一覧ページ

ＳＡクラス

第30話 - 黄色いパンジーとムギワラキク

2024年04月21日

#オリジナル

#二次創作を作ってください

#ＳＡクラス

アダバナ

樹

美味そうに食うな…

光太

ﾓｯﾓｯ…。ﾓｯﾓｯ

光太

うまいもん

樹

そうかよ…

光太

ジー…
[樹の顔を覗き込む]

樹

…ん？なんか顔についてんか？

光太

いや、元気ないなーって。
折角イケメンなのに、もったいないよ〜

樹

モニュ
[光太の頬を片手で掴む]

光太

て、ふふがいふうそうだよね…
（て、すずが言いそうだよね）

樹

そうだな…。へっ、間抜け面ｗ

光太

この野郎！！

樹

町中だ

光太

…ねぇ、樹。
なんか、悩んでいることがあるなら話してね

樹

…うん…

光太

樹は、昔から話さないよね〜。
あ、次これ食べたい！！

樹

それ食い終わったら、図書館に行く約束だろうがよ

光太

…もう一個だけ

樹

しょうがねーな

樹

…なんか用か？

彗

お前、本来の目的忘れてんだろ

樹

何度でも言ってやる、俺は彼奴を殺さない

彗

そんなお前に、新しい任務だ

彗

『月波千夏を殺せ』

樹

無理に、決まってる。
相手は幹部だぜ？

彗

それか〜、その弟を

樹

夏叶達か…

樹

どちらにしろ、俺は殺せない。
実力もそうだが、これ以上黒く染まりたくない

彗

黒く…ねー。
産まれた時から確定した未来を歩むしかないお前が、
果たして白いと言えるのか？

光太

樹〜、本見つけた〜？
[遠くから]

樹

そういうわけだ、任務は断る

彗

…そうか、後悔しても知らないぞ

樹

産まれた時から後悔しているよ

光太

樹？
誰と話してるの？

樹

なんでもないよ。
本見つけた？

光太

うん

樹

じゃ、帰るか

光太

おー！！

叶

…
[手首の組紐を見つめる]

光太

叶ちゃーん？

叶

なにー？

光太

怪我したー

叶

はいはい…。

光太

…ねぇ、前から思っていたけど、その組紐って…
[手当を受ける]

叶

あ～、うん。能力制御装置だね

光太

貰い物？大切にしてるみたいだし

叶

うん。
…大切な人から貰ったの

光太

へー。誰？

叶

美咲お姉ちゃん。
…私を見つけて、認めてくれた人だよ

光太

…いい人ですよね。美咲さん

叶

会ったことあった？

光太

いえ、渉が話してくれましたし…。
それに、過去に行った時会いました

叶

そうなんだー。きれいな人でしょ？

光太

はい。
…過去の話しして思い出したんですけど…

光太

椿ちゃんと広叶の年齢は…

叶

成人済みだよ？

光太

ですよね…

叶

私のお父さんの姪が椿。
…広叶はわからないんだ

光太

分からない？

叶

知らないの。
広叶の本当の親も、名前も…

光太

え…。だって、広叶って本名じゃ…！

叶

本名ではあるよ。でも、それは家の母が付けた名前でね。
私も、広叶の本当の名前は知らないんだ

光太

…なんかそれ、寂しくないですか？
誰も本当の自分を知らなくて、自分すらも分からないって…

叶

広叶にとっては、それが一番の救いだ。
誰も知らないからこそ、何にでもなれる

叶

生まれ変わる事も、新しく染め上がる事も出来る。
人が死ぬのはいつだと思う？

光太

人に忘れられた時？

叶

それもそうだね。
…一番は、目標も野心もすべて燃え尽きて、何をすべきか分からなくなった時よ

光太

…目標…

叶

広叶は、すべて覚えていない。
ただ、『自分は誰なんだ』という疑問だけは、頭に残り続けている

広叶

…結局、僕の事を詳しく知っているのは貴方だけですか…

千夏

…アハッ。
だって、私だって知らないもん

千夏

私は、誰か分からないから、推理しただけ

広叶

普通は、分からないはずですよ

千夏

常識も、非常識もないあのクラスにいる人間に、
『普通』は通じないわよ

広叶

そうですね…。貴方は、僕が何者であろうと関係無いのですか？

千夏

あんたが誰であれ、私より弱い事には変わりない

広叶

…そうですねー

千夏

前までは、そう思っていたわよ

広叶

今は、違うのですか

千夏

弱い事には、変わりないけど…。
それ以上に、手数が多い…。関わりたくないが正しいかな

広叶

へー。そう思っていただけて、光栄です

千夏

…時に、広叶。
…あんた、裏切るつもり？

広叶

はて…。
僕は、スミレ様に恩があります。恩人の願った未来に進むのが、
最大限の恩返しではないですか？

千夏

恩返し…ね…

千夏

ほらほらー。がんばれー
[空中から、魔法を放つ]

