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コノハテノ島

人口300人にも満たない なにもない島

海釣りと鬼ごっこだけが 子ども達の遊び

そんな島だから

ここにやって来る 観光客は

島民

また観光客?

島民

わざわざこんな所まで…

島民

仕方ないな…

島民から、嫌われる…

そんなある日

フウォーン…!!

よそ者を乗せて

定期船がやって来た

カイリ

あれは…

カイリ

観光客?

カイリ

カイリ

めずらしいな…

船から降りてきたのは 1人の若い女性…

カイリ

(釣り道具は持ってない)

カイリ

(荷物は、カバンだけ)

カイリ

カイリ

(観光客だな)

船長

今日の便は、これで終わりだよ

あかり

…そうですか

船長

明日は定休日で、船は休みなんだ

船長

今なら、まだ帰れるけど…

船長

どうする?

あかり

ここに残ります

あかり

あかり

帰りたい場所なんて、ありませんから…

船長

ん?

船長

じゃあ、どうしてこの島に来たんだ?

船長

地元のもんでもないのに

あかり

ただのひとり旅です

船長

こんな何もない島に?

あかり

きれいな海を見たくて

あかり

口コミで聞いたんです

あかり

この島の海はとても美しいから

あかり

生きている間に、一度は見ておくべきだって

船長

…本当に、それだけ?

あかり

ご心配なく

あかり

宿は予約してありますので

船長

ああ、そう

船長

じゃあ、次の便は明後日の同じ時間だから

船長

忘れないようにね?

あかり

わかりました

ブウォーンッ!!

船が去っていく

カイリ

(次は、この人か…)

カイリ

ようこそ

カイリ

コノハテノ島へ

あかり

え?

あかり

あかり

あの、君は?

カイリ

この島の住人です

カイリ

観光客を見かけたら、道案内をする

カイリ

それが、この島の決まりなんです

僕はニッコリと微笑む

あかり

そうなの?

あかり

宿までの道は、スマホで調べられるけど…

あかり

せっかくだし、案内してもらおうかな?

女性が振り返ると

高そうなネックレスが キラリと光った

カイリ

はい、喜んで

あかり

本当に…

あかり

何もない所だね?

カイリ

そうですね

あかり

信号機もないの?

カイリ

しんごうき…?

カイリ

(確か、授業で習ったな)

カイリ

無いですね

あかり

へぇー

あかり

普段、何してるの?

カイリ

普段ですか?

カイリ

海釣りとか、鬼ごっことか。友達と…

あかり

それだけ?ゲームとか、買い物とは?

カイリ

ゲームは誰も持ってません

カイリ

島に店は…ありません

あかり

お店も無いの!?

あかり

ウワサ通り、何もないん島なんだね…

島唯一の民宿へ

観光客を連れていく

カイリ

ここです

あかり

ねえ、君…

あかり

どうして、ここが分かったの?

カイリ

この島で泊まれる宿は

カイリ

ここしか無いから

ニッコリと笑ってみせる

あかり

へぇー

あかり

やっぱり、田舎だね

サラ

いらっしゃいませ

サラ

本日ご予約の、モトムラアカリ様ですね?

あかり

あ、はい

サラ

お待ちしておりました

あかり

かわいい女将さんね

あかり

まだ中学生くらいでしょ?

サラ

はい。中学一年生です

あかり

しっかりしてるのね

サラ

おそれいります

サラ

お荷物、お預かりしますね?

あかり

ええ、お願い

カイリ

(本当、世間知らずだな?)

カイリ

(本土の人は…)

カイリ

それでは、また

あかり

うん。ありがとう

あかり

またね

カイリ

じゃあね。サラ

サラ

うん

サラ

またね?

その夜

サラ

カイリ!

カイリ

どうだった?

サラ

あの人…

サラ

やっぱり「飛んだ」よ?

カイリ

そうか…

カイリ

わかった

サラ

いよいよだね?

サラ

カイリの初仕事…

カイリ

うん

サラ

がんばってね

「飛ぶ」

それは 身投げを意味する

カイリ

もう浜に上がってるかな?

サラからの電話を切った後

タクミに電話をかけた

カイリ

もしもし、タクミ?

カイリ

やっぱり「飛んだ」って

カイリ

観光客

タクミ

「飛んだ」のって、ひとり旅の?

カイリ

そうだよ

タクミ

ああ、やっぱりなー

電話を切るとすぐに 浜に向かった

外はまだ、ほんのり明るい

カイリ

お待たせ

タクミ

カイリ!見てみろよ!

カイリ

うわぁ…

タクミが指さした場所には

昼に見かけた女性が 倒れていた

カイリ

思ってたより、ひどいな…

カイリ

血まみれだ…

女性は頭から どくどく血を流している

カイリ

僕さ…

カイリ

昼に会ったんだ

カイリ

この人と

タクミ

そっか…

タクミ

タクミ

確認、俺がやるよ

タクミ

カイリは、
先生に連絡して?

カイリ

…うん

カイリ

ありがとう

海流のせいで

この島の崖から 身を投げた人は

浜に打ち上げられる

遺体が腐敗する前に 気づいてほしいのだろう

カイリ

電話、電話…

死にたい人は

毎年何十人も 島へやって来る

『この果ての島』へ

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