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テラーノベル(Teller Novel)

河野 優香

ま、まさか本当に過去に戻れるなんて。

河野 優香

(あんな事しといてなんだけど)

河野 優香

(正直あんまり信じてなかった。)

その時、悪寒がしてくしゃみが出た。

河野 優香

へっくし!

河野 優香

てか何?!寒すぎでしょ!

通行人

貴方2月なのになんでそんな薄着なの?!

通行人

風邪ひいちゃうじゃない!

通行人

ほら!これかけて!

そう言って女の人は私にブランケットをかけてくれた。

河野 優香

へ、?

通行人

それからこれあげるわ!

そう言って缶のコーンスープを渡してくれた。

河野 優香

え、あ、ありがとうございます。

通行人

さっき買ったばかりだからまだ暖かいはずよ☺️

通行人

ブランケットは気にしないで!持って行っていいわ。

河野 優香

あ、あの。

通行人

どうした?まだ寒い?

河野 優香

いえ、その。

河野 優香

なんで見ず知らずの私なんかにそこまで優しくしてくれるんですか?

通行人

なんでって…。
言われても(笑)

通行人

困っていたから?寒そうだったから?

河野 優香

(見ず知らずの人が困っていただけで?)

通行人

人間はみんな助け合わなきゃ!

河野 優香

そ、そっか、

通行人

ふふ、でもね、私も学生の頃はヤンチャで。人に迷惑かけてばっかりだった。

通行人

特にお姉ちゃん、笑

河野 優香

お姉ちゃん、

通行人

私が親に叱られてると、
「小夜子をそんなに責めないで!」っていつも庇ってくれて。あ、私小夜子って言うんだけどね。

通行人

そんなお姉ちゃんにも反発してたんだけどね。

河野 優香

……?

通行人

ある時、お姉ちゃんに言われたの、

通行人

「理不尽な大人や、不平等な社会に反発したくなるのは分かるよ。」

通行人

「でも、それも、私の人生だって受け入れて、笑顔で生きていくことが、芯の強さなんだよ」って

河野 優香

…素敵なお姉さんですね。

通行人

ええ、笑
そこからはしっかり生きようって、

通行人

強く笑って生きてやろうって思ったの。

通行人

そんな姉が今日出産するのよ!!!

通行人

2月3日生まれって結構多いらしくて、病院も満員だったけど、やっとの事で病院見つけたんだって!

河野 優香

おめでとうございます!!!

河野 優香

応援しに行かれないんですか?

通行人

そうしたい所なんだけど、今から商談があってさ笑笑

通行人

予定日より1ヶ月近く遅れてたから、休み取ろうにも取れなくて笑

河野 優香

そうですか、残念ですね。

通行人

ええ、でも、応援したわ!携帯電話で!

河野 優香

(そっか、まだスマホはない時代か)

通行人

あ、時間が無い!それじゃあね!暖かくして!

河野 優香

はい!ありがとうございました!

通行人

あ、それからね、貴女に親切にした理由なんだけど、学生の頃の私と重ねてたみたい。笑

河野 優香

、、??

通行人

見た目とか、悩みありそうな感じとか、私も家出して公園で寝るなんてことしょっちゅうだったし、笑笑

通行人

でも、大切にしなきゃダメよ!いつ居なくなっちゃうか分かんないんだから!

河野 優香

はい!

通行人

それじゃあ、またね!

女性はそう言い残すと小走りで去っていった。

私はふわふわと柔軟剤の香りがするブランケットを羽織って、コーンスープを飲んだ。

河野 優香

(温かい。)

体も暖かくて、飲み物も温かかった。でもそれ以上に心がじんわりと温かい感覚だった。

河野 優香

てか、過去に戻ってきた所で、何をどうしたら言い訳???