光太

ちょ…！？
[防御魔法を発動する]

千夏

…
[威力を強める]

光太

は！？反則です…！
[防ぎきれず後ろに飛ばされる]

千夏

あらあら…。
この程度さばけないと、半人前にすらなれないわよ

光太

え？嘘でしょ…

千夏

実際、私は半人前だからね。
…第一人者を超える事は、許されていないから…

光太

千夏ちゃんですら、半人前…。
無理じゃん！

千夏

でも君、筋は良いよ。
あとは…反射で魔法を打ち返せれば…

光太

…

光太

無理ゲーだァァァァァ！！！

渉

うるせー…

陸叶

....魔法は難しいからねー。
呪文を体に染み込ませるほど、覚えなきゃだし…

広叶

ただ単に、記憶ゲーですね

光太

それは、できてる

渉

マジで！？

広叶

なら平気では？

光太

そうじゃなくて…。
…僕が苦戦してる千夏ちゃんですら、半人前って…

渉

あー…。そこかー

陸叶

気合と根性で乗り切れ

光太

陸叶って、根性論派だよね

陸叶

魔法は、精神も大事だからね

渉

モグモグ…

広叶

魔法使いになるには、構築理解と
得意魔法を見つけないとですよね…

光太

どうしよう…！！
得意なものが無い！

渉

…試しに、此処で練習してみればいいじゃね？

広叶

素人視点にはなりますが、アドバイス程度なら
できますね。多分

陸叶

千夏ちゃんの魔法も見てるし、なにかいい発見があるかも

光太

…分かりました！
やってみます！！
[杖を出す]

渉

いい返事だ！

光太

…とは言っても、何を発動しましょう…

陸叶

それなら、幻影魔法は？
範囲設定できるし、僕らに害もない

光太

分かりました。
…“幻影魔法第一条　星空”
[杖を握り5m程浮き、足に魔法陣が浮かぶ]

渉

おー！！
出来てる出来てる！！

陸叶

凄いね…。飛行魔法まで…

光太

…あの、アドバイスとかは…？

広叶

…一言で言えば、自信を持って魔法を発動してください。
杖の構え方は出来ています。魔法陣をきれいに発動したい場合は…

渉

めっちゃ、アドバイスするやん！

広叶

困っている人には手を差し伸べる。
僕の主ならそうしますよ

陸叶

そうだね～

光太

…？

光太

…

千夏

はーい、頑張ってお掃除してね〜

光太

というか、此処何処ですか？
学校の地下にありますけど…

千夏

歴代メンバーの個人情報が眠っている
書庫だよ

千夏

入る為には、血液、遺伝子、能力
…そのた諸々を、専用装置に提示しなきゃだよ

光太

いって良いんですか！？

千夏

うん。
…見られても、我々はそこまで弱くないよ

光太

そうですけど…

千夏

…掃除

光太

ハイ

光太

よいしょ…。
フー、だいぶ進んだ！！

光太

あとは…。この本棚だけ…

光太

たかっ！？
[手を伸ばす]

千夏

…手、貸そうか？

光太

大丈夫ですっ…！！
あ、届いた！！

光太

って、ギャァァァ！？
[箱を落とす]

千夏

[手で目頭を抑える]

千夏

だから、聞いたのに…

光太

ご…ごめんなさい！！
[中身を拾う]

千夏

まったく…
[手伝う]

光太

あれ？…千夏ちゃん、この人って…

千夏

ん？
あ～、スミレさん？

光太

この人が…叶ちゃんのお母さん…

千夏

あれ？会ったことなかったけ？

光太

千夏ちゃんの過去に行った時は、もう…

千夏

…そうだったけな…？

光太

覚えていないんですか？

千夏

いや…、なんか思い出せないというか…
あれ？なんで？

光太

…
[写真を見つめる]

光太

うーん…
[寝そべりながら見ている]

