白い、白い、白い雪。
それは何処までも広がっていて、
何処までも白に囚われている気にさせた。
そんな何処までも広がる白に、
1ヵ所だけ赤で染まっている場所があった。
其処には青年が居た。
暖かそうな冬服に身を包み、
ただ"生きていた者"を見つめていた。
少年
…………。

"それを少年は見た。"
恐怖など感じなかった。
ただ少年は、青年の黒く青い瞳の底に何が写っているのか知りたかった。
少年
……お兄さん、だいじょうぶ?

青年
………!!

青年
……そうか…

青年は何かを理解したのか、
少年の前へ行き、少年と目線を合わせられるようしゃがんだ。
少年
…?…お兄さん…?

青年
_君、寒くないかい?

少年
…え?

青年
そんな薄い服じゃ寒いでしょ?
お兄さんの服を貸してあげるから、
君はもう寒がらないでくれ。

そう言い青年は少年に自分の着ている冬服を被せるように着せた。
少年は「お兄さんが寒くなっちゃうよ」と遠慮したが、
青年は聞かず「大丈夫だから」と笑い返した。
青年
あと、これ。

すると何処から取り出したのか、
青年は少年に小さい夕暮れの実を数個差し出した。
少年
わっ…良いの…?だめだよ!!こんなに_

青年
_良いんだってば、
"お兄さんはもう必要ないから。"

青年
それに、"ナイフで何をするか知らないけど"…。
パンだけじゃ、お腹が減るだろう?

少年は気がついたように、自分が持っているナイフとパンを見つめた。
それから、青年をじっと見つめた。
少年
……お兄さん、なんでそんなに優しくしてくれるの…?

青年
……そうだね…

青年
"今日は君にとって特別な日だから"

そう言うと、
青年は少年の肩に優しくポンッと手を置いた。
タルタリヤ
誕生日おめでとう、俺。
