閻魔様
森で迷子になった男の子が暗がりの中、影しか見えない男に声をかけられた。 「大きくなったら困った人たちを助けてあげるんだよ」との約束をして、指切りをしたら一瞬にして気を失った。 それから数十年……。 愛媛県警松山署刑事1課強行犯係長の門田洋介は、神懸かり的に事件を解決することで“閻魔さま”と呼ばれていた。相棒の若手刑事古谷匠は、そんな神懸かり的に事件を解決する門田に憧れを持ち、目標にしていた。尊敬する刑事門田洋介を観察しているうちに、門田に化け物が取り憑いている姿を見て気絶し、古谷は奇譚な世界へと入り込んで行く。 開けっ広げで豪快な刑事門田洋介と、慌てん妨若手刑事古谷匠が、世に蔓延る悪の舌を抜く物語である。