カリオン
ゲルミュッドの野郎は急ぎすぎたな。
カリオン
計画の言い出しっぺが出張って返り討ちに遭うなんざ世話のねぇこった
ミリム
カリオンの言う通りなのだ!フレイもそう思うだろ?
フレイ
あのねぇミリム。私があなた達の計画とやらを知るわけが
無いでしょう?
ミリム
む、そうか。
カリオン
つーがなんでここにいるんだフレイ
フレイ
それは私が聞きたいくらいだわ。
フレイ
面白いから来いってミリムに無理矢理連れてこられたのよ。私は忙しいと断ったのだけどね
ミリム
(๑• ̀ω•́๑)✧
カリオン
いいのかよクレイマン。
クレイマン
……まぁいいでしょう。今更です
クレイマン
ひとまず計画は頓挫したわけですが……少々軌道を修正してやればまだチャンスはあります。
クレイマン
まずはこれをご覧下さい
カリオン
なんだこりゃ
ミリム
む?なんなのだこいつら
フレイ
鬼人?
クレイマン
ジュラの大森林から湿地帯にかけての戦いの記録です。
クレイマン
オークロード以外にも面白い者共が映っているでしょう?
ミリム
おぉ……っ
他にもヴァー二ーやゴブリンライダー達がちらほら映った
クレイマン
ゲルミュッドが死んだせいで、これ以降の展開は不明ですが、これほどのものたちが相手となると、オークロードは倒されたと見るべきでしょうね
フレイ
もしも生き残っていた場合、彼らを餌にオークロードは魔王へと進化している……
ミリム
……それは無いのだ
カリオン
?なんでだよ
ミリム
やっと……やっと見つけたのだ!!
フレイ
?
ミリム
ヴァー二ー!
カリオン
ヴァー二ー?
フレイ
ヴァー二ー……ってあの最古の魔王が一柱の?
ミリム
そうなのだ!!
クレイマン
私達は今で1度も見たことがないわけですが……
ミリム
いや、あれは確実にヴァー二ーなのだ!!気配と姿を変えてても、私にはわかるのだ!
フレイ
……なるほどね。だったら、倒したのはヴァー二ーか、さっき水晶に映った彼らの中には魔王に相当する力をつけている者がいるかもしれない。
フレイ
つまりあなた達の計画というのは、新たな魔王の擁立……と言ったとこかしら
ミリム
さすがフレイ!私たちの目論見を見事に看破するとは!
フレイ
呆れた。随分大胆なことを考えたものね。あの森が不可侵条約に守られていることをお忘れかしら?
クレイマン
野良の魔人が私に持ちこんだ計画です。我々が直接動く訳では無いので
クレイマン
条約に抵触はしませんよ。
フレイ
どうだか……
カリオン
いいじゃねぇか。別に大軍率いて攻め込もうって訳じゃねえし
カリオン
強者を引入れるチャンスだっつーから俺も乗ったんだ。
カリオン
見た限りじゃあオークロードよりこいつらの方がうまい
クレイマン
((……まぁカリオンとミリムはそんなところでしょう。問題さ飛び入りのフレイですが……来訪時からなにか別のことに心を囚われている様子。
その内容によっては恩を売ることが可能でしょう))
魔王間の条約において、その可否を決める場合
提案した魔王の他二名の魔王の賛同が必要となる。
自分の意見に追従する魔王の存在はほかの魔王に対し大きく優位性
を得ることになるのだ
クレイマン
((……悪くない。オークロードを失ったのは痛手ですが、むしろこの展開は理想的だ。))
クレイマン
((魔王二人……上手くいけば3人に貸しを作ることができるのなら十分にお釣りが来る。))
クレイマン
((あの魔人共にはミリム達を釣る餌になってもらいましょうか。まずは森の調査を……))
ミリム
よし!では今から生き残ったものへ挨拶に行くとくるか!
カリオン
……は?
カリオン
いやいや落ち着けよミリム。ジュラの大森林には不可侵条約があるっつってんだろ
クレイマン
そうですよミリム。堂々と侵入してはほかの魔王達が黙ってはいません
クレイマン
まずは私が内密に調査を……
ミリム
何を言っているのだ。不可侵条約など今この場で撤廃してしまえばいいでは無いか。ここには魔王が4人もいるのだぞ?
フレイ
え……!?……あっ
※条約の可否には提案した魔王の他二名の魔王の賛同が必要
ミリム
あの条約はそもそも暴風竜ヴェルドラの封印が解けないように締結されたものなのだ
ミリム
暴風竜はもう消えたというウワサだしな。もう必要なかろう?
ミリム
数百年前の話だしお前たち若い魔王だから知らないのは無理は無いのだ
カリオン
そういうことなら条約破棄に反対する物もいないだろう。俺は賛成だ
フレイ
私も賛成ねですわね。元々私の領土はあの森に接しているし不可侵と言われても面倒だったのよね
クレイマン
はぁ、
クレイマン
((……最も単純に見えて最も老獪な魔王。やはり侮れませんね))
クレイマン
……いいでしょう。私も条約の撤廃に賛成です
クレイマン
今すぐほかの魔王達へ通達しましょう
クレイマン
受理が確認され次第、行動を始めることになります。
クレイマン
無難なのはまず人をやって調査することかと思いますが……
カリオン
おいおい、こりゃ新しい戦力を手に入れようって話だろ?まさか協力しようってのか?
フレイ
そうね……どうせなら競走した方が潔いのではなくて?
フレイ
それで遺恨を残すほど器の小さい者はここにはいないでしょう?
ミリム
いいなそれ!恨みっこなしで早い者勝ちなのだ!
ミリム
互いに手だしは厳禁。約束なのだぞ?
フレイ
えぇ、わかったわ。
カリオン
ビーストマスターの名にかけて俺様も約束しよう
クレイマン
そうなるだろうと思いました。では今後は各々自己責任ということで
ミリム
私はもう行くのだ!またな!!
カリオン
俺ももう行くぜ。配下から調査に向かうやつを選ばにゃならねぇ
フレイ
私も失礼するわ。
クレイマン
フレイ。
クレイマン
なにかお困りでしたら相談に乗りますよ。
クレイマン
いつでも頼ってください
フレイ
……
フレイ
……そ、ありがとう
クレイマン
ミリム、カリオン、そしてフレイ。
クレイマン
さてさて、また森が騒がしくなりそうですね