テラーノベル
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-注意-
嘔吐表現あり
寒さが増した夜。
夢から覚め、瞼を開ける。
不思議とある重い空気が俺の心にのしかかる。
ハッキリと目が覚めており、二度寝も出来ない。
そう感じ、寝転がっていた体を起こす。
Hima natu
特に理由はなかった。
ただ何となく、歩きたくなっただけ。
少し多めに上着を重ね着し、扉を押し開けて外へと足を踏み入れた。
冬の冷たい風が頬を撫でる。
そんな風が、俺の暗くなった気持ちを少し吹き飛ばしているかのように思えた。
暗く沈んだ道。
微かに灯りとなるのは、頭上に輝いている月。
灯りとなる月が謎に憎く感じる。
ふと月から目線を逸らす。
目線を逸らした先には、家の近くにある公園。
ブランコや滑り台。砂場も一応ある。
何も変哲のない小さな公園。
学校の放課後などになると、いつも小学生が元気よく遊んでいる。
そんなのを… こさめと笑って見てたっけ、
そんな公園に少し足を踏み入れる。
ただちょっとした胸に滞在した違和感がある。
ここらの公園は、人が居なければ街灯はつかない。
文字通り節電。という訳なのかもしれない。
そんな街灯が今、付いている。
そして、街灯の近く。公園のベンチに誰かが居た。
Hima natu
──どこか、誰か2人の面影が似ていた。
いや、似ていた2人じゃない。
その2人だ。
天然で、周りの話をたまに聞いていないみこと。
天真爛漫で元気で男の子とは思えない可愛さをもつ、
俺の好きな人___こさめだ。
なんでッ、なんでッ
なんでッ、こさめとみことがッ
謎に鼓動が早まり、焦る感覚。
こんな時間に偶々会った。
なんて、有り得ない。
考えられるのは、みことがこさめを呼び出したか、
こさめがみことを呼び出したかのどちらか。
もし、後者だったらッ……
足元に合った目線を彼らに向ける。
心がより一層重く感じる。
大丈夫ッ、大丈夫ッッ
───みことがなんと言ったか、俺には聞こえなかった。
それでも、こさめの手がみことの頭に置かれた。
それに対して、少し涙を零したみこと。
__ただ、痛かった。
先程まで濃くはっきりと映し出していた月は少し色褪せたように思える。
唇を強く噛む。
声を押し殺し、その場を走って立ち去る。
Hima natu
収まっていた悲しみの波が、また一段と押し寄せてくる。
虚無に包まれていた辛さが顔を出すかのように、痛みを与えてくる。
あの感じだと、…こさめとみことは付き合ったか、(笑
考えただけでも、嫌気が刺した。
そうしていくうちに段々と吐き気がしてきて、手元にあったゴミ箱を手に取る。
Hima natu
何かの辛く痛い感情を物として吐き出す。
胃の中には特に何も無く、出てくるのは胃液のみ。
喉が少し痛く感じる。
Hima natu
少し汗をかいた体を壁に寄せる。
冬の冷気によって冷えた壁が、静かに俺を冷ましていく。
この時、改めて感じた。
俺は
〝こさめが好きなんだ───。〟
今更後悔してももう遅かった。
千切れてしまったように思える赤い糸は、目には映らない。
───雫のイヤリングも俺と同様、輝きを失くしていた。
10話 輝きの失い _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
21件
🍍ちゃんみちゃったぁ! 絶対すれ違い起きて関係がよりこじれそうなんだけど、、、 気になる(っ ॑꒳ ॑c)
やっぱ、色んな人が苦しんで行く みこちゃんも、スッキリしたって言ってたけど、きっと、すっごく辛いんだろうな
🍍ちゃんの所からじゃふたりの会話は聞こえなかったのかな....、悲しすぎるわ、、