それは、消えても消せない記憶。
2011年 3月 11日
午前11時24分
響
響
明梨
名乗れなくなるね(笑)
響
明梨
響
歩いてたのに、これからは
通らなくなるんだなって
響
当たり前だったのに
明梨
明梨
明梨
来れるじゃん
響
響
会えなくなっちゃうじゃん
明梨
響
明梨
明梨
したいから
響
明梨
明梨
ないんだし
明梨
なれたら、お店来てよね
明梨
明梨
響
響
響
響
明梨
響
明梨
明梨
響
明梨
くれてたわけだし
明梨
好きって言うだけ言ってみる
明梨
終止符を打つわ!
響
明梨
明梨
響
明梨
響
響
明梨に言いたいこと
明梨
響
屋上で待ってる
明梨
響
明梨
響
午後2時46分
響
響
──ガタガタガタガタ!
響
響
──ガタガタガタガタ
響
響
響
響
/s/[storyId]/_components/chat-script-render/op/no-response-call/assets/call-no-response.de17167d8f1104de.png)
応答なし
響
響
響
陽太(弟)
理音(妹)
響
響
理音(妹)
先生
お姉さまですか?
響
先生
転んで足を擦りむいて
しまいました
響
陽太(弟)
先生
響
響
響
理音(妹)
響
午後5時17分
父
母
響
理音(妹)
陽太(弟)
母
父
父
響
父
母
母
何かあったら
どうしようって
震えが止まらくて・・・
響
響
父
ほんっとによかった
午後6時51分
響
/s/[storyId]/_components/chat-script-render/op/no-response-call/assets/call-no-response.de17167d8f1104de.png)
応答なし
響
父
響
母
響
母
午後8時55分
明梨の父
響
響
明梨の父
響
明梨の父
明梨の父
響
明梨の父
一緒かもしれないと
思ったんだが・・・
明梨の父
響
別れて、、そのまま・・・
明梨の父
響
明梨の父
響
響
行ったんだと思います
響
持っていたから・・・
明梨の父
響
すぐに報告します・・・
明梨の父
4日後
医師
間違いありませんか?
明梨の父
響
明梨は津波に呑み込まれ
そして亡くなった
明梨の父
当たり前に来ると 思ってたいた『明日』は 二度と戻らない光となった。
警察
分かっておりません
警察
明梨の父
警察
警察
持ち歩いていたものです
響
警察
明梨の父
響
響
響
警察
かもしれませんが
警察
最後まであなたのことを
考えていたと思いますよ
響
警察
復元してみたら、
あなたとの写真が沢山
ありました
警察
あなたに電話をかけて
いました
響
警察
警察
あなたを選んだのだと
僕は思います
響
明梨の父
明梨の父
明梨の父
君と過ごした時間は
幸せだったはずだ
明梨の父
君に捧げるくらい
明梨の父
大切な人への想いで
溢れててよかった
明梨の父
響
柚希
響
響
会わなくなっちゃったね
柚希
居なくなるなんて、
思ってなかった
私の大切な親友に
「明日」は来なかった。
柚希
辛かっただろう
柚希
響
『響〜!』
『こんな親友持てて幸せだわ!』
『もしほんとに美容師に なれたらお店来てよね』
『響は最初のお客様だから!』
『約束ね』
『また明日ね、響』
柚希
柚希
ないよね
柚希
ことって?
あれから長い月日が 流れた今も
約束は「約束」のまま。
響
響
柚希くんが好きだったよ
柚希
響
言ってたけど・・・
響
柚希
柚希
響
柚希
響
柚希
言えるやつ、どこにも
いないのに
柚希
柚希
柚希
響
柚希
柚希
私が伝えるはずだった想いも
あの日に呑み込まれてしまった
6年後
響
響
お待ちしてました
今日はどうなさいますか?
加藤
響
加藤
加藤
されたんですけど、
そのシチュエーションが
ダサすぎて!
加藤
眠気MAXの時に
告白します!?
加藤
響
よかったじゃないですか〜
響
そんなところも大好き
なんでしょう?
加藤
加藤
よくわかってますね〜
加藤
響さんに頼もっかな〜
響
加藤
加藤
『約束ね』
響
加藤
響
それは、消せても消えない記憶。
果たされない約束も 色褪せず残り続ける。
明梨
響
明梨
響
響
明梨
明梨
明梨
響