河野 優香

とりあえず、家の近くに行ってみるか。

私は缶をゴミ箱に捨てて、家に向かうことにした。

河野 優香

(うわぁ、みんな服装が…。)

河野 優香

(まぁ、そういう時代か。)

私は18年前の街を歩いた。

河野 優香

うわぁ、あの女子高生、ストラップジャラッジャラ。笑

河野 優香

ドラマとかでしか見た事ないよ。

とりま家は変わってないと思うし、大丈夫かな、。

心細さを誤魔化しながら家までを歩いた。

家の目の前に着いた、が家に車が止まってなかった。

河野 優香

休日なのに、お父さん達留守なのかな。

河野 優香

あ、待って?!?!?!?!?

18年前の2月3日って、。

河野 優香

私が、生まれた日だ、、!

河野 優香

て事はお父さんたちはいま病院に居るってこと?!

河野 優香

えっと、宮倉婦人科、、だったっけ。

河野 優香

(行かなきゃ、、!)

私は気が付けば走り出していた。

河野 優香

この頃は出生率が高くて、どこの病院も満員なんだったっけ。

河野 優香

だから少し遠いところ、

河野 優香

(早く、行かなきゃ、!!)

昨日といい今日といい、走る事の多い人生だなと思う。

どのくらい走っただろう。

肺が潰れそうなくらい痛くて、喉はチクチクといたい。

河野 優香

つ、着いた。

河野 優香

あ、あの、!

看護師

はい、どうされました?

河野 優香

お母さ、、
河野 裕美子さんの病室はどこですか?

看護師

少々お待ち下さい。

3分後

看護師

こちらの病室です。

河野 優香

あ、ありがとうございます、!

その時、私の方に鋭い衝撃が走った。

どんっ!

河野 優香

痛っ!!!

???

す、すまない!!!

河野 優香

は、はぁ、?大丈夫です

河野 優香

(どこかで見たことある顔、)

その男性は、なんと、お母さんの病室に入っていったのだ。

???

裕美子!!!!!!

優香のお母さん(18年前)

龍之(たつゆき)、!、

優香のお父さん(18年前)

生まれたのか、!!!!

優香のお母さん(18年前)

ええ、ええ、ええ。

優香のお父さん(18年前)

う、うう、。。。

看護師

元気な可愛らしい女の子ですよ、!!

優香のお父さん(18年前)

良かったぁ、うわぁぁぁあ!!泣

優香のお母さん(18年前)

生まれたわよ、生まれたわよ、!!

私はやるせない気持ちになった。

河野 優香

(なんだ、、ちゃんと愛されてるじゃん、)

私は病室の外から中の様子を見ていた。

看護師

君も、応援しに来たのかい?

河野 優香

あ、いえ、そのたまたま通りかかっただけで。

看護師

そうかい。

河野 優香

ただ、ちょっと大袈裟だなって。1人生まれただけで…笑

看護師

……実はね、そこの妊婦さん、何度か妊娠はしていたが、その度流産してしまっていたんだ。

河野 優香

…え?

看護師

このままだと、子供が出来ないどころか、お母さんが負担で死んでしまう所だったんだ。

看護師

そして、去年の1月、授かる事が出来た、。

看護師

ただ、生むことに我々医者は反対したんだ、

河野 優香

え、?

看護師

何度も流産しているその体はとても弱っていたし、

看護師

元々、出産とは命懸けなんだ。

看護師

お腹の中で育てていく間も大変だしね。

看護師

だけど、あの方はそれでも分泌を希望したんだ。自分が死んでしまうかもしれないのに、。

看護師

もう、殺したくない。私の分まで生きて欲しいと。

河野 優香

………ッ。

看護師

ああして親子3人で抱き合えているのは、奇跡なんだ。誰も欠けていない。

河野 優香

………そうなんだ。

私は勘違いしていた。

私なんか、邪魔者で、誰にも愛されてないんだって思ってた。

河野 優香

産んでくれる、ただそれだけで愛しているんだ。愛されてるんだ。

その時、カバンの中のキンダンノホンが眩く輝き始めた。

ピカーーーっ!

河野 優香

う、

私はそのまま気を失ってしまった。

目を開けると、自分の部屋のベットに寝ていた。

でも何だか様子がおかしかった。

河野 優香

て、これ

河野 優香

小学生の頃の部屋じゃん、!

