私の推しは、皿の上にいる
お気に入りの居酒屋で馬刺しを肴にビールを飲む美月。
彼女の趣味は「一口馬主」として愛馬・メルティハートを応援することだった。
「無事に走ってくれれば赤字でもいい、それが推し活」と熱弁する美月に対し、店主の健二は競走馬ビジネスの残酷な裏側――引退馬の大半が食肉加工される現実を告げる。
ショックを受けるかと思われた美月だったが、彼女の胸に芽生えたのは「他人に食べられるくらいなら、自分が食べて血肉にして永遠に一つになりたい」という歪んだ狂愛だった。
空になった皿を前に、彼女は愛馬へ甘い殺意のような愛を囁く。