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夕方の教室で【前編】

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夕方の教室で【前編】

1 - 夕方の教室で【前編】

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2021年01月05日

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松木優太

っあ〜、まじ学校とかダリィんですけど…

新堂涼太

お前いっつも面倒くさがってるよな。

松木優太

だってよぉ…宿題が面倒くさ_

新堂涼太

あ〜、もうそれいつも言ってるよな、聞き飽きたよ。

松木優太

え〜?そんなに言ったっけな?

そう言って怠そうに上履きを出す。

こいつは松木優太、めんどくさいが口癖の怠惰な奴。

松木優太

てかさ、今日転校生来るんだってな!

松木優太

可愛い女の子だと良いよな〜

新堂涼太

お前それも言い過ぎ…

転校生が来ると知ってからいつもこの言葉を言っている。勉強もせず、呑気な事を言っている優太に溜息を漏らしそうになるが、実は俺もそう思っている。

松木優太

えぇ、そうか?

新堂涼太

…早く行くぞ

松木優太

うぃ〜

教師

知っていると思いますが、今日は転校生が来ています。

教師

早速来てもらいましょうか、それじゃあおいで~

そう先生が合図をした時、教室の扉が開く。

トコトコと歩いてきたのは、今までに見た事ない美しい女の子だった。

その姿に見とれていると、女の子は口を開いた。

坂倉志緒

_坂倉志緒です、よろしくお願いします。

頭を深く下げる。

教師

よし、みんな、志緒さんは転校してきたばかりだから、色々教えてやってくれ。

教師

じゃあ隣は__涼太!

新堂涼太

__うぇ!?あ、は、はい!

女の子に見とれていると先生の声がした、急だったので、びっくりして立ち上がってしまった。

教師

坂倉さん、あちらに立っている人の隣の席が貴女の席です。

坂倉志緒

…わかりました、ありがとうございます。

そう言うと、坂倉さんは俺の元へ向かって歩いてくる。

その歩く時と同時に俺は座る。

新堂涼太

(隣…か…)

そういえば、女の子と隣の席になるの、初めてだっけ。

この16年間1回も女の子と隣になった事が無いと言う不幸な事にあってきたが、俺の夢が叶うのか_!

だが、いざ隣になると思うと緊張してきた、うう…やべぇ…

と思っていると、既に坂倉さんは隣に座っていた。

新堂涼太

(え…!?もう座ってんのかよ!?)

新堂涼太

っあ…あの~…

坂倉志緒

………

自己紹介を、と思って声を掛けてみると、坂倉さんは瞬時に振り返る。

新堂涼太

_!え、えっと〜…

は、はえぇ!振り返る速度やばすぎ…

新堂涼太

その…

女の子と話すの久しぶりだっけ…

その事もあってか、もじもじしてしまう。

坂倉さんは、俺の方をじっと見つめている。

新堂涼太

お、俺は…し、新堂涼太って言います…!よろしくお願いします…!

俺は勇気を振り絞って、坂倉さんの前を向き、頭を下げて言った。

坂倉志緒

こちらこそ、よろしくお願いします。

恥ずかしさが爆発した俺に、礼儀正しくそう言ってくれる。

_礼儀正しい女の子って良いな_なんて思ってしまう自分が居た。

新堂涼太

あ、あの!__

教師

よし、じゃあ授業始めるぞ〜

仲良くしましょうと言おうとした時、先生の声が遮る。

新堂涼太

あっ_

と、間抜けな声を出してしまった後、坂倉さんは俺の方を見て浅くお辞儀をし、教科書を取り出す。

新堂涼太

(言えなかったな…)

まぁこんな事もあるだろうなと、ポジティブに考えた。

授業が終わって放課後、その時まで特に進展が無く終わった。

隣の席を見ると、坂倉さんは教科書をカバンに入れていた、どうやら帰るらしい。

新堂涼太

(そういえば、あの時言えなかった事あったな_)

チャンスだ、今言わないと_

新堂涼太

あのっ!

坂倉志緒

なんですか?

新堂涼太

隣同士、仲良くしましょうっ!

うわぁ〜言ったよ、やべぇ恥ずかしい…

多分、俺は今顔が赤いと思う。

坂倉志緒

…はい、こちらこそ、よろしくお願いします。

新堂涼太

はいっ!

坂倉志緒

こうやって仲良くしてくださるのはありがたい事。新堂さん、また明日お話出来たらしましょう。

坂倉志緒

では、私はこれで_

話を聞いている間に坂倉さんは既に椅子から立っていた。

いや、折角お隣になれたんだから、もっと仲良くしたい。

新堂涼太

(仲良くするにはお互いを知る事が大事…なら_)

新堂涼太

一緒に帰りませんか?

坂倉志緒

え…?

坂倉さんは急な発言に驚いたのか、少しだけ目を見開いた。

新堂涼太

あ、ごめんなさい…嫌なら良いんです!急に言われて驚きましたよね、すみません…

やばい、俺はやってしまったのではないか?

