菊が舞う、その前に
父を亡くし、巨額の資産を相続した一ノ瀬菊23歳。
体調不良で検査入院した病院で、彼女は聞いてしまう――「菊に遺言書を書かせたらいいじゃん」
自分の命より金の行き先を気にする親戚たち。
だったら、残さなければいい。
菊はすべてを手放すことを決め、終活のように金を還し始める。
常識外れの行動は、やがて欲にまみれた大人たちを刺激し、彼女を追い詰めていく。
そんな彼女の“金の使い方”に違和感を覚えた男が現れ……
――菊が舞う、その前に。人生と金を賭けた逃走が始まる。
【作中の人物、会社等の固有名詞、街…全て作者の妄想からなるオリジナル。フィクションです】