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寄宿舎の3階から階段をのぼると広い屋上に出れる。
基本的には出入り自由で、誰でも好きに使っていい。
背の高い建物がほとんどないので、アミキティア魔法学校のかなり先まで見通せる。
広くて障害物がほとんどないことから、アミ戦の場所としても、よく利用されるらしい。
ガイド妖精
シシロウ
シシロウが最初に答え、ぼく達もうなずいた。
どんな競技をするのかわからない以上、できる準備なんて心を落ち着かせることくらいだ。
???
???
屋上にいた何人かの生徒が、ぼく達の様子に気がついて集まってきた。
特に新入生代表もつとめたシシロウがアミ戦を始めるということで、その戦いぶりを見ようと、続々と人が集まってくる。
アルク
アルク
集まってきた生徒の中にアルク達もいた。
一緒にユトリとメイカ、なぜかホマレも並んでいた。
ユウゴ
ユウゴ
ユトリ
ユトリがこたえる。
ベッド割等もとどこおりなく終わり、寄宿舎の施設の場所を覚えるために、あちこち歩いていて屋上に立ち寄ったところらしい。
仲良くしているみたいで羨ましい。
ホマレ
ホマレ
シシロウ
ホマレ
シシロウとホマレが言い争いを始めた。
これもトラブル判定されて、新たなアミ戦が始まったりしないよね。
ショウリ
その気配はショウリも感じたようで、ガイド妖精に話しかけた。
ガイド妖精
ガイド妖精
シシロウ
ナミスケ
ショウリ
ユウゴ
ぼくが名乗ると同時に、ギャラリーがざわっとした。
???
???
???
???
シシロウよりも、ぼくの注目度がぐんと上がったのを感じる。
このアミ戦、少なくとも最下位だけは避けたい。
ガイド妖精
ガイド妖精が、バスケットボールくらいの大きさのサイコロを4つだし、ぼく達に持たせた。
その後、ルールが説明された。
【ダイス・ランキング】 ・魔力を込めると、イメージした数字が出せる魔法のサイコロを使用する。 ・数が大きい目を出した順に順位がつく。 順位がついた者は勝ち抜け、全員の順位が確定するまで繰り返す。 ・2名以上同じ目を出した者がいた場合、数にかかわらず最下位とする。 ・同じ目は1度までしか出せない。 ・上位2名に1ポイント。
ちょっと複雑なルールなので、頭の中でシミュレートしてみる。
ぼく達4人でやったとして、 出た目が6、6、4、1だった場合は、 本来なら1番大きい6の目が2人いるから最下位あつかいになり、 4の目が1位、1の目が2位で確定する。
その後、6の目を出した2人で、2回目の勝負をする。 その時、1度使った6の目は使えない。
だいたい、こんなものだろう。
シシロウ
みんなもルールを把握できたみたいで、シシロウが開始を言い渡す。
アルク
ギャラリーの中から、アルク達の応援が聞こえる。
ユトリ
メイカ
ホマレ
ユトリ、メイカ、ホマレが口々に応援(じゃないのもあるけど)の言葉を送ってくれる。
ナミスケ
ナミスケだけ、つまらなそうに苦虫をかみ潰したような顔をする。
アルク
ユトリ
顔を真赤にしたユトリと目があった。
ユトリ
ユウゴ
ナミスケ
ショウリ
ナミスケとショウリが顔を合わせる。
メイカ
ショウリ
メイカの申し出を、ショウリが爽やかに軽くいなした。
ぼくも、あれくらいの余裕のある男になりたい。
シシロウ
ガイド妖精
シシロウの声に、ガイド妖精がごもっともな返事をした。
やっと1回目が始められる。
サイコロの目を自由に選べるなら、ぼくはどの数を出せばいいだろうか。
1番で勝ち抜けすると他の人より先にベッドを選ばなければならないから、理想は2番での通過だ。
6だと勝ってしまうから5を狙うのがベターかと思ったけど、そうでもない。
