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冥界の守護者

第15話 - 気付いた違和感

238

2025年05月10日

#司類

#冬彰

#寧々えむ

#こは杏

#瑞類

あかまる🍓🐾໊

会議室

アン

…報告は以上です。今回は、お騒がせしてすみませんでした。

カイト

…うん、ありがとう。

カイト

僕は…あれほど、単独行動は控えるようにと言わなかったかな？

アン

(ひぇっ)

アン

も、申し訳ありませんでした！少しくらいなら大丈夫だろうと…！

司

シライシを単独で行動させた、オレにも責任はあります！！

ネネ

わ、私も！あの時付き添わなかった私が悪いです！

アン

ふ、2人は悪くないよ！私が1人で行くって言ったんだし！

カイト

…

カイト

みんな無事に帰ってきたから、特にお咎めする気はないよ。安心して。

アン

(ﾎｯ)

カイト

ただ、今後は絶っ対に、単独で行動しないこと。アンちゃんだけじゃなくて、他のみんなもね。

カイト

分かったかい？

アン

は、はい！肝に銘じます！

カイト

…それはそうと、また悪霊を侵入させてしまって、本当にすまない。

カイト

元はと言えば、僕の責任だ。本当に申し訳なかった。

カイト

対策はまた色々考えさせてもらう。みんな、必ずバディと行動するように。

訓練場

キンッ！カキンッ！ガキンッ！

アン

…だーーーーっ！！もう動けないぃ…！！

アキト

だから休憩挟むか聞いたのに…

アン

今から休憩するよぉ…

アキト

…お前、前より動き良くなったんじゃねぇの？

アン

えっ、ホント？！

アキト

元気じゃん

アン

アキトが珍しいこと言うからでしょ！

アキト

俺は思ってもないことは言わねぇからな。

アン

だから余計に珍しいの！今、褒めたってこと？

アキト

好きに捉えろ。

アキト

ただ、前よりもキレがあるというか…迷いが無い感じがしただけだ。

アン

(迷い…)

アン

…まぁ、色々と吹っ切れたからね。

アン

私もやっと成長？みたいな！

アキト

ふぅん…良かったな。

アン

今ならどんな悪霊にも勝てる気がする！

アキト

まず俺に勝ってから言え。

アン

上等！休憩お終い！

アキト

本当に元気だな…

アン

アキトはおじいちゃんみたいだね。

アキト

うるせぇ。お前と50年しか変わんねぇだろうが。

アン

50年"も"変わります〜〜

アキト

はいはい。手合わせすんならやるぞ。

トウヤ

なんだか、以前よりシライシが元気な気がするな。

コハネ

ふふ、そうだね。可愛いな。

トウヤ

そういえば、アズサワ達が迷い込んだという、シライシの生前を再現した空間についてだが。

コハネ

！

トウヤ

ルイさんから少し聞いたんだ。悪霊の新しい力のようだと。

トウヤ

最近…悪霊が、どんどん奇怪な力をつけ始めているな。

コハネ

うん…

コハネ

前までこんな事無かったのに…なんで急に、悪霊が変な力を持ち始めちゃったんだろうね。

トウヤ

あぁ。問題はそこなんだ。

トウヤ

何者かが、悪霊に奇怪な力を与えている。その者が悪霊を利用して、「境界の扉」を開こうとしている…と、考えるのが自然だろう。

コハネ

…けど、その"何者"が分からないよね。

コハネ

そもそも、魂をそんな風に扱えるなんて…普通じゃないだろうし。

コハネ

魂を自在に操れる人と言ったら、王様くらいしか…

トウヤ

……

トウヤ

(ルイさんがカイトさんを疑っている理由は、そこだろう。)

トウヤ

(実際、俺だってそう思う。)

トウヤ

(だが……)

