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ニコ

あ、ちょっと待って

外出する準備を整えて、いざ行こうと した時、ニコに引き止められる

真冬

何?

ニコ

はい、これ

そう言って、懐から何かを 取り出して渡される

真冬

え……これ、銃……?

ニコ

本物だよ、俺の予備のやつ

真冬

な、何で、これを……

ニコ

まふ、この後“谷橋朝陽”に会うんでしょ?

ニコ

なら、都合が良いと思って。どっちにしろ俺は用事があるし、今回はまふに任せようと思ってたから

真冬

っ……もう人殺しはしたくない

ニコ

我儘言わないの

真冬

っ、大体、こういうのはニコの仕事じゃ……

ニコ

同じ『何でも屋』の店員でしょ?

真冬

っ……

ニコ

ここは俺の店。従わないなら“あの事”バラして警察に突き出しても良いんだよ?

真冬

っ……!?

真冬

待って、それは……!

ニコ

それが嫌ならよろしく。まふならできるでしょ?

有無を言わせない、ニコの圧

真冬

っ……分か、った

重みのある銃を受け取って、 ジャケットの内ポケットへ仕舞う

真冬

(っ……また、この手で……。)

真冬

(……僕が、やらなきゃいけないの……?)

彼方

まふまふ。

彼方

……まふまふ?

真冬

あ、は、はい?

呼ばれていることに気づいて、 咄嗟に返事をする

彼方

今日どうした? 様子変だけど。

彼方

もしかして、さっきの依頼相当ヤバかった?

ボクのメッセージの“急用”を 依頼だと察してくれていたらしく、 そう聞いてくるそらるさん

真冬

えと……すみません、他の方の依頼は他言禁止なので……

彼方

あ〜、そういやチラシに書いてあったっけ。

彼方

まぁ、無理はすんなよ?

真冬

ありがとうございます

真冬

(本当はこんなこと、したくないのに)

『何でも屋』にとって、 依頼者の願いは絶対

真冬

(もしこれを破ったら、何をされるか……)

真冬

そういえば、天宮さんは?

彼方

あ〜……あいつは遅刻。いつものことだよ

翔太

あ、そらるさーん!

2人で話していると、 聞き覚えのある声がした

彼方

遅い。30分遅刻

翔太

すみませんって!

翔太

それで、僕に会わせたい人って?

彼方

あぁ、こいつ

と言って、そらるさんがボクの方に 目線を向ける

翔太

……え、相川さん!?

真冬

お久しぶりです、天宮さん

翔太

久しぶりです! あの時はありがとうございました!

真冬

いえ。はなちゃん、あれから元気にしてますか?

翔太

はい、おかげさまで!

翔太

で、まさかそらるさん、会わせたい人っていうのは……

彼方

そ。こいつ、ユニットの相方になったから紹介しようと思って

翔太

あ〜、そらるさんの“願い”ってそれだったんですか……。

翔太

まぁ、そらるさんらしいといえばらしいですけど……よくその場で会った人と組もうと思いましたね。

翔太

相川さん、嫌なら断っても良いんですよ??

真冬

いえ、依頼は絶対なので。それにボク、元々音楽には興味があったので、面白そうだなと

翔太

へぇ、そうなんですか?

彼方

こいつ普通にギター上手いよ

翔太

え〜、意外!

彼方

そんなわけでこいつも歌い手になるから、仲良くしろよ。

彼方

あと裏事情知ってんのお前だけだし、口滑らないように気をつけて

翔太

分かりました。

翔太

ところで、歌い手になるってことはハンドルネーム必要ですよね?

彼方

それももう作ったよ

翔太

早っ!

真冬

名前を文字って“まふまふ”です

翔太

お〜、なんかそらるさんみたいに可愛い感じですね!

真冬

(か、可愛い……?)

たしかに、ふわふわした名前では あるけど……まさかそんなことを 言われるとは思わなかった

真冬

(それにしても、天宮さんの印象変わったなぁ……)

うちに来た時は怖がってたし、 そんな素を出せるような余裕は なかったのかもしれないけど

真冬

(こんな明るい人だったんだ)

翔太

相川さんが活動するなら、いつかコラボとかしてみたいです!

真冬

コラボ、ですか?

彼方

お〜、いいんじゃない? 面白そう

翔太

ですよね!

翔太

歌じゃなくても、配信でゲームとか! 相川さん、どうですか?

真冬

……。

真冬

ボクで良ければ是非。面白そうですし

興味もあるし、やってみたい

真冬

(やってみたい、けど……)

きっと……出来なくなるだろうな

あれからまた3人で雑談をして、 今日はお開きになった

真冬

(……やらなきゃ……)

真冬

あの……この後、少し良いですか?

