河野 優香
河野 優香
河野 優香
その時、悪寒がしてくしゃみが出た。
河野 優香
河野 優香
通行人
通行人
通行人
そう言って女の人は私にブランケットをかけてくれた。
河野 優香
通行人
そう言って缶のコーンスープを渡してくれた。
河野 優香
通行人
通行人
河野 優香
通行人
河野 優香
河野 優香
通行人
言われても(笑)
通行人
河野 優香
通行人
河野 優香
通行人
通行人
河野 優香
通行人
「小夜子をそんなに責めないで!」っていつも庇ってくれて。あ、私小夜子って言うんだけどね。
通行人
河野 優香
通行人
通行人
通行人
河野 優香
通行人
そこからはしっかり生きようって、
通行人
通行人
通行人
河野 優香
河野 優香
通行人
通行人
河野 優香
通行人
河野 優香
通行人
河野 優香
通行人
河野 優香
通行人
通行人
河野 優香
通行人
女性はそう言い残すと小走りで去っていった。
私はふわふわと柔軟剤の香りがするブランケットを羽織って、コーンスープを飲んだ。
河野 優香
体も暖かくて、飲み物も温かかった。でもそれ以上に心がじんわりと温かい感覚だった。
河野 優香
河野 優香
私は缶をゴミ箱に捨てて、家に向かうことにした。
河野 優香
河野 優香
私は18年前の街を歩いた。
河野 優香
河野 優香
とりま家は変わってないと思うし、大丈夫かな、。
心細さを誤魔化しながら家までを歩いた。
家の目の前に着いた、が家に車が止まってなかった。
河野 優香
河野 優香
18年前の2月3日って、。
河野 優香
河野 優香
河野 優香
河野 優香
私は気が付けば走り出していた。
河野 優香
河野 優香
河野 優香
昨日といい今日といい、走る事の多い人生だなと思う。
どのくらい走っただろう。
肺が潰れそうなくらい痛くて、喉はチクチクといたい。
河野 優香
河野 優香
看護師
河野 優香
河野 裕美子さんの病室はどこですか?
看護師
3分後
看護師
河野 優香
その時、私の方に鋭い衝撃が走った。
どんっ!
河野 優香
???
河野 優香
河野 優香
その男性は、なんと、お母さんの病室に入っていったのだ。
???
優香のお母さん(18年前)
優香のお父さん(18年前)
優香のお母さん(18年前)
優香のお父さん(18年前)
看護師
優香のお父さん(18年前)
優香のお母さん(18年前)
私はやるせない気持ちになった。
河野 優香
私は病室の外から中の様子を見ていた。
看護師
河野 優香
看護師
河野 優香
看護師
河野 優香
看護師
看護師
看護師
河野 優香
看護師
看護師
看護師
看護師
看護師
河野 優香
看護師
河野 優香
私は勘違いしていた。
私なんか、邪魔者で、誰にも愛されてないんだって思ってた。
河野 優香
その時、カバンの中のキンダンノホンが眩く輝き始めた。
ピカーーーっ!
河野 優香
私はそのまま気を失ってしまった。
目を開けると、自分の部屋のベットに寝ていた。
でも何だか様子がおかしかった。
河野 優香
河野 優香
時代が変わる事にもう驚く事は無かった。
落ち着いて、部屋の中を探索する事にした。
河野 優香
店員
河野 優香
あの店員の声がした。姿は見えないけど、近くにいるそう確信した。
河野 優香
店員
ニヤッと不気味に笑う顔が目に浮かんで、思わず身震いをした。
店員
河野 優香
店員
河野 優香
店員
河野 優香
店員
河野 優香
男は消えた。何となくそんな感じがする。
河野 優香
生唾を飲み込み、音を立てないように1階へおりた。
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
優香が小学生で片親なんて、可哀想だからよ!!!!
私は心臓と頭が一気に白く、寒く、暑くなるような。そんな気がした。
優香の父(6年前)
優香の父(6年前)
父の浮気相手(由恵)
クスクスと笑う、若い女の人の声が聞こえる。
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
父の浮気相手(由恵)
しょうがないじゃないですかぁ。
父の浮気相手(由恵)
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
私は意識が遠くなる。
優香の父(6年前)
優香の父(6年前)
あたしは吐き気がしてきた。
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
優香の父(6年前)
優香の父(6年前)
父の浮気相手(由恵)
その時鋭い音が辺りに響き渡った。
バチンッ!!!!
父の浮気相手(由恵)
優香の父(6年前)
優香の母(6年前)
父の浮気相手(由恵)
ゴッ!ガッ!ガシャンッ!!!
