運命は競り落とされた
――落札。
貴方の人生は他人のものになった。
ここは、命さえも金で売買される世界。
豪華絢爛な会場に並べられた商品は、他でもない生きた人間や人外たち。
そして彼らを競り落とすのは、十人の主人。
慈悲深い竜人。
傲慢な精霊。
美しき歌姫。
死してなお歩む少女。
臆病なクラゲ。
全てを愛す花嫁。
異質な容貌の森の領主。
騒がしいエンターテイナー。
果てしなく剣を振るい続ける軍人。
七つの大罪を煮詰めた虚飾の存在。
ある者は、救済を。
ある者は、愛情を。
ある者は、支配を。
そして、ある者は――破滅を。
十人の主人。
十通りの価値観。
彼らが求めるものは、決して同じではない。
それとも、名前すらつけられない何かか。
これは、十人の主人と、彼らに競り落とされた者たちが紡ぐ物語。
――その結末が幸福である保証など、どこにもない。