時代が変わる事にもう驚く事は無かった。

落ち着いて、部屋の中を探索する事にした。

河野 優香

(この時代の私に鉢合わせたらどうなるんだろう)

店員

その心配はありませんよ。

河野 優香

……?!

あの店員の声がした。姿は見えないけど、近くにいるそう確信した。

河野 優香

あんた、なんなの?何者なの?、

店員

ただの古本屋の店員です。

ニヤッと不気味に笑う顔が目に浮かんで、思わず身震いをした。

店員

この時代は、貴方は他の人間や生物には見えません。

河野 優香

それって。

店員

まぁ、VR感覚で楽しんで下さい。

河野 優香

全然意味がわかんない

店員

それより、下に行かないのですか?

河野 優香

はぁ、?

店員

今は貴方の人生の"ターニングポイント"とも言うべき場所ですよ。

河野 優香

は、どういうこと!ねぇ、ねぇ!

男は消えた。何となくそんな感じがする。

河野 優香

(下に、行けばいいんでしょ、。)

生唾を飲み込み、音を立てないように1階へおりた。

優香の母(6年前)

ちょっと!誰なのよ、この女!

優香の父(6年前)

ただの会社の後輩だって言ってるだろ、

優香の母(6年前)

それにこれ!ラブホの領収書でしょ?!

優香の父(6年前)

あー。うるせえな。仕事で疲れてんだよ。

優香の母(6年前)

私だって疲れてるわよ!

優香の父(6年前)

あーあ面倒臭いなぁ。

優香の父(6年前)

それなら離婚するかぁ?

優香の母(6年前)

……。それは、

優香の父(6年前)

なぁ?俺からは離れられないだろ。

優香の母(6年前)

馬鹿にしないで!!!
優香が小学生で片親なんて、可哀想だからよ!!!!

私は心臓と頭が一気に白く、寒く、暑くなるような。そんな気がした。

優香の父(6年前)

うるせえな。もうめんどくせえわ。

優香の父(6年前)

おい、出てきていいぞ、由恵(ゆきえ)

父の浮気相手(由恵)

ええ、修羅場じゃないですかぁ。笑

クスクスと笑う、若い女の人の声が聞こえる。

優香の父(6年前)

俺、こいつと結婚するわ

優香の母(6年前)

……は?

父の浮気相手(由恵)

出来ちゃったんですよ、、クスッ
しょうがないじゃないですかぁ。

父の浮気相手(由恵)

あなたも女なら分かりますよねぇ。

優香の母(6年前)

……ッ

優香の父(6年前)

じゃ、そういうことだから、

私は意識が遠くなる。

優香の父(6年前)

金の心配ならさ、優香の事、どっかのジジイに売ればいい。

優香の父(6年前)

優香は可愛いし発育もいいから人身売買だと高値で売れるさ。

あたしは吐き気がしてきた。

優香の母(6年前)

殺してやる、殺してやる!!!!!

優香の母(6年前)

私の事なんと言おうが構わないわ!でも、優香の事次そんなふうに行ったら殺してやるから!!!

優香の父(6年前)

お前が俺を殺したら、優香はどうなる?

優香の母(6年前)

……ッ

優香の父(6年前)

犯罪者の娘?人殺しの娘。

優香の父(6年前)

孤児院だといじめられるかもなぁ?

父の浮気相手(由恵)

八方塞がりですね。

その時鋭い音が辺りに響き渡った。

バチンッ!!!!

父の浮気相手(由恵)

い、痛い。。

優香の父(6年前)

おいお前何するんだよ!

優香の母(6年前)

いいから、そこどけよ。

父の浮気相手(由恵)

や、やめて

ゴッ!ガッ!ガシャンッ!!!

父の浮気相手(由恵)

い、痛いわやめてぇぇ!!

家の中で女の悲鳴が響いていた。

河野 優香

う、おえッ……

吐き気を我慢出来なくなり、その場に吐いてしまった。

そのまま気が遠くなり倒れてしまった。

次に目が覚めた時、もう父、いや、あの男と女はもう居なかった。

リビングからは母の啜り泣く声が聞こえた。

優香の母(6年前)

うう、うっ、うっ、おえ

優香の母(6年前)

もう、死んでしまいたい、でも

優香の母(6年前)

私が死んだら優香はどうなる、

優香の母(6年前)

優香はどうやって生きていくの、?

