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名乗っていないのに誰だかわかってしまいますね(不思議と!)ものまねをしてるところお茶目で好きです💕
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリはケラケラと笑う。
ユリ
ユリ
そう言ってユリは
項垂れた少女―スミレの髪の毛を掴んで
前を向かせる。
喉元がパックリと切り裂かれ
制服が真っ赤に染まり、
その右目にはボールペンが
深々と突き刺さっていた。
唯一無傷の左目は
虚ろで
見ただけで死んでいるのがわかった。
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
わざとらしい甲高い声で言い
楽しそうに笑いながら
スミレの頭を左右に振った。
カスミ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
ユリ
ガンッと
ユリはスミレが座っている椅子を蹴り飛ばす。
ユリ
ユリ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリは持っていた包丁を
カスミの太ももに突き立てた。
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ギリギリと包丁を捩じる。
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリは包丁を持った手で
思い切りカスミを殴った。
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
カスミ
カスミ
ユリ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
ベキッ!
カスミ
ユリ
二人は同時に
音がした方を見る。
そこには、
盛大に転んだ人が1人。
そんな独り言を言いながら
立ち上がり
服に付いた埃を払う。
カスミ
カスミ
ユリ
カスミ
カスミ
青年は足取り軽く近づいてくる。
ユリ
ユリ
ユリ
ユリは持っていた包丁を
青年の方に向ける。
ユリ
足元に倒れている
惨殺されたスミレの姿を見つけるが、
青年はけして驚くことはなかった。
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
カスミ
ユリ
もう一度顔面を殴る。
そう言って青年はカスミに近づき
喉元を指差す。
カスミ
ユリ
そう言って青年は
落ちていた包丁を拾い上げる。
カスミ
ユリ
ズブッ…
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
青年は数歩、下がる。
ユリ
ユリ
青年は首を傾げる。
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
そう言って青年は
両手を上げて見せた。
カスミ
ユリ
ユリ
カスミ
ユリ
そして、ユリは
カスミの方を向く。
ユリ
カスミ
カスミ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
カスミ
顔を引き攣らせるカスミ。
怯えた目に映るのは、
振り上げられた包丁。
それが、
何度も
何度も
執拗に振り下ろされる。
ずっとこうすることを夢見てきた。
人を嘲笑うその顔を、
人を見下したようなその目を、
人を小馬鹿にするそのプライドを、
ズタズタのボロボロにしてやりたいと、
思い描いていたことが
目の前で現実なものとなる。
ユリ
だけれど、
ユリ
どんなにボロボロにしても、
ユリ
心は満たされない。
ユリ
気が付けば、
泣いていた。
ユリ
涙が
止まらなかった。
ユリ
これは自分が望んでやったことなのに。
動かなくなったカスミを見て、
抱いた気持ちは
罪悪感しかなかった。
ユリ
ユリ
真っ赤に染まった
己の手を見つめる。
こうしたことによって未来が明るくなる
なんて思っていなかった。
でも、
何かから解放されると思っていた。
もっと、
心晴れやかになると思っていた。
なのに、
実際は
疲労と共に
自分の犯した罪が
重く圧し掛かってくるだけ。
達成感も、
解放感も、
何も
得られなかった。
ユリ
ユリ
ユリ
ユリ
今さら後悔したところで、
やってしまった現実は変わらない。
ユリ
ユリは包丁を足元に落とし、
逃げるようにその場を後にした。
・
人の命を二つも奪ったのに、
自分が欲しかったものは
何一つ
得られなかった―――。
・
カスミ
カスミは
ゆっくりと顔を上げる。
その顔も
身体も
血塗れになっているが
かろうじて生きているようだった。
カスミ
カスミ
カスミ
カスミ
カスミ
奥の部屋から
先ほどの青年が
ひょっこりと顔を覗かせる。
そう言いながらカスミに近づいて来たので、
彼女は慌てて死んだフリをする。
カスミ
カスミ
カスミ
青年は
落ちていた包丁を拾い上げ
カスミの右目に突き刺した。
カスミ
どこか
楽しそう言いながら
深く
深く
包丁を刺し込んでいく。
カスミ
カスミ
青年はそう言って
にっこりと微笑んでみせた。
・
・
憂鬱だった。
こんなにも家に帰りたくないと思ったことは無い。
散々回り道をして
家に着いた時には
午前零時を過ぎていた。
ユリ
ユリ
死体が見つかれば
すぐにでも警察に捕まるだろう。
ユリ
人殺しの親として
両親はネットで吊し上げられるかもしれない。
しつこいマスコミに追いかけられるかもしれない。
ユリ
娘がいじめを訴えても
”お前に問題がある”
そう言っていた両親だ。
これもまた、
復讐の内の一つ
なのかもしれない。
ユリ
そう言って玄関を開けた瞬間、
いつもと違う気配を感じ取った。
ユリ
廊下に漂う空気に
鉄錆びのような臭いが混じっていた。
そっと
リビングへ繋がる扉を開ける。
ユリ
いやに甲高い声で
実に楽しそうに発せられた言葉。
ユリ
驚いたユリの目線の先には、
真っ赤に染まったエプロンを身につけた、
あの
廃墟に居たはずの
青年が
満面の笑みを浮かべて
立っていた。
ユリ
ユリ
ユリ
そう言って気が付く、
ダイニングチェアに座らされた
首の無い死体。
皿の上に置かれた両親の生首。
その右目には
ボールペンが深々と突き刺さっており、
虚ろな左目が
こちらをぼんやりと見つめていた。
ユリ
ユリ
腰が抜けたように
その場にへたり込む。
ユリ
ユリ
そうは言ったが
青年の口ぶりからは
一切
申し訳ないという感情が
感じ取れなかった。
ユリ
ユリ
ユリはゆっくりと立ち上がる。
ユリ
ユリ
その喉に
果物ナイフが突き刺さる。
ユリ
ユリ
ユリの太ももに
フォークが突き刺さる。
ユリ
実に優しく微笑む青年。
ユリは
その笑顔が
心底恐ろしいと感じた。
・
・
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
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