女の子
…誰?
健太
うわっ!
春翔
うわぁあ!!
武人
ひぎゃあぁぁああ!
健太
あ、おいお前ら待ってって!
あっという間にあいつらの 姿は見えなくなった
健太
…。
女の子
ねぇ、誰なの?
健太
ごめんなさい!
健太
俺、冗談で来たんだ
女の子
……ひどい
女の子
私は…私はすごく苦しかった
女の子
もがいてももがいても入ってくる水
女の子
あなたはその苦しみが分かる?
女の子
そして…
女の子
私を助けにお母さんがきたんだ
女の子
でもお母さんも私も波に飲み込まれて死んでしまった
女の子
ねぇ
女の子
生きたくても生きたくても…
女の子
やっぱり死んじゃう運命の人は死んじゃうんだよ
女の子
ねぇ!ねぇ!
健太
…ごめん、ごめん…
女の子
……
女の子
私はここに冗談や心霊
スポットとして来る人が憎い
スポットとして来る人が憎い
健太
…
健太
……ごめん
女の子
でも……生きてほしいっておもう
健太
…え?
女の子
……
女の子
私の過去……
女の子
事件のことを話してもいい?
健太
…ああ。
女の子
まず、私の名前はカンナというの…
カンナの母
カンナ~!
カンナ
はーい!
カンナの父
BBQの準備を手伝ってくれー!
カンナ
手伝ったら川に泳ぎに行ってもいい?
カンナの母
いいから~、はやくー!
カンナ
はぁーい!
私達親子はキャンプに行ったの…
カンナ
ふあ!
カンナ
終わったあ…
カンナの母
お疲れさま
カンナの父
川に行っててもいいぞー
カンナの母
じゃあ危ないから私も足くらい
カンナの母
だけでも浸かろうかしら
カンナの父
分かった
カンナの父
俺は野菜とか焼いとくな
カンナの母
ええ、分かったわ
カンナ
わーい!
カンナ
はやく行こう!お母さん!
カンナ
わああ!
カンナ
きもちーい!
バシャッバシャッ
カンナの母
んもう!かけないでよー
カンナ
いいじゃないー、んふふー
ザアッ
カンナ
……?
カンナの母
あっ、カンナ危ない__
カンナ
え?
え?と思ったときにはもう遅かった
私は波に飲み込まれた
カンナ
っ__!
カンナ
(っ、ヤバい死んじゃう!)
カンナの母
カンナぁ!
バシャッ!バシャッ!
カンナ
(お母さん…?)
カンナの母
かっ、カンナ…っ、げぼっ…
カンナ
おかあ、さ…
カンナ
きちゃ、ダメだよ…っ!
カンナの母
……。
カンナ
おかあ、さ…っ
カンナ
(もうダメ、意識が…)
カンナ
(こんなことなら川にきたくなかったなぁ…)
カンナ
(お父さん…お母さん…)
健太
……!!
女の子
それで、私の意識は途絶えたの
女の子
やっぱり、許せない
女の子
あなたを
女の子
そして逃げた人たちを!
女の子
やっぱりここで殺して__
カンナの母
やめなさい!
女の子
…お母さん…
健太
(この人は、カンナさんのお母さん…?)
カンナの母
ごめんなさいね、健太さん
健太
どうして、僕の名前を…
女の子
お母さんはずっと黙って聞いてたの
健太
そ、そうだったんだ…
カンナの母
黙って聞いててごめんなさいね
カンナの母
……カンナ、こんなことやめなさい
カンナの母
そんなことしたってお父さんが喜ばないわ
女の子
……だって…だって…
カンナ
皆、雑誌とか見てここにくるんだもん…!
カンナ
私達のこと雑誌に載ってるんだよ!?
カンナ
許せないよ!!
カンナの母
それは…
カンナの母
それは父さんも同じ
カンナの母
死んでしまったカンナと私のことが
カンナの母
雑誌に載っている
カンナの母
父さんが一番苦しいのよ
カンナ
…でもっ、でもっ!
カンナの母
カンナ…
カンナの母
ごめんね…
健太
……(どうして、涙、が…)
健太
(涙がとまらない……)
カンナ
……健太さん…!!
カンナの母
……!!!!
カンナ
…気が変わったわ
カンナの母
カンナ!?
カンナ
彼は生かしておこうとおもう
カンナの母
カンナ…!
カンナの母
よかった…
カンナ
でも
カンナ
彼達二人はいいよね?
カンナの母
…!
健太
(春翔と武人のことだ)
健太
…カンナさんが決めていいよ
健太
俺は彼達二人に言われて来たんだ
カンナの母
ちょっ、健太さんいいの!?
カンナの母
お友達が死んじゃうのよ!?
健太
いいんです
健太
彼達が生きても多分ろくなことがないですから