陰と陽と神の隨に
時は平安、当時名を馳せていた陰陽師「安倍晴明」は、自らの魂の一部を使って式神・「命(ミコト)」を創り出した。その式神は、晴明の魂を使ったからなのか、晴明には及ばずも強力な陰陽の力を手にしていた。ある時、安倍晴明は隙を突かれ、強力な呪詛を掛けられ、最期にと、命に自分の持つ陰陽の力と魂を全て入れ込んだ。急に入れ込まれた主の魂と大量の陰陽の力に耐えきれず、命の身体にはヒビが入り、壊れかけるが、既のところで華(ホア)が2つの神楽鈴と、赤、青、黄、白、黒の5色の色の帯の付いた紐を持ってきてくれ、それを身につけることにより身体から溢れ出る陰陽の力を制御して、自在に操る事に成功した…が、地獄は此処からである。安倍晴明が居なくなったのをいいことに人の魂と肉を喰らうため、人間界に降りてくる鬼や妖怪の武力集団・「百鬼夜行」が、前々よりも更に多く降りてくるようになり、それに追い討ちをかけるように、安倍晴明を呪い殺したという疑いを掛けられた「蘆屋道満」は、持病によりもはや余命幾ばくも無い幼き帝・「桜徳之帝」によって斬首刑にされてしまう。主がそんなことをするハズが無いと、蘆屋道満に仕えていた式神は怒り哀しみ、安倍晴明と蘆屋道満の式神達は対立を深めてゆく……