トウヤ

分からないな…

コハネ

うん…

コハネ

けど、順調に柱も壊せてる。悪霊の目的は阻止出来ているから、大丈夫じゃないかな。

トウヤ

あぁ…それもそうだな。残りの柱は、たしか7本か？

コハネ

多分。私達も仕事の合間に探してるよ。

コハネ

だけど…あんまり、柱を守ってる悪霊がいないんだよね。

トウヤ

俺の方もだ。悪霊に遭遇したのは、恐らく1度だけだと思う。

コハネ

私達としてはラッキーだけど、悪霊ってそんな不用心なのかな…？

トウヤ

……

トウヤ

何故…人間界に柱を立てる？

コハネ

？

トウヤ

いや…何となく気になって。ただの独り言だ。

コハネ

そう…？

トウヤ

(「境界の扉」とは、死者と生者を反転…つまり、冥界と人間界を繋ぎ、開くための扉。)

トウヤ

(なのに、柱を立てるのは人間界だけでいいと…？)

トウヤ

(冥界に柱は立てられないのか？いや、それとももう…？)

トウヤ

…アキト！少しいいか？

アキト

ん？どした？

トウヤ

手合わせ中すまない。

トウヤ

少し、ルイさんの所へ行きたいんだが…いいだろうか？

アキト

あぁ、分かった。

アン

えー…アキトとトウヤ、行っちゃうの？

トウヤ

すまない、シライシ。

アキト

また埋め合わせはするから。

アン

まぁ、それならいいけど！トウヤ、どうかしたの？

トウヤ

少し確かめたいことがあって。ルイさんに相談したいんだ。

アン

そっかぁ。じゃあ、私はコハネとイチャイチャしとこ！

アキト

勝手にしとけ

コンコン

トウヤ

ルイさん。少しいいですか？

「いやっ！嫌だって言ってるだろう！」

トウヤ

？！

アキト

…取り込み中か？

「そ、そんな乱暴な…！やめっ」

トウヤ

ルイさん？！すみません、入りますね！

アキト

えっ、マジかよ

トウヤ

ルイさんっ！！

司

おぉ、トウヤ！丁度いい所に！

ルイ

と、トウヤくん！助けて！

トウヤ

勝手に入ってすみません。どういう状況で…

ルイ

司くんが野菜を食べさせようとしてくるんだ！

トウヤ

…野菜を、

司

オレはお前のバディとして、お前に野菜を食べさせる義務がある！

ルイ

無いよ！！

司

くっ、頑なな…1口でいいから食べてみろ！

ルイ

嫌だね！死んでも食べないよ！

司

言葉通り過ぎるだろ！

トウヤ

…アキト、

アキト

おう、何だ？

トウヤ

司に加勢してくれ。

ルイ

トウヤくん？！

アキト

了解。

ルイ

あ、アキトくん？！やめ…離してくれ！

アキト

司。今のうちにねじ込め。

司

任せろ！！

ルイ

やっ、やめ

ルイ

集団暴力だよ……

司

食べれて偉いな！ルイ！

ルイ

君って存外サディストだよね…

司

失礼だな！？違うわ！！

トウヤ

ルイさんが本当に野菜を…

アキト

何年ぶりの野菜でした？

ルイ

えっと、少なくとも1000年以上…

司

せ、1000年以上…お前な…

ルイ

も、もう死んでるから！食べなくてもいいの！

ルイ

それより…2人とも、何か用だったかい？

トウヤ

えぇ。ルイさんに少し、相談したいことがあります。

ルイ

ふむ……それは、"僕にだけ"に聞いて欲しいことかい？それとも、僕以外が聞いても大丈夫？

トウヤ

それは…

トウヤ

……出来れば、まずはルイさんにだけ、

アキト

！

ルイ

おや…そうかい。

トウヤ

すまない、アキト。

アキト

いや、いい。司、外行くぞ。

司

むっ！だが、今ルイと離れるのは…

ルイ

少し、部屋の前に居てくれ。呼んだらすぐに来てくれたらいいさ。

司

…分かった。

トウヤ

すみません、ルイさん。お時間を取らせてしまって。

ルイ

いいや、構わないよ。

ルイ

僕にだけ…という事は、悪霊関係だろう？

トウヤ

はい。

トウヤ