もう1人に聞こえないように、 コソッと声をかける

真冬

ちょっと、ついてきて欲しい場所があって

人気の無い地下駐車場

2人分の足音が、コツコツと響き渡る

事前にニコに教えてもらった、 殺しにはうってつけの場所だ

彼方

……急にどうした? こんなとこに用事なんてないだろ

ふと、そらるさんが口を開く

真冬

……

そらるさんに背を向けたまま、 そこに立ち止まる

……懐から、あの写真を取り出した

真冬

(“谷橋朝陽”……。)

真冬

(っ、やっぱり、どう見てもそらるさんにしか……)

彼方

まふまふ?

でも、殺さなきゃ

それがあの人の“願い”なんだから

真冬

(元々ボクらは赤の他人で、そらるさんの依頼で相方をしてただけで……)

大丈夫、ボクならやれる

やらなくちゃいけないんだ

真冬

っ……

カチャッ

覚悟を決めて振り向いて、 渡されていた銃をそらるさんに向ける

彼方

……!

彼方

……まふまふ?

真冬

貴方の“願い”はここまで。今日をもって終わりとさせていただきます

彼方

何で急にそんなこと言い出すんだよ

銃を見て驚きつつも、 特に動揺はしていない様子

真冬

……それは言えません

何があっても、誰かの依頼を 他言するのは禁止

例えそらるさんであっても、 それは言えない

彼方

あー……うん、大体理解した。そういうことなら仕方ないか……

観念したように、 両手を上げるそらるさん

真冬

殺される心当たりでも?

彼方

まぁ、色々やってきたからね

真冬

……じゃあ、これは?

持っていた写真をそらるさんに 見せてみる

彼方

あ〜、何だっけ……あ、“谷橋朝陽”の時か

真冬

……貴方、何者なんですか?

真冬

少なくとも、表の世界の人間ではないですよね

彼方

まぁ、流石にそれ割れたらバレるよな。

彼方

……“一ノ瀬彼方”も本名ではないし、“谷橋朝陽”なんて人間も存在しない。

彼方

本名なんてもう忘れたよ。……いや、元々俺に名前なんてなかったのかもしれないけど。

彼方

……“同志”って言ったら、分かる?

真冬

っ……!?

え……まさか、そらるさんって……

真冬

……スパイ、ですか……?

彼方

まぁ、そういうこと。

彼方

“組織”には生まれて間もない頃からいた。だから根っからのスパイだよ

それなら、二階堂さんに聞いた 不祥事を暴いたことも、理解ができる

僕も……“俺”も昔、似たような 任務をしたことがあったから

真冬

(そういうことか……。)

真冬

(でもこの言い方は、こっちのことにも気づいてる……?)

彼方

正確には、“元”かもしれないけど……。

彼方

……どうする、それでも俺を殺す?

真冬

っ……

彼方

……っていうかさ。

彼方

こんな長いこと無駄話して、俺のこと殺す気ある?

真冬

っ!

真冬

そ、れは……

……ない

本当は、殺しなんてもうしたくない

それにそらるさんは、短い間でも こうして相方として仲良くなって、 一緒に遊んだりもして

昔の僕にできなかったことを、 沢山一緒にしてくれた

真冬

……。

真冬

っ……。

真冬

……殺したいわけ……。

真冬

っ……殺したいわけ、ないじゃないですか……!

両手で銃を構えたまま、ぽつりと呟く

真冬

だって、短い間でも相方になった人ですよ……!? そんな人を、殺したくなんてっ……

彼方

じゃあ殺らなきゃいいじゃん

真冬

それもできないんですよ!!

彼方

……何で?

真冬

っ……できないんです……!

彼方

“願い”を叶えなきゃいけないから?

真冬

……

彼方

……何か別の理由?

真冬

っ……

彼方

質問を変えるけど……。

彼方

お前が『何でも屋』にいたのは何で?

真冬

……貴方が“同志”なら、きっと似たような理由ですよ

彼方

は……?

彼方

じゃあ、まさかお前まだ……

パァンッ

そらるさんの声を遮るように、 銃声が鳴り響く

彼方

ゔっ……!?

真冬

っ!?

僕は撃ってない、そらるさんの 背後から、誰かが……

真冬

(誰か……?)

真冬

っ……!! まさか……

ニコ

こちらの詮索は、ここまでにして頂きましょうか

真冬

ニコ……!!

ニコ

ダメでしょまふ、そんな長話してちゃ

真冬

な、何で、ここに……だって、この依頼はボクがやるんじゃ……!

ニコ

まふにこいつは殺せない。そう思って来たらその通りだったから。

ニコ

別に誰が遂行しようが構わないし、まふの代わりに俺が撃っただけだよ

淡々と、いつもの笑みを 浮かべて話すニコ

真冬

(だからって、そんな簡単に引き鉄を引くなんてっ……)

真冬

っ……何でニコは、そうやって人を撃てるの……?

ニコ

さぁね。……それよりまふ、いいの?

真冬

何が……

ニコ

そいつ、まふの両親の仇だよ?

真冬

は……?

そらるさんが、僕の両親の仇?

真冬

そんなわけない!! だって、父さん達はっ……!

ニコ

あぁ、うん、そうだよね。

ニコ

だってまふは……。

ニコ

自分で家族を殺したんだもんね
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