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あなたは彼氏候補にもなりません!

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あなたは彼氏候補にもなりません!

17 - あなたは彼氏候補にもなりません!

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2019年11月02日

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バレンタインは明日じゃ…

花奏

そうだよ!明日なの!

は…?

花奏

明日は…明日は…!

花奏

想いを伝えていい日なんだよ!

そこまで言うと涙がこぼれていた

花奏!?

ちょ…!なんでないて…

花奏

このチョコ使っていいから…!

花奏

だから先輩に想いを…!

泣きながらそういうあたしの口を、澤本君は手でふさいだ

その勢いで玄関の扉が閉まり、玄関の外で向き合うあたしたち

こんなところで

いつも無表情の澤本君もさすがに焦りを顔に浮かべていた

それでもお構いなしに澤本君を見上げる

花奏

先輩もまだ澤本君の好みのチョコ、気にしちゃうくらいレシピを見ちゃうくらい好きだから!

花奏

…だから!

このチョコを持って告れって?

澤本くんはあたしの言葉の先を紡ぐ

涙を流しながらもしっかりと澤本君を見ながらうなずいた

そのためにわざわざチョコを?

澤本君は手元の箱をみて、小さくそして低くいった

本当は違う。澤本君にあげるために、初めて手作りチョコを作った

なんだかんだ言い自分に言い訳をつけていたけど、澤本君に渡したいって心のどこかで思っていたから

甘いのが好きって先輩が言っていたからいろんなレシピを見て

探して、他のだれのためでもなく澤本君のためだけに作った

でも、あたしからもらっても困るだろうから

他の女の子たちからもらうのと同じくらい困らせちゃうと思ったから

それに澤本君は一途だから、欲しいと思ってるチョコしか嬉しくないだろうから

だから…

花奏

先輩に渡して

花奏

ちゃんと彼氏さんから奪ってやるくらいの勢いで想いを伝えて

まっすぐ澤本君を見上げてうなずいた

ぐちゃぐちゃになった顔を頑張ってこわばらせて

澤本君はあたしの返事を聞くと伏せた目で微かにうなづいた

わかった

そういうとこちらを振り向きもせず家の中に入っていった

扉が閉まった瞬間あたりがこんなにも暗くなっていたのだということに気づかされた

次の日。バレンタインデー当日

今日がバレンタインだからか学校中がうきあしだってふわふわとしていた

沙友里は昨日作ったケーキをカバンに忍ばせて放課後が来るのを心待ちになっていた

沙友里

花奏は昼休み頑張るんでしょ?

沙友里は事情をしらない

あたしはあいまいに笑って返事をしなかった

沙友里

澤本君朝からひっきりなしに呼び出されていて

沙友里

でも今年も去年と同様誰の呼び出しもいってないみたいだね

去年はそれでみんな靴箱に置いておいたんだとか

沙友里

でも花奏よかったね?

沙友里

二人っきりになれるチャンスがあるんだから

沙友里のウインクにもこたえることができなかった

どうやら澤本君は学校にチョコを持ってきていない様子だった

いつ渡すんだろう

一体どこで

沙友里

それにしても花奏きいた?

花奏

ん?

沙友里

橋本先輩たち別れたらしいよ

花奏

え?

先輩たちが別れた?

花奏

それほんと?

沙友里

らしいよ

先輩が別れたってことはこれで澤本君は…

朝陽

花奏ちゃんって子このクラスにいるー?

あたしの名前を呼ばれた気がして教室のドアを見てみると、相変わらずチャラ男オーラが半端なくにじみ出ている比嘉君がいた

朝陽

あー!みーつけた

朝陽

花奏ちゃんちょっとかりるね?

沙友里

あ、ど、どうぞ!

比嘉君に話しかけられて彼氏がいるはずの沙友里は目がはーとになりながら、そう答える

ていうかこのチャラ男に親友のことを二つ返事で了承するなって!

朝陽

ありがとー

朝陽

じゃあかりていくねー

花奏

え、ちょ、ちょっとあたし行くなんて

朝陽

蓮の事だよ

抵抗するあたしの耳元で澤本君の名前を口にするこの人

ずるい澤本君のことだされたらいかないわけないじゃん

花奏

わかった

花奏

沙友里いってくるね

沙友里

行ってらっしゃーい

そうして沙友里やクラスの比嘉君ファンたちに見られながらあたしたちはきょうしつをあとにした

ガラガラ

黙ってついていくといつもの空き教室にたどり着いた

朝陽

さてと

花奏

はなしって?

