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2009年10月25日
中崎君との再会の日
散々、迷った挙げ句
選んだのは全身、黒のゴスパンク
お気に入りの黒のパーカーは
所々に飾りとして安全ピンがついていて
うっすらと浮かぶグレーのスカル模様が特徴的
パンツは赤い糸で縫われた黒のセパレートタイプ
赤のスカル模様に飾りのベルトなど
シンプルだけどカッコイイデザインになっている
そのパンツの下には黒のごっつい厚底ブーツを履いた
銀色のスタッズが沢山ついたこのブーツもお気に入りで
最近、出掛ける時はいつも履いている気がする
ヘアスタイルも相変わらず長い黒髪に赤メッシュと言う
昔の私からは想像もつかないような目立つ格好をして出掛けた
待ち合わせ場所は地元の海の近く
中崎君はわざわざ車でこっちまで来てくれた
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
あの頃と変わらないカッコイイ姿に
私は完全に心を奪われていた
緊張してガチガチになってしまい
移動する時もお昼を食べる時も
うまく話しかけることができなかった
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
愛紗
丈太郎
丈太郎
愛紗
丈太郎
ダメだ
心臓がドキドキしてまともに顔、見れない
何か話をしなければ……
無言のままになってしまう……
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
私の地元には有名な水族館があり
週末はいつも人でいっぱいだった
平日でもチケット売場には長蛇の列ができる人気スポットで
この日も沢山の人がいたけど
何とかチケットを買って中に入ることができた
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
さっきまであんなに緊張していたのに
館内に入ってからは緊張することもなく
普通に会話ができるようになっていた
せっかく水族館に来たのに魚を見るのも忘れ
中崎君との会話に集中しすぎてしまい
全部、見て回るのに二時間くらいかかるのを
わずか三十分で出てきてしまった
丈太郎
愛紗
愛紗
中崎君の車に乗って
次に向かう目的地は私達の母校
緊張しながらシートベルトを締め
鞄を膝の上に置いた
海沿いの道を走りながら
思い出、話に花が咲く
丈太郎
愛紗
水面に反射する太陽の光
窓を開けると香る海風
生まれて初めてのドライブデート
直ぐ隣には憧れていた中崎君がいる
こんな幸せな気持ちは久しぶり
丈太郎
愛紗
愛紗
その何気ない言葉が嬉しくて
あの頃よりもずっと
中崎君のことを好きだと思った
五十分程、走って懐かしの母校に到着したけど
門は閉まっていて人の気配もなかった
愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
直ぐに地元方面に引き返すことになり
再び車で五十分程の距離を走り
橋を渡って今度は展望台を目指すことに
車を降りて展望台に向かう途中
丈太郎
そう言って差し出された手を
愛紗
私はそっと握り返した
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