光太

綺麗な人だなー

樹

おーい、光太〜？

樹

…落とし物…？

光太

違うよ！！

樹

じゃ、なんだよ

光太

…なんだろ？

樹

…この人、叶ちゃんに似てるね

光太

お母さんだってよ

樹

ふぁ！？

光太

…ねえ、思ったけど…。
なんだかんだ言って、渉の事知らないよね

樹

…結構知ってる分類に入ると思うが…

光太

親の生活反応が無いと言うか…

樹

あー…確かに…

スマホ

通話
00:00

光太

へ？

光太

…はい、もしもし…

スマホ

ねぇ…？…まだ…？
…なんで…！！

光太

はい！？

スマホ

なんで、こっち来てくれないのぉ…？

光太

っ！？
[スマホを投げる]

樹

誰だよ！！

スマホ

ははっ…ねぇ、一緒に遊ぼう…？
いいよねぇー？

光太

あっ…、いやっ…！！

光太

いやだっ…！！

樹

落ち着け、光太！

スマホ

…はやく…きてぇー？
[スマホが光る]

光太

…くっ！？
[スマホに吸い込まれる]

樹

光太！！
[手を差伸べる]

光太

いつき…！

スマホ

カタンっ…
ツーツー…

樹

光太…？

光太

うっ…！
ここは…

広叶

…光太様…？

光太

え、広叶！？

広叶

なんで…ここに…。
此処は、許可した人間しか入れません…どうやって…

光太

ここ何処！？

広叶

…此処は、僕の記憶の中です

光太

記憶？

広叶

…記憶は、美化されます。
人は何から忘れると思いますか？

光太

あ、それ聞いたことがある…。何だっけ…

広叶

聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚の順に忘れていくそうです

広叶

声を一番最初に忘れる。
…声は、その人を大きく表しますからね

広叶

君は、お友達の声を覚えていますか？

光太

…うん…。忘れられるわけ無いじゃん…

広叶

なら、仕草や匂いは？

光太

覚えてるよ

広叶

…来年まで覚えていられますかねー

光太

広叶は！！
さっきから何がいいたいの…？

広叶

僕は、もう覚えていません

光太

…それが、恩人への態度なの？

広叶

…僕の恩人は、6年前に亡くなっています。
優しい声も、顔も…、記憶の中でしか会えない人になりました

広叶

…本当は、僕がもう少し早く帰れていたら、救えた命なんですよ…

光太

そんなの…後悔したってもう遅いよ....

広叶

そうですね。
わかりきった答えほど、正論に最も近く、遠いです

広叶

正論は、武器でしか無いんですよ…

光太

....

光太

ねぇ、僕を元の場所に返してよ

広叶

戻すも何も、僕は貴方を呼んだ試しなど…
あ…

光太

？？

広叶

…すみません、今帰します…

樹

だーかーらー！！
光太どこ！？

叶

知るかぁ！！！

千夏

二人共落ち着いて…

樹

これに吸い込まれたんだって！！

叶

それは、専門外だつってんの！！

樹

光太…

千夏

情緒不安定すぎない…？

光太

んわっ！！

広叶

戻りましたー

叶

おかえりー

樹

光太！？

光太

あ、樹

樹

どこ行ってた！？

広叶

ちょっと亜空間まで

光太

ハハハ

樹

亜空間！？

千夏

無事に帰ってきたしー、総理のところ行くよ

光太

え？

千夏

さっき連絡があってね。
…海外任務よ

光太

海外！？

樹

とおいな…

総理

君等には、海外で発生している事件を解決してきて欲しい

渉

事件…ですか

総理

最近、犬猫に爆弾を巻き付けて起爆させるという事件が、
相次いでいるんじゃよ

千夏

…

光太

なんで、犬猫？

千夏

人が一番警戒心を抱かないからね。
…子供や、動物等にやるのは、常套手段だよ

樹

あ…

光太

…確かに…

千夏

それに、抱きしめて持って帰る人も居るでしょ？
その時、人の心臓近くに動物が来る。
残酷だけど、これが一番相手を確実に殺せる

渉

ま、相当恨みがないとやらないよな。
無差別の場合もあるし、一概にそうとは言い切れないけど

総理

海外と、言ったらどこを想像する？

光太

アメリカ！

陸叶

世界の警察の異名だもんね

樹

俺は、欧州だと思ってる

総理

樹君正解だ

樹

…ありがとうございます

叶

欧州か…

光太

欧州って何処でしたっけ

叶

ヨーロッパの事だね。
ヨーロッパって感じで書いた時…

叶

『欧羅巴州』←こうなるんだけど…
これの略で欧州なの

光太

へー

千夏

ヨーロッパは、行った事無いんだよね〜。
北欧は行った事あるけど…

広叶

ペンギン探しに行きましたね〜

総理

一ヶ月後、１２月２０日に国際空港
集合だ。遅れるなよ

全メンバー

はい！！

ＳＡクラス

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

アダバナ

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。