魂の柱について、少し前から…違和感を抱いていたんです。

トウヤ

悪霊の目的である「境界の扉」を開くのに必要不可欠なもののはずなのに、柱を守っている悪霊が少ないと。

ルイ

…ふむ、たしかにね。

ルイ

僕らなんて、一度も遭遇したことないよ。柱を守ってる悪霊にはね。

トウヤ

俺も、一度だけなんです。

トウヤ

偶然かもしれませんが、不用心さが気になりました。

ルイ

なるほどねぇ…

トウヤ

それで…その、

トウヤ

「境界の扉」は、死者と生者を反転…つまり、冥界と人間界を繋ぎ、開くための扉なんですよね？

ルイ

あぁ、そうだね。

トウヤ

冥界と人間界を繋ぐのに、人間界にしか柱が無いのは、何故なんでしょうか？

ルイ

……

トウヤ

普通、2つの世界を繋ぐなら、どちらにも必要では無いですか？

トウヤ

「境界の扉」について詳しく知らないので何とも言えませんが、どうにも違和感を感じてしまって…

ルイ

…考えたこと無かったな。

ルイ

たしかに、そう言われてみれば…君の言う通りかもね。

ルイ

……人間界にしか柱が立っていないという認識自体が、そもそも間違っている？

トウヤ

！

ルイ

人間界に立ってある柱だって、未完成の時に僕らは壊した。

ルイ

…全ての柱が本物であるとは限らない？

トウヤ

…どういう意味ですか？

ルイ

ただの推測だよ。なんの根拠も無いんだけれど…

ルイ

ダミーの柱があっても、おかしくないと思わないかい？

トウヤ

！

ルイ

そう、例えば悪霊のいない柱はダミー…とか、

トウヤ

そ、それは…

トウヤ

もしそうなら…俺たちが葬送したものは、ほとんど…

ルイ

もしこの仮定が本当なら、ダミーだったことになるね。

トウヤ

じゃあ…もう既に、本物が13本立っている可能性もあると？

ルイ

いいや、それはまだだろう。立っていたら「境界の扉」が現れるはず。

ルイ

…話を戻すけど、君の言う通り、柱が人間界にだけ立っているという認識は、間違いかもしれない。

ルイ

僕は今まで何の違和感も持たなかったけれど、冥界に柱が立っている可能性もある。

ルイ

……ちょっと、確かめに行こうか。

トウヤ

！！

トウヤ

確かめに……って、4人でですか？

ルイ

そうだねぇ…出来れば2人が良いけれど、

トウヤ

けど…アキトやシライシの事もあって、バディと離れて行動するのは禁じられています。

ルイ

ふむ、たしかに…

ルイ

2人にも事情を話して、4人で行こうか。

司

全く…2人で一体何の話をしているんだ…？

アキト

多分、悪霊のこととかだろ。

司

むむむ…それなら、別にオレたちにも聞かれて良くないか？

司

何故わざわざルイにだけ…

アキト

あんま妬くなよ。あの2人の仲なら普通だから。

司

アキトは妬かんのか？

アキト

…

司

妬いてるんだな。

アキト

…別に。もう慣れた。

アキト

ルイさんは…トウヤが、唯一甘えられる人だから。

司

甘え…

司

…トウヤが？

アキト

そう。

司

想像出来んな…

アキト

まぁ、そんなベタな甘え方はあんまりしないと思う。

アキト

けど、やっぱりトウヤが1番頼りにしてるのって、ルイさんなんだよな。

司

むぅ…アキトの事も、かなり頼りにしてるとは思うが、

アキト

まぁな。それは俺も思うけど、ルイさんには勝てねぇよ。

司

頼りに、なぁ……ルイはやはり最年長なだけあって、みんなから頼りにされてるんだな。

アキト

そうだな。大体困った時とか、分からない時はルイさんに言えば解決するし。

司

す、凄いな…

司

でも…それだと、ルイが頼りにできる人って…いないんじゃないか？

アキト

…

アキト

…そればっかりは、俺たちにはどうしようもない。

アキト

ルイさん以上の死神なんて、ここにはいないから。

司

…

司

(俺が…ルイにとって、頼れる存在になれたら、)