そう思い込んで、俺は頭を下げる。

数秒間、間が空く_

たった数秒間なのに、押し潰されそうなくらい重い。

そして_

坂倉志緒

…嬉しい_

新堂涼太

へ?

_待て、確かに聞こえた「嬉しい」と。

え、じゃあさっきの思い込みはただの勘違いだった?

どっちにしても、嬉しいと言ってくれた。その言葉だけで俺は救われた気がする。

坂倉志緒

あっ…いえ、なんでもありません。はい、是非一緒に…

…ん?なんでもない?

よく分からないが、とりあえず一緒に帰ってくれる。良かった…

新堂涼太

ありがとうございます!早く準備してきますんで、待っててくれますか?

坂倉志緒

はい、私は廊下で待っていますね。

新堂涼太

は、はいっ!

そう言って坂倉さんは廊下の元へ歩いていった。

男として、女の子を待たせる訳にはいかない!早くしなければ…

新堂涼太

すみません、待たせましたか?

坂倉志緒

いえ、私は全然。

坂倉志緒

では行きましょうか。

新堂涼太

は、はい…

現在駅の前、地道に家に近づいてはいるが、今現在会話無し!

お近づきになる為に誘ったのにこれじゃあ…

このままではいけない、何か、言わないと_

新堂涼太

…あの、好きな食べ物とか、ありますか?

坂倉志緒

好きな食べ物…和食_ですかね。

坂倉志緒

新堂さんの好きな食べ物は?

新堂涼太

え!?俺ですか?えっと…甘い物とか好きです…

坂倉志緒

強いて言えば?

新堂涼太

マカロンとか…

坂倉志緒

ふふっ、可愛いですね。

そう言ってくすくすと笑う坂倉さん。

え、待って今俺可愛いって言われた?嘘…

新堂涼太

その…変ですかね…

坂倉志緒

全然、変なんかじゃありませんよ。

坂倉志緒

…私からも質問良いですか?

新堂涼太

はいっ!是非是非!

坂倉志緒

趣味とかありますか?

新堂涼太

はい、本を読む事が趣味で…

坂倉志緒

どんな本が好きなんですか?

新堂涼太

ええっと、恋愛小説とか_

坂倉志緒

恋愛小説…

坂倉さんは少し意外そうな顔をしていた。

新堂涼太

男がそういうの見るの、変ですかね…?

坂倉志緒

いいえ、好きな物があるって、とてもいい事だと思います。

と言って微笑む坂倉さん。

その表情を見た時、綺麗な白い花を見ているような、それくらい綺麗だった。

新堂涼太

そんな…はい、ありがとうございます!

その後、一緒に会話したりして、盛り上がった。

新堂涼太

あっ、俺家ここなので。

新堂涼太

送って頂きありがとうございました!

坂倉志緒

いえいえ、全然。ではまた明日学校で会いましょう。

坂倉志緒

さようなら、新堂さん。

新堂涼太

あ、はい!

そう言った後、坂倉さんは帰っていった。

新堂涼太

(さて、帰るかな〜)

新堂涼太

いやぁ〜坂倉さん可愛かったな〜って……あれ?

新堂涼太

さっき俺送って頂きありがとうございましたって…

新堂涼太

送られる側かよ!?!?!?

新堂涼太

坂倉さん家に送るはずが俺の家に…

新堂涼太

え…じゃあ俺は話に夢中で自分の家に帰ってたって事か!?

新堂涼太

うわ…何してんだ俺…

新堂涼太

女の子1人で帰らせてるって事か…何してんだ俺のバカっ…

片手で頬をぺしんと叩く。

新堂涼太

はぁ…ちょっと疲れたな…寝るか…

新堂涼太

坂倉志緒さん…か。

俺は坂倉さんの事を考えながら、目を閉じた。

おかえり志緒。学校どうだった?

坂倉志緒

別に、普通だよ。

友達は出来た?

坂倉志緒

…うん。

良かったじゃない。男?女?

坂倉志緒

男の人…

まぁ!ふふっ、良かったわね、志緒。

坂倉志緒

…うんっ。

名前は?

坂倉志緒

教えない。

え〜?お母さん知りたいな〜?

坂倉志緒

絶対に教えないから。

そっか。頑張ってね、志緒。

お母さん仕事行かなきゃならないからこれ、食べといてね。

机の上に置いてあるおかずの乗った皿に指をさす。

坂倉志緒

わかった。

じゃ、行ってくるわね。

坂倉志緒

うん、行ってらっしゃい。

私はお母さんに手を振り、見送った。

坂倉志緒

_新堂涼太さん…か…

坂倉志緒

かっこよかったな、あの人_

私は新堂さんの事を考えながら、ソファーに横になり、目を閉じた__

この作品はいかがでしたか?

51

コメント

9

ユーザー

としあけたよ

ユーザー

2年経ったぞおい…どこや!!🥺

ユーザー

ぴいいいいいいいいいいいぃぃいいいいいいいいいいいぃぃいいいいいいいいいいいぃぃいいいいいいいいいいいぃぃ!!!

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