同じ目が出ると最下位になってしまうから、1番強い6は選びにくい。
同じ理由で、5も4もかぶりそうな気がする。
ここは発想を逆にしてみよう。
上ではなく、下を狙う。
1番弱い1だと、他の人とかぶることはないだろう。
その上で、誰か2人が大きい数でかぶって最下位になれば、残ったひとりが1番になり、ぼくが2番になれる。
ガイド妖精
ガイド妖精の号令に合わせて、4人ともサイコロを投げた。
ぼくはサイコロに『1』が出るように念をこめた。
1投目の結果。
ユウゴ
シシロウ
ナミスケ
ショウリ
ガイド妖精
全員最下位。
誰も通過できなかった。
アルク
アルクに叱責される。
ユウゴ
ないわけでもないんだけど。
ショウリ
そこにショウリが助け舟を出してくれた。
ショウリ
ショウリ
ショウリ
ショウリ
ユウゴ
ぼくは絞り出すような小さな声で返事をした。
そこまで深く考えていたわけじゃないので、ちょっと恥ずかしい。
アルク
メイカ
メイカが得意げに胸を反らせる。
ホマレ
シシロウ
シシロウ
シシロウはホマレのあおりにも屈しない。
ガイド妖精
ガイド妖精が2投目をうながしてきた。
ガイド妖精
次は何を出そう。
さっきは2番になることを意識しすぎて、最弱の1を使ってしまった。
シシロウやナミスケは6を使っているから、最強の目は5になる。2人の性格上、負ける目を出すとは思えないから、また大きい目を出してくるだろう。
気になるのはショウリが選ぶ目。
この競技をかなり深く考えているから、今度も他の人とかぶる可能性のある強い目は避けて来るだろう。
ショウリもぼくと同じく、1を使っているから、最弱の目は2だ。
上を狙うシシロウとナミスケには負けて、下を狙うショウリともかぶらない目を選ばないといけない。
ガイド妖精
ガイド妖精の号令で、4人がサイコロを投げる。
2投目の結果。
ユウゴ
シシロウ
ナミスケ
ショウリ
ガイド妖精
ユウゴ
一瞬理解が追いつかなかった。
サイコロの目がきれいにバラけて、順位が決定した。
そこまではいいけど、ぼくが最下位?
メイカ
勝ったショウリよりも先に、メイカが飛び上がって喜びの声を上げた。
ナミスケ
ナミスケは5を出すと、またシシロウとかぶると思って1つ小さい4を出したんだろう。
それに対して、シシロウは1投目と同じく、自分が使える最強の5の目を選んだ。
ホマレ
シシロウ
ホマレ
アルク
ユウゴ
詰め寄るアルクに気圧されて、思わず後ずさる。
ユトリ
アルク
ユトリ
メイカ
あちこちで自分の意見を言い合っていたぼく達に、メイカがビシーッと指を突き立てて言う。
そこに関しては、誰も文句を言っていなかったんだけど。
ホマレ
ホマレ
メイカ
メイカがさらに胸を反らせる。
長いツインテールの先が地面につきそうだ。
ガイド妖精
ガイド妖精が、最後にアミ戦の結果を整理する。
ショウリ
メイカ
極めてクールなショウリと、自分のことのように喜ぶメイカ。
シシロウ
シシロウにもポイントが入った。
ガイド妖精
ガイド妖精は音もなく、その場で煙のように消えてしまった。
姿が見えないだけで、近くでの生徒の監視に戻ったんだろう。
ぼくの中ではいきなりアミ戦で負けてしまった事実が大きくのしかかる。
入学初日から、前途多難だ。
ノービスクラスでペナルティが3になったら場合は退学になってしまうから、ペナルティがないだけ、まだマシか。
アルク
そんなぼくの肩に、アルクが手をおいて言う。
アルク
ユトリ
ユトリが顔を真赤にして反論する。
退学したら、こういうやり取りもできなくなるのか。
アルク
ユトリ
ユウゴ
ベッドの割当を話していると、ガイド妖精があらわれたことを説明する。
アルク
アルクが頭を抱えてつぶやく。
ユウゴ
アルク達と分かれて、ぼく達は部屋に戻った。