優香の母(6年前)

一生孤独、、。

優香の母(6年前)

そ、それだけはダメ、!

優香の母(6年前)

でもどうやったらあの子をしっかり育てられるのかしら。

優香の母(6年前)

……厳しくなるしかないのかしら。

優香の母(6年前)

嫌われてもいいから、あの男とあの女に見せ付けてやるんだわ。

優香の母(6年前)

あの男にあんたなんかいなくてもこの子を立派に育てることができるって、

優香の母(6年前)

嫌われ役をしなくてはいけないのね。ごめんね優香、愛してるわ、心の底から。

私は、気が付けば泣いていた。

何も知らないのは私の方だった。

河野 優香

ごめんなさい、ごめんなさい、

無神経なのはどっち、最低なのはどっち、

河野 優香

死ねなんて言ってごめんなさい、。

河野 優香

ごめんなさい、お母さん、。

泣きながら声にもならない声で何度も何度も謝り続けた。

その時またあの本が眩く輝き始める。

ピカーーーーー

私は倒れてしまった。

気が付くと昨日のベンチの上に寝ていた。

近くには六芒星と水の入った容器。

河野 優香

ス、スマホ、

スマホを見ると、2022年 1月27日と書いてあった。

河野 優香

戻ってきた、それとも夢、?

私のカバンの中には本、財布、それからブランケットが入っていた。

河野 優香

夢じゃ、ない。

その時、スマホに通知が来た。

地元の大きな病院、前に何度かお母さんがお世話になっている病院からだった。

嫌な予感に私の背筋は凍りつく。

河野 優香

も、もしもし、

お母さんの担当医(藤川)

優香さん!!!何度も電話したんですよ?!?!

河野 優香

母が、母がどうかしたんですか、!!

お母さんの担当医(藤川)

今すぐ病院に来てください!急いで!

プっ、ツーツーツー。

切られた電話を右耳に当て、固まっていた。

河野 優香

お母さんっ!!!!!

河野 優香

早く行かないと!!!!!

お母さんは生まれつき、心臓が弱かった。

河野 優香

(お母さん、お母さん、お母さん、)

お母さんは小さい頃からずっと度々病院に入院していた。

前回、次に入院することになれば、きっと手術、そして、命が危ない、と言われていた。

「なるべく精神を穏やかに」と。

河野 優香

あたしのせいだ、あたしのせいだ、

もう足には限界が来ていて、何度も転けた。足には豆ができて、そこから血が出ていた。

膝を擦りむいて、ソックスに血が滲んでいた。それでも足をとめなかった。

こういう時に限って思い出すのは優しい、温かい、幸せな記憶だった。

優香(保育園)

まま!まーま!

優香(保育園)

はやくはやく!こっちにきて!

優香の母

はいはい、メリーゴーランド乗ろっか!

優香(保育園)

うん!!!!

優香(保育園)

ままだーいしゅき!

優香の母

うわぁ〜💗
ままも優香だーいすき!!

優香(保育園)

えへへ〜

優香(保育園)

まま!まま!!!

優香(保育園)

ぷーるたのしいね!!!

優香の母

たのしいね!☺️
あ、そっちは深いからこっちで遊ぶよ!

優香(保育園)

やーだ!やーだ!こっちがいい!

優香の母

もー!
じゃあままと手繋いではいろうね

優香(保育園)

うん!ままだいしゅき!

優香(保育園)

ぱんぺーき!ぱんぺーき!🎶

優香の母

ぱんけーきおいしい?☺️

優香(保育園)

ん!ままもあーん!

優香の母

あーんっ!おいしいね!ありがとう優香☺️

優香の母

優香〜

優香(小学生)

ん〜なあに!!

優香の母

好きな人、出来たでしょ〜?😏

優香(小学生)

え!?!で、出来てないよ!

優香の母

あー!嘘ついてるー!

優香(小学生)

ええ?!

