昔からずっと生きていくのが下手くそで
もうやめようかな、なんて考えたりした
でも、そんなのじゃ思い描いた未来になれない
だから変わろうと決意した中3の冬
ね〜これ面白いよ!
早く昼休みなんねぇかな〜
真冬
…………
そんなことを考えた時もあったなと思えるほどに、何も変われていない
相川真冬、15歳 高校1年生
真冬
(入学から2週間経ったけど、一向に慣れない…)
真冬
(何が"変わりたい"だ…なんにも変化なしじゃん……)
いつまで経ってもじめっとした、明るくなれない陰の人間
お前ら、授業始めるぞー
真冬
(…やっと、始まった)
キーンコーン……
やっと昼休みだ〜!
早く購買行かないと…
真冬
(地獄の昼休み……)
真冬
(屋上、それか空き教室でも行ってこよう)
今までの学校生活も、決して良かったわけじゃない
いい思い出なんてなかったし、中学の時なんて色々悪い思い出が残ってるし
真冬
(明るく笑顔で高校生活を過ごしたいって、まだ心で思ってるだけだからダメなのかなぁ……)
『なんかイラつくんだよ、お前』
真冬
っ…
真冬
(嫌なこと、思い出した…)
ガチャっ
真冬
(まあ屋上なんて誰も来ないだろうし、少しゆっくりは…)
???
……?
真冬
……あっ
真冬
(男の、人…!)
まさか、こんな時に限って人がいるだなんて…
真冬
すっ、すみません…!!
僕は逃げるようにドアから出ていった
真冬
(めっちゃ恥ずかしい……っ!)
???
…………
真冬
……ただいま〜
あれからいつも通り授業を受けて、1人で家に帰ってきた
真冬
(はぁ…昼休みは災難だった……)
真冬
(なんか見た感じ同い年か、ちょっと上くらいの人…)
真冬
(黒髪で、ちょっとふわふわしてそう……)
真冬
って、何考えてんだろ僕…
母
おかえり、学校どうだった?
真冬
…楽しかったよ
父
そうか、友達はできたのか?
真冬
ま、まぁそれなりに……?
父
もう中学みたいに勉強ばっかりの生活じゃないんだから、大切にするんだよ
真冬
うん、わかった
母
ねぇ、お母さんたまに外で青蘭高校の子見るんだけど、やっぱり派手ねぇ
母
今からでも、真冬に合う高校に編入しても大丈夫だけど…
真冬
だ、大丈夫だよ!
真冬
合わないわけじゃないし、自分が好きで通ってるし…
母
そう…?無理はしちゃダメよ
真冬
大丈夫だから、心配しないで…
真冬
ふぅ……
僕の両親は、多分世間的に言う『過保護』っていうやつで
その優しさ故に、中学時代は辛いと言えなかった
真冬
(やっぱり、このままじゃだめなんだ…)
真冬
……明日こそ…!