朝陽

ん?さっき言ったじゃん

比嘉君のばかにするような言い方に苛立ちを覚えながら話を聞く

あのね、今日の蓮ものすごーく機嫌が悪いの

花奏ちゃんなんか知らない?

花奏

…知らないよ?

だって澤本君が機嫌悪いなんてそんなわけないし、あるとしたらバレンタイン出女の子たちに呼び出されるのが嫌だからしか…

朝陽

俺はね、花奏ちゃんが原因だと思っているんだけど

花奏

…え?

花奏

あたしが?

朝陽

そう。花奏ちゃん

正直比嘉くんが言っていることのいみがいまいちわからずにフリーズするあたしにはお構いなしに話し続ける彼

朝陽

ちょっとだけ俺の話聞いてね

朝陽

蓮には付き合っていた人がいた

花奏

朝陽

もちろん知っているよね?

花奏

橋本先輩…

朝陽

そう。先輩と別れた時はあいつは正直おかしくなっていた

朝陽

何も関係ない花奏ちゃんをまきこんだり

朝陽

もともと蓮はあまり人に特に女子にかかわったりしなかったのに

花奏

うん

朝陽

だからあの頃は俺たち態度に見せなかったけど結構心配してたんだよね

朝陽

あいつ俺たちに大切なこと何も言わないし

いつもの笑顔とは打って変わって、悲しそうな表情をしている比嘉君

朝陽

でも、そんな蓮もだんだん以前のように戻っていった

朝陽

なんでだと思う?

花奏

そんなのあたしがわかるわけないよ

1人だけすべてをわかったような顔をしているけど

朝陽

いつもみたいに自信満々になにか言ってくるかと思ったけど意外

朝陽

…なるほどね

朝陽

話しを戻すけど蓮が変わり始めたのはクリスマスの前くらいからなんだよ

朝陽

その時蓮の近くにずっといたのは誰?

橋本先輩に振られてしまった澤本君はその現場をたまたま見てしまった、あたしにお弁当作りや、無理難題をあたしにやらせてきていた

最初はそれが嫌だったのにあたしも何かと澤本君に頼っていたりした

ていうことは、もしかして澤本君のちかくにいたのって…

朝陽

そう。花奏ちゃん君だよ

花奏

で、でも!あたし何もしてないよ

朝陽

だからだよ

花奏

…へ?

朝陽

花奏ちゃんってみんなにびょうどうに接してるでしょ

花奏

う、うん

朝陽

そういうところが蓮を変えていったんじゃなかな

朝陽

恥ずかしさとか関係なく彼氏が欲しいからって、ずっと努力していたでしょう?

花奏

ま、まあ

朝陽

だから花奏ちゃんに蓮を任せていたけど、今日は蓮がいつも以上に様子がおかしかった

朝陽

どうせ蓮となんかあったんでしょう?

澤本君の様子がおかしいてもしかしたらまたあたしが余計なことしたから?

花奏

あたしのせいかもしれない

朝陽

どうしてそんなこと思うの?

花奏

あたし澤本君には先輩と幸せになってほしくて昨日チョコを先輩に渡してきてッて言ったの

朝陽

うん

花奏

きっと澤本君には澤本君のペースがあったのにあたしがせかすようなことしたから…

朝陽

なんで今日はそんなにネガティブなのか知らないけど

朝陽

どちらにしても花奏ちゃんやることはわかった?

花奏

うん!あたし澤本君に謝ってくる!

澤本君とずっと話せないのは嫌だ!

朝陽

なら早くいってきな

花奏

ありがとう比嘉君!

お礼を言って教室を目指して走った

いつもは気にする髪なんてどうでもいいくらい

朝陽

あーあ、めんどくさー

朝陽

蓮は何考えているのかわからないし

朝陽

花奏ちゃんは自分の気持ちに気づいてないし

朝陽

ま、そんな子だから蓮も変われたのかな

朝陽

がんばりなよ、花奏ちゃん

こんなことを比嘉君が言っていたことを気づかないくらい

あなたは彼氏候補にもなりません!

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