晴翔
あれ?
おかしい
そう思った時には視界は傾き身体は床横たわっていた
気がついたときそこには今にも泣き出しそうな陽太の顔が僕を覗き込んでいた
晴翔
よう、た?
陽太
はっ、はるとぉ〜
晴翔
ふふっ
晴翔
なに泣いてんだよ
陽太
だって…
陽太
晴翔が学校で倒れたって聞いたからッ
陽太
俺、クラス違うからッ
陽太
聞いたの放課後でッ
陽太
またっ、
陽太
ヴゥッ…
晴翔
落ち着いて
晴翔
僕ちょっと頑張り過ぎちゃっただけだから
晴翔
大丈夫だよ
晴翔
僕の母さんに何か言われた?
陽太
何も…
陽太
大丈夫よって、ただの熱だって、笑ってたけど
陽太
だけど!
陽太
また晴翔に何かあったんじゃないかって…
晴翔
そっか、
僕は3ヶ月前登校中に車にはねられ病院に担ぎ込まれた
前日に陽太に恋愛相談されたせいでボーっとしていた僕は横から猛スピードで走ってくる車に気づけなかった
陽太に好きな奴ができたと思い、諦めていたが
病院のベッドで目が覚めたときも陽太は泣きそうな顔で僕の手を握ってくれていた
晴翔
陽太?
陽太
ん?
晴翔
落ち着いた?
陽太
うん
陽太
本当に心配したんだからね
晴翔
うん
晴翔
ありがとう
晴翔
心配かけてごめんね
申し訳なさもあったが、懐かしさと愛おしさから僕はあの時をなぞる様に
少し汗ばんだ陽太の手を軽く繋ぐと強く握り返してくれた
晴翔
僕のお願い…聞いてくれない?
陽太
晴翔のお願いなら何でも聞くよ
晴翔
あのね、
晴翔
あの時病院でしてくれたみたいに…
晴翔
その…
陽太
チュッ
陽太
こう?笑
晴翔
!!!
晴翔
うぅ…
晴翔
ポッペじゃなくて…
陽太
クスッ)ごめんね
陽太
俺を心配させたバツだよ?
晴翔
ごめんなさい
晴翔
でも ちゃんとシて欲しい
陽太
いいよ
そう言ってしてくれたキスはあの時よりも甘く、僕らの熱を上げていった






