイフを ギラつかせながら 睨みつけるように問う。
天望
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
鳴家
天望
天望
鳴家
天望
天望
鳴家
鳴家
天望
そして、あっしは手元の時計で ストップウォッチを押した。
彼はナイフを両手で持つと 心臓と刃先が向かい合うように して動きを止めた。
天望
鳴家
静寂が流れる。
天望
鳴家の表情が曇り始めた。
鳴家
鳴家
彼はナイフを持つ手を 震えさせながら言った。
天望
鳴家
天望
鳴家
彼は震えながら ようやく両手に勢いをつけて 心臓めがけてナイフを 振り下ろした。
そして...
天望
天望
鳴家
そこにいたのは 心臓に刺さる寸前で ナイフを止めた 放心状態の鳴家だった。
彼は力が抜けたように ナイフを放り投げると その場に座り込んだ。
鳴家
鳴家
天望
天望
天望
天望
天望
天望
天望
天望
天望
天望
鳴家
そう悲しく呟く鳴家を 背に、振り返らず 次の世界へと向かった。