湊川
湊川
昨日帰った後薬を飲み寝た
夏に涼しさをもたらす青嵐のように風邪は過ぎ去った
僕は昨日の事を友達に話した
ころん
ころん
ころん
湊川
湊川
ころん
友達と話すのは楽しい
楽しいけど、何か、、
何か空っぽな気がする
湊川
湊川
ころん
ころん
湊川
ころん
湊川
その病院行ったらまた会えるんじゃね?
ころん
ころん
少年は病院の服を着ていた 入院しているのは確かだ
僕は彼にまた会えるのが楽しみだった
その後の授業は好奇心のあまりよく覚えていない
タッタッタッ
僕は学校が終わって駆け足で病院に向かった
彼が居た病室は覚えてる
025号室…
息を飲み扉を開ける
ころん
僕が見た景色は想像とあまりにもかけ離れていて
頭が追いつかなかった
彼は…昨日見た彼は…
ベッドに横たわり沢山のチューブに繋がれていた
ころん
きっと僕は何十分もその場に立ち尽くして居ただろう
看護師
看護師
僕の思考は看護師の声で再開させられた
ころん
ころん
何を言ってるんだ… こんな言い方をしたら怪しいだろ
看護師
看護師
そう言って彼に繋がれたチューブの先の機械を操作し始めた
ころん
何で急にこんな事に…
看護師
看護師
午後4時!?
僕が帰ったすぐ後にこんな事になってしまったのか…
本当は少しでけ居るつもりだった
だけど彼の事が心配になって目を覚ますまで側に居てあげようと思った
母親には友達の家に泊まると伝えた
そして僕は彼の手を握り目を覚ますのを待った
いつからだろう… いつの間にか寝てしまっていた
目が覚め顔を上げると
るぅと
るぅと
少年はケロッとした顔で話しかけてきた
ころん
るぅと
ころん
ころん
るぅと
僕達知り合いでも無いですよね?
るぅと
ころん
そうだ…何で僕は知り合いでもない人のお見舞いに来てるんだ…
いや…僕は…
ころん
るぅと
ころん
ころん
最後に見たあの笑顔が忘れられなくて
もっと知りたくなったというか…
るぅと
るぅと
るぅと
君の口角が上がった 笑うのが下手なのかこわばった頬で 笑顔を作った
やっぱり笑顔が素敵だ
そんな事を考えていると
るぅと
痛恨のミスだった 名前も名乗らず人の病室に居座っていたのだ
僕は声がひっくり返りそうになるのを抑え話した
ころん
近くの苺ヶ丘高校に通ってる17歳です!
るぅと
僕と同じ学校じゃないですか?!
ころん
るぅと
るぅと
ころん
ころん
るぅと
るぅと
ころん
ころん
るぅと
ころん
ころん
るぅと
るぅと
それまで休んでる日もかなり多かったので…
ころん
休学したら普通は進級出来ないですけど物語的に大目に見てください
ころん
るぅと
ころん
るぅと
僕達はその後沢山話した
ころん
るぅと
るぅと
ころん
るぅとくん言い過ぎ笑
学校での愚痴
友達とのくだらない出来事
ころん
るぅと
るぅと
るぅと
ころん
ころん
病院にいる面白い人の話など
学校の友達とは違ってるぅとくんの見るもの話すものの全てが新鮮で
僕達が仲良くなるのに時間はあまり必要無かった
そこから僕は毎日るぅとくんの下手くそな笑顔を見るようになった