父の浮気相手(由恵)
家の中で女の悲鳴が響いていた。
河野 優香
吐き気を我慢出来なくなり、その場に吐いてしまった。
そのまま気が遠くなり倒れてしまった。
次に目が覚めた時、もう父、いや、あの男と女はもう居なかった。
リビングからは母の啜り泣く声が聞こえた。
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
優香の母(6年前)
私は、気が付けば泣いていた。
何も知らないのは私の方だった。
河野 優香
無神経なのはどっち、最低なのはどっち、
河野 優香
河野 優香
泣きながら声にもならない声で何度も何度も謝り続けた。
その時またあの本が眩く輝き始める。
ピカーーーーー
私は倒れてしまった。
気が付くと昨日のベンチの上に寝ていた。
近くには六芒星と水の入った容器。
河野 優香
スマホを見ると、2022年 1月27日と書いてあった。
河野 優香
私のカバンの中には本、財布、それからブランケットが入っていた。
河野 優香
その時、スマホに通知が来た。
地元の大きな病院、前に何度かお母さんがお世話になっている病院からだった。
嫌な予感に私の背筋は凍りつく。
河野 優香
お母さんの担当医(藤川)
河野 優香
お母さんの担当医(藤川)
プっ、ツーツーツー。
切られた電話を右耳に当て、固まっていた。
河野 優香
河野 優香
お母さんは生まれつき、心臓が弱かった。
河野 優香
お母さんは小さい頃からずっと度々病院に入院していた。
前回、次に入院することになれば、きっと手術、そして、命が危ない、と言われていた。
「なるべく精神を穏やかに」と。
河野 優香
もう足には限界が来ていて、何度も転けた。足には豆ができて、そこから血が出ていた。
膝を擦りむいて、ソックスに血が滲んでいた。それでも足をとめなかった。
こういう時に限って思い出すのは優しい、温かい、幸せな記憶だった。
優香(保育園)
優香(保育園)
優香の母
優香(保育園)
優香(保育園)
優香の母
ままも優香だーいすき!!
優香(保育園)
優香(保育園)
優香(保育園)
優香の母
あ、そっちは深いからこっちで遊ぶよ!
優香(保育園)
優香の母
じゃあままと手繋いではいろうね
優香(保育園)
優香(保育園)
優香の母
優香(保育園)
優香の母
優香の母
優香(小学生)
優香の母
優香(小学生)
優香の母
優香(小学生)
優香の母
優香(小学生)
優香の母
優香(小学生)
優香(小学生)
優香の母
優香(小学生)
優香(小学生)
優香の母
優香(小学生)
優香の母
病院に着いた頃には、もうすっかり暗くなっていた。
廊下は自動販売機の電気しか着いていない。
病院特有の消毒の匂いが漂っていた。
タッタッタッタッタッタッ
病院の廊下を全速力で走り抜けた。
ガラガラガラっ!
河野 優香
病室の中はクリーム色のカーテンとベットがあって、電子音がピッピっとなっている。
お母さんの担当医(藤川)
お母さんの担当医(藤川)
河野 優香
お母さんの担当医(藤川)
看護師
河野 優香
お母さんの担当医(藤川)
お母さんの担当医(藤川)
優香の母
お母さんの担当医(藤川)
優香の母
お母さんの担当医(藤川)
命に別状もありません、!
河野 優香
私は膝から崩れ落ちた。
優香の母
河野 優香
優香の母
こんな目にあって、今起きたばかりなのに、私の心配を真っ先にしてくれる。
優香の母
河野 優香
看護師
看護師と担当医が気を利かせて静かに病室を出ていった。
河野 優香
優香の母
河野 優香
河野 優香
優香の母
河野 優香
河野 優香
河野 優香
河野 優香
今にも崩壊しそうな涙腺を必死に押し殺しながら、詰まる言葉をポツリポツリと発していく。
河野 優香
優香の母
優香の母
河野 優香
私はお母さんの胸に顔を押し付けて泣いた。
優香の母
優香の母
優香の母
河野 優香
優香の母
優香の母
河野 優香
ガラガラガラ!
???
優香の母
河野 優香
???
優香の母
???
河野 優香
母の妹(小夜子)
河野 優香
母の妹(小夜子)
河野 優香
その後、長い長い、時代の旅の話を小夜子さんに聞かせた。
本はいつの間にかカバンの中から消えていて、後日、古本屋のあった場所に行ってみたけれど、店は跡形もなく消えていた。
〜5年後〜
社員
河野 優香
社員
社員
これどうしたら良いんでしょうか、
河野 優香
社員
さすがです!有難うございます!
河野 優香
村澤 奏(副社長)
今日は私Aランチに挑戦する!
社員
威張ってないし、優しくて可愛くて仕事できて、最強かよ((ヒソヒソ
社員
社員
社員
あの後、私は起こったことと、目指したいことを学校で奏に話した。
河野 優香
花澤 奏
河野 優香
花澤 奏
花澤 奏
河野 優香
花澤 奏
花澤 奏
テレビで取材受けて、〜…!!!
河野 優香
リポーター
私は奏と目を合わせて笑った。
河野 優香
村澤 奏(副社長)
河野 優香
2人で声を揃えてそういった。
その後ネットニュースでこれは大きく報道され、その年の流行語大賞になりました。笑
優香の元父(龍之)
優香の元父(龍之)
ピンポーン
優香の元父(龍之)
ガチャ
優香の元父(龍之)
優香の元父(龍之)
店員
店員
優香の元父(龍之)
優香の元父(龍之)
店員
優香の元父(龍之)
店員
店員
店員
優香の元父(龍之)
店員
店員
優香の元父(龍之)
店員
店員
男がにたァっと不気味に笑う
店員
優香の元父(龍之)
優香の元父(龍之)
龍之は頭を擦り付けて土下座する。
店員
店員
私は人間の醜い部分がだーいすきです
店員
店員
優香の元父(龍之)
店員
店員
優香の元父(龍之)
うあああああああああああああああ