愛する夫を救うため、私は姉を殺した
「今度こそ、あなたを失わない。」
孤児院で育った少女カリンの運命は、19歳の誕生日に一変する。
彼女は突然、シャリレーン王国の聖女王女アリアドネ・シャリレーンの双子の妹だと告げられる。
神聖力を宿す“奇跡の聖女”として、三度も政略結婚を強いられてきた姉。
その四度目の花婿となるのが、カルパシーノ王国の王――セルシオ・カルパシーノ。
だが花嫁として差し出されたのは、姉の身代わりとなった妹カリンだった。
一年後――
パレーシア帝国の皇子、ルイスの侵攻により王国は滅亡。
最愛の夫セルシオを失ったカリンは、禁忌の魔術に手を染める。
代償は、姉と皇子。
血を捧げ、時を巻き戻す。
回帰した世界で、再び出会う前の時間へ戻ったカリン。
今度こそ彼を守るため、重すぎるほどの愛をぶつける。
戸惑いながらも、彼女を愛おしく思うセルシオ。
けれど運命は残酷だった。
前世で国を滅ぼした皇子ルイスもまた、彼女に一目惚れする。
「君を幸せにできるのは、帝国の皇子である私だ」
優しさにつけ込み、彼女を帝国へ連れ去るルイス。
一方、神聖力をほとんど失い、男性恐怖症に苦しむ姉アリアドネは気づいてしまう。
自分は、妹を守るための“模造品”だったのではないかと。
妹を守るために生きてきたはずなのに。
それなのに、どうしてこんなにも苦しいの?
祖国再建に命を燃やす姉。
愛する夫を取り戻したい妹。
彼女を手に入れたい皇子。
想いは絡み合い、運命は再び狂い始める。
――愛する人を守るために、
あなたは、誰を犠牲にしますか?