ドンッ
若井が変…
最初は普通だったのに、急に黙り込んで、怖い顔になって…
足、大丈夫なの?とか 怒ってるの?とか ぼく何か悪い事しちゃった?とか 色々聞きたい事あるけど…
なんで、そんな辛そうな顔してるの?
大森
わ、かい?
リビングから若井の部屋に引っ張るように連れてこられ、若井のベッドに押し倒され、ぼくの上に馬乗りになる若井。
若井
なんで、止めなかったんだろ…
大森
なに…?や、痛っ。
若井が何か言ってたけど、声が小さくてよく聞こえなかった。
聞き返そうとした瞬間、若井がぼくの首元に顔を埋め、痛みが走る。
若井
ねぇ、先輩にどこ触られたの?
今度はハッキリと聞こえたけど、言ってる意味が分からなかった。
大森
…分かんないっ、若井…やめて…
いつもと違う若井に怖くて震えるぼく。
若井
へぇ、先輩は良くておれはダメなんだ?
大森
や、だから…言ってる意味が…
歪む若井の表情に、ついにぼくは泣き出してしまった。
若井
泣くほど、おれの事が嫌なんだ?
大森
ちがっ、ねぇ、若井…どうしちゃったの?
若井
もう、いっそ…嫌われた方が楽なのかも…
若井はそう言うと、なぜかぼくの服の中に手を入れてきた。
大森
な、に…?やだっ、!
今、何が起こってるか分からないけど、これは絶対ピンチだ… そう思った瞬間、涼ちゃんのLINEを思い出した。
ぼくは慌ててズボンのポケットからスマホを取り出して、画面を若井に向けた。
若井
なに?
先輩とのLINE見せて余計イラつかせたいの?
先輩とのLINE見せて余計イラつかせたいの?
大森
分かんない…!
分かんないけど見てっ、、
分かんないけど見てっ、、
若井
な、んだよ…これ…
LINEを見た瞬間、若井から力が抜けていくのが分かった。