優香の母

優香はね小さい時から、嘘つく時は髪の毛くるくるするんだよ〜😏

優香(小学生)

ええ、じゃあパパにはナイショだよ〜?

優香の母

うんうん!

優香(小学生)

おかーさんおかーさん!!

優香(小学生)

きてきて!金魚すくいある!!

優香の母

おー!やろうか!

優香(小学生)

うん!

優香(小学生)

あー、破れちゃった、。

優香の母

えい、えい!!

優香(小学生)

うわあ!おかーさん上手上手!!!

優香の母

そうでしょ〜<( ¯﹀¯ )>

病院に着いた頃には、もうすっかり暗くなっていた。

廊下は自動販売機の電気しか着いていない。

病院特有の消毒の匂いが漂っていた。

タッタッタッタッタッタッ

病院の廊下を全速力で走り抜けた。

ガラガラガラっ!

河野 優香

お母さん!!!!!!

病室の中はクリーム色のカーテンとベットがあって、電子音がピッピっとなっている。

お母さんの担当医(藤川)

10分ほど前に手術が終わりました。

お母さんの担当医(藤川)

君を探しに昨日の夜あんな寒い中一晩中徘徊していたそうです。

河野 優香

………ッ

お母さんの担当医(藤川)

優香さん!もっと大事にしてあげないと!!!死ぬところでしたよ!!

看護師

ちょっとドクターその言い方は、

河野 優香

……すみません。

お母さんの担当医(藤川)

……すまない。

お母さんの担当医(藤川)

私も取り乱して、。

優香の母

ゆう、か、。

お母さんの担当医(藤川)

裕美子さん、裕美子さん、聞こえますか?

優香の母

は、はい。

お母さんの担当医(藤川)

手術は、成功致しました。
命に別状もありません、!

河野 優香

おかあ、さん、。

私は膝から崩れ落ちた。

優香の母

優香、もう、心配させないでよ。

河野 優香

ごめんなさい、ごめんなさい、お母さん。。

優香の母

どこも怪我してない、?大丈夫?

こんな目にあって、今起きたばかりなのに、私の心配を真っ先にしてくれる。

優香の母

ダメなお母さんでごめんね。

河野 優香

ダメなお母さんなんかじゃない、!

看護師

ドクター、おふたりにしましょう((ヒソヒソ

看護師と担当医が気を利かせて静かに病室を出ていった。

河野 優香

お母さん、私ね、信じられないかもしれないけど、過去に行ってきたの、。

優香の母

ゆうか、。

河野 優香

それで、見てきたの、私が生まれてきた日、小さい頃の記憶、そして、

河野 優香

あの人と離婚の話してるとこも。

優香の母

……優香。

河野 優香

お母さん、私を立派に育ててくれて、ありがとう。

河野 優香

自ら嫌われ役を演じて、仕事しながら家事も炊事もしてくれて、本当にありがとう。

河野 優香

そしてね、

河野 優香

そ、して、

今にも崩壊しそうな涙腺を必死に押し殺しながら、詰まる言葉をポツリポツリと発していく。

河野 優香

産んでくれて、ありがとう、、。

優香の母

優香、、。

優香の母

う、うう。

河野 優香

う、う。うわあああ、、。

私はお母さんの胸に顔を押し付けて泣いた。

優香の母

優香、お母さんはね、

優香の母

死ね何て言わないで欲しい。

優香の母

死にたいなんて言わないで欲しい。

河野 優香

うん、うん、もう、言わない

優香の母

理不尽な大人や、不平等な社会に、反発したくなるのは分かるよ。

優香の母

でも、それも私の人生だって受け入れて、笑顔で生き抜いて欲しい。

河野 優香

その言葉って、、。

ガラガラガラ!

???

姉さん!!!!!

優香の母

あらあら小夜子なにも騒々しい笑

河野 優香

小夜子って、、、

???

あ、貴方、なにか遠い昔に会ったことあるような、。。

優香の母

娘の優香よ、久しぶりに会ったものね笑

???

