ヴィーナス
先程までの威勢はどこにいったのですか?
ナーチェス
はぁ……
ナーチェス
こんだけ卑怯な手を使ってるくせになかなか仕留められないんだな女神様は
ヴィーナス
ふふっ…
ヴィーナス
そのくらいの煽りが出来るようならまだ元気なんですね
ヴィーナス
今のあなたを殺るのは大変容易いですよ?
ヴィーナス
もう剣も持てなくなるほど力が入らないようですし
ヴィーナス
そのまま心臓をグサリといけるんですよ?
ヴィーナス
でもやらないのは何故か分かりますか?
ナーチェス
ナーチェス
お前の……趣味か?
ヴィーナス
ヴィーナス
まぁその考え方でも構いませんよ…
ヴィーナス
正解を言うとするなら
ヴィーナス
神を冒涜したその罪の重さを体で知って欲しいということですかね
ナーチェス
なるほどな……
ナーチェス
なかなか考え方が穏やかじゃないねぇ
ナーチェス
やることなすこと三下みたいな、ね?
ヴィーナス
あなたという人は…
ヴィーナス
自分の立場を分かってないようですねぇ!
ナーチェス
ナーチェス
ぐぁぁぁぁ!!
ヴィーナス
残念な人です…
ヴィーナス
あなたという人は才能にも恵まれているというのに
ヴィーナス
その性格で大変損してる…
ヴィーナス
その結果が今のこの状況です
ナーチェス
ナーチェス
だからなんだってんだよ…
ナーチェス
たしかに今の俺は危機的状況かもしれねぇ
ナーチェス
だがな?
ナーチェス
その余裕が命取りなんだよ
ヴィーナス
あら?
ヴィーナス
負け惜しみかしら?
ナーチェス
こーいう時はお前が死ぬんだよ
ナーチェス
そーいう流れがあるってんだよ
ヴィーナス
やはりその口を縫い合わせるのが先でしたか
ヴィーナス
まぁその必要もなくなりますが
ヴィーナス
そろそろこの辺にしましょうか
ヴィーナス
さよならですナーチェス
ナーチェス
あぁ…サヨナラだな
ナーチェス
ナーチェス
お前がだ
ナーチェスの後方から火球が飛んでいきヴィーナスに直撃する
ヴィーナス
きゃぁぁぁぁ!!?
ヴィーナス
また……またあのトカゲかぁぁぁぁ!!
火竜
キュイ!
ヴィーナス
いい加減にしやがれぇぇぇぇ!
怒りの矛先は火竜にと向きヴィーナスは迷うことなく火竜に襲いかかる
ヴィーナス
その首を切り落としてくれる!
火竜
キュ…
火竜
キュイィィィィ!!
ヴィーナス
なっ!?
ヴィーナス
ど、どういうことだァ!?
ナーチェス
竜種は一定の条件を満たすと進化をする
ナーチェス
例えば己の危機を感じた
ナーチェス
又は大切なものの危機を感じた、とかな?
ヴィーナス
進化をする前にあいつを葬り去る!
ナーチェス
もう遅いぜ…
火竜
ピュイ!
ヴィーナス
少し成長した程度で!
火竜
火竜
ピュイ!!
ヴィーナス
!?
ヴィーナス
(少し成長しただけなのにあの火球…)
ヴィーナス
(進化前より威力が格段に上がってる…)
ヴィーナス
(だが、所詮その程度…)
ヴィーナス
私の敵じゃないわね!
火竜
キュイ!?
ナーチェス
なっ!?
ヴィーナス
火球を出すためにはその喉を使わないといけないわよねぇ?
ヴィーナス
もしその喉を潰されたら?
ナーチェス
や、やめろ!
ヴィーナス
今のあなたでは私を止めることは出来ない
ヴィーナス
さて、まずはこのトカゲからね
ナーチェス
く、くそ……
ヴィーナス
バイバイトカゲちゃん
X
X
消えるのはお前だけだ
ヴィーナス
うがァァァァ!?
ナーチェス
お、お前は……
X
なかなかに無様な姿になってるな
ナーチェス
やるなら今だぜ?
X
確かにそうだが…
X
まぁお前をやる前にまずはこっちからだ
ヴィーナス
どういうつもりだ…
X
なんの事だ?
ヴィーナス
なぜ裏切った!
X
俺は最初に言ったはずだ
X
協定は結ぶが好きにやらせてもらうと
X
俺らの関係はあくまで目的が一致したそれだけなんだと
ヴィーナス
貴様ァァァァァァァ!!
X
それにお前自身も裏切る予定があったろ?
ヴィーナス
な!?
X
まぁその計画は最初から破綻してるがな
X
こいつらのひとりでも殺せていれば確率はグンと上がっただろうが
X
1人も殺せてないとは…
ヴィーナス
それはあなたも同じ…
X
俺はあえて殺さなかった
X
その方が俺にとっても都合がいいからな
ヴィーナス
あんたも私たちと同じで殺せなかったんでしょ!?
X
お前らのような雑魚と同じ扱いをするな
ヴィーナス
私は神なのよ!?
X
生まれて日の浅い神などおそるるに足らん
ヴィーナス
言わせておけばァ!
X
命を捨てるとは…
片腕をなくしても尚襲いかかるヴィーナスだがXにたどり着くまでにもうひとつの腕も切り飛ばされる
ヴィーナス
うぐっ…
ヴィーナス
がっ……!
X
お前はあいつを拘束しないと腕を切り落とすことは出来ないだろうが
X
俺はそんなことせずともできる
X
その理由は明白
X
お前と俺とで実力に差がありすぎるからだ
ヴィーナス
私は……神
ヴィーナス
生命を司る神…
ヴィーナス
その恐ろしさの片鱗を今あんたらに…
X
話してないで早くやるべきだったね
刹那の間にヴィーナスの元に行き剣をヴィーナスの首に当てる
ヴィーナス
な!?
X
これが神の最期だ
頭部は体から切り離され切り口からは深紅の液体が噴水のようにながれだす
X
所詮階級の低い神など当てにならぬということか
ナーチェス
何故…助けた?
X
助けたつもりは無い
X
ただお前もそしてもう1人も創世神との繋がりを持ってるのだ
X
いずれお前ら経由で俺の求める情報を得られるだろうからな
X
そのために生かしてやってるんだ
X
お前たちは俺と創世神を繋ぐパイプのような役割なんだよ
ナーチェス
なるほど……
火竜
ピュ……ピュイ
X
(コイツは”原初の赤竜”の子供か?)
X
おい
ナーチェス
な、なんだ…
X
この竜はどこで捕まえた?
ナーチェス
俺が召喚魔法で呼び出したんだ…
X
(原初の赤竜を呼び出しただと?)
X
(やはりこいつといいサヅキといい…)
X
(飛んだ化け物共を産んでくれたようだな創世神様よォ?)
X
そうか……
X
いずれ消す予定だが……
X
最期が来るまで大切に育てな
ナーチェス
言われなくともそうするよ…
X
さて、俺のやることは終わった
X
また俺は情報採取から始めないとな…
ナーチェス
俺は…何も出来なかった
ナーチェス
ただ眺めてるだけだった…
ナーチェス
まだ俺は非力だ……
ナーチェス
もっと強くならないと…
ナーチェス
俺が受けたらあいつらをまとめる役なんだ
ナーチェス
だからこそ……
火竜
キュイ!
ナーチェス
ふふっ…
ナーチェス
そうだよな
ナーチェス
それよりまずは傷を癒すところからだな
Xによる裏切りにより、ヴィーナスは死を迎えることになってしまった