司

(いいや…なりたいな。)

ガチャッ

ルイ

2人とも、少しいいかい。

司

ルイ！！

アキト

話は終わりか？

トウヤ

いや、実は…

司

なるほど。冥界にも柱がないか、確認しに行くと…

ルイ

サラッと散歩程度にね。着いてきてくれるかい？

司

もちろんだ！

トウヤ

アキトも、いいだろうか？

アキト

おう。

ルイ

ふふ、2人ともありがとう。

冥界

城の外

司

しかし、本当に何も無い場所だな。

トウヤ

あぁ。下に奈落と、監獄があるくらいだ。

アキト

落ちないように気をつけろよ。

司

あぁ。それにしても…冥界に柱は無いんじゃないのか？

司

もしあったとしたら、あれ程たくさんの魂の気配に、カイトさんが気付かないはず無いだろう。

ルイ

……それだ、

司

ん？

ルイ

いや。何故僕らが今まで、冥界に柱がある可能性を考えられなかったのかと思っていてね。

ルイ

そうだ…カイトさんのことを信じていたからか、

司

うん…？

ルイ

…とりあえず、軽く冥界を1周しようか。

司

本当に何も無い所だったな。

アキト

だな。柱もねぇし、魂の気配もしなかった。

トウヤ

あぁ…どうやら、考え過ぎだったようだ。

ルイ

ふむ…そのようだね。まぁ、一安心かな。

『＿＿』

司

(ん？)

ふと、何かに呼ばれたような気がした。

司

(……流石に気のせいか。)

だが、何となく冥界の端の方に行きたくなった。

司

……すまん、もう少しいいか？

ルイ

うん？何か見付けたかい？

司

いや…何となく、向こうに行きたい。

トウヤ

向こう…？見ての通り、何も無い場所だが…

アキト

…まぁ、気になるなら行くか。

司

すまん、ありがとう。

ルイ

……何も無いねぇ

司

(気のせいか…しかし、何故か引き付けられる気が…)

司

(この…更に向こう？)

アキト

気は済んだか？…って、そっちは見ての通り、奈落しかねぇぞ。

引き付けられるまま、気になる方に向かって手を伸ばした。

ｶﾂﾝｯ

司

……ん？

トウヤ

？

何も無い空間のはずなのに、手を伸ばした先に何かが触れた。

司

……か、壁？

ルイ

壁？

何も無いはずの空間に、透明の壁のようなものが張り巡らされている。

司

ほ、ほら。壁のようなものがあるぞ！

アキト

……本当だ。

トウヤ

これは……まるでバリアのようだな。

ルイ

ふむ…本来、こんな所にバリアなんて無いはず。

ルイ

壊してみようか。

司

壊すのか？！というか、壊せるのか？！

アキト

まぁ、試してみるしかねぇだろ。

トウヤ

そうだな。やってみよう。

司

ヒビすら入る気配がしないな……

ルイ

あぁ…相当強固のようだね。

アキト

これ…放っておいていいやつなのか？

トウヤ

分からないな。念の為、カイトさんに報告するべきかもしれない。

ルイ

あぁ、そうだね。報告しよう。

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ルイくんが…野菜を食べた、？！（感動）冥界の扉の為の柱が偽物って考えたことなかった……。トウヤ凄すぎる！！続き待ってます！！

続き楽しみにしてます！！！

類君が野菜無理やり食べさせられてて面白いです！冥界に壁があるのはその先になんか冥界と人間界を繋げる大事なものを作ってるのかな？どうやって壁壊すんだろう… 続きが気になります！

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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