あ、私は貴方のお母さんの妹、小嶺 小夜子です。

河野 優香

お久しぶりです、小夜子さん。

母の妹(小夜子)

それにしても、貴方どこかで会ったような、、、。

河野 優香

ええ、約20年前に、

母の妹(小夜子)

え、?ん???どうゆうこと???

河野 優香

んー、話したら、長くなります笑

その後、長い長い、時代の旅の話を小夜子さんに聞かせた。

本はいつの間にかカバンの中から消えていて、後日、古本屋のあった場所に行ってみたけれど、店は跡形もなく消えていた。

〜5年後〜

社員

社長!○○会社との商談決まりました!

河野 優香

おお!流石だね!

社員

有難うございます!!

社員

社長〜汗
これどうしたら良いんでしょうか、

河野 優香

ここを、こうして、最後にこう!

社員

うわあ、そういう事か、。。
さすがです!有難うございます!

河野 優香

ううん!何か困ったらまた言ってね!

村澤 奏(副社長)

優香〜!一緒にお昼行こー!
今日は私Aランチに挑戦する!

社員

社長若いのに凄いよね、!
威張ってないし、優しくて可愛くて仕事できて、最強かよ((ヒソヒソ

社員

神の領域だよ((ヒソヒソ

社員

あの二人、高校の同級生らしいですね!

社員

親しみやすいのに、華があるんですよね。

あの後、私は起こったことと、目指したいことを学校で奏に話した。

河野 優香

て事があって、信じれないかもしれないけど、

花澤 奏

うんうん

河野 優香

あの人(父)が居なくなったって、立派に育ったって見せつけてやりたいの。

花澤 奏

その男まじふぁっきゅーだね、

花澤 奏

よし!ウチも協力する!!!

河野 優香

ええ?!?!

花澤 奏

うちら一緒に有名になって、その男をガツンとやってやろう!!

花澤 奏

んで
テレビで取材受けて、〜…!!!

河野 優香

〜…!!

リポーター

今話題の美人若手カリスマ社長、副社長のお2人ですが、お二人の「原動力」など、あったりするのでしょうか!!

私は奏と目を合わせて笑った。

河野 優香

ぶっ潰してやりたい

村澤 奏(副社長)

さいてー最悪な男がいるんです!

河野 優香

私の元父です!

2人で声を揃えてそういった。

その後ネットニュースでこれは大きく報道され、その年の流行語大賞になりました。笑

優香の元父(龍之)

ち、あんな事全国放送で言いやがって、。。

優香の元父(龍之)

ネット民に特定される前に逃げないと、

ピンポーン

優香の元父(龍之)

な、なんだ、。

ガチャ

優香の元父(龍之)

ひ、ひいいいい。

優香の元父(龍之)

お、お前は誰だ、、。。

店員

古本屋の店員、恐神と申します。

店員

5年前、娘さんが購入された本のお支払いがまだでして、

優香の元父(龍之)

お、俺には関係ないぞ!

優香の元父(龍之)

元々気まぐれで出来た子供だ。

店員

払ってもらわないと、法的処置を取らせて頂きます。

優香の元父(龍之)

ちっ、。い、いくらだ。

店員

そうですね。

店員

貴方のその

店員

くろーい心臓で十分です、よ。

優香の元父(龍之)

ひ、ひいい、う、あ

店員

あら、失禁してしまいましたか、

店員

情けないですね。

優香の元父(龍之)

う、あ、に、逃げ、

店員

本当はお代は頂かないつもりでしたけれど、

店員

あなたのそのくろーい心臓が美味しそうなので、つい、ね

男がにたァっと不気味に笑う

店員

それに、個人的に物凄く不愉快です。

優香の元父(龍之)

あ、ご、ごめんなさい!

優香の元父(龍之)

すみません、すみません、許して下さい

龍之は頭を擦り付けて土下座する。

店員

もう意味ありません。

店員

謝る必要もありません。
私は人間の醜い部分がだーいすきです

店員

とっても、

店員

美味なのでね、

優香の元父(龍之)

う、う、

店員

それでは、

店員

頂きます。

優香の元父(龍之)

いや、たすけて、

うあああああああああああああああ

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