🟦「ガァァアァアアァアァアァァァ!!!!」
⬜️「おい、こいつに麻酔掛けとけ、喋れない麻酔だけでいい。」
◽️「え、っいやでも」
⬜️「早く」
◽️「……はい」
嗚呼気分が悪い
まさか直接見ないといけないなんて聞いてない
見てないから我慢できたといっても過言では無いのに
猍君……
……まぁ
一生治らない病を持つ僕と比べれば別に。我慢すればいい話だろう?
早く寝たい。瞼が重い。
そもそも何故僕はこんなとこにいなきゃならないんだ
🟦「やめてっ、こんな病院廃業すればいいのになんでッ!!!ァガアカ、ハッ……、、」
「病院」「廃業」
猍君が手術してる夜に絶対に耳に流れてくる言葉
🟩「……願いだけでは、どうにもならないんだよ」
行動しなきゃ駄目なんだ
◽️「なんか言いました?」
⬜️「おい、集中しろ」
◽️「すいません」
ねぇ、猍君
僕らは……僕達は……
生きる理由が無いんじゃないかって、考えちゃう
猍君も。将来の夢を持ってないって聞いた
🟦「タヒにたく……、ない」
🟦「ぁ……が……っ」
何故人間は命を失う事を恐れているのか、僕は知っている
何もかも失ってしまうから
🟩「……」
◼️「帰りましょうか。」
🟩「はい」
僕達には失う物も何も無いというのに
綺麗な言葉並べとけばこの世の中は許されるのか?
面白いくらいに何も分からなかった
安心感がどっと増してくる病室に足を踏み入れたとき、黒さんが訊いてきた
◼️「返斗さんは、将来の夢はありますか」
🟩「……将来の夢……ですか」
僕は不治の病。一生治らない病気。病院から出るなんて夢のまた夢。
この人は本当に僕の病気を知って聞いてきているのか?
🟩「花屋とかですかね」
苛苛した。だから適当な返しをした
時間が経ち経ち病気は悪化していくのが現実
僕らに"将来"なんて大層なものは無いから
🟩「おやすみなさい」
無理矢理話を断ち切った
すっかり重くなった瞼を閉じて夢の世界へ入った
◼️「……おやすみなさい」
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