ノベル完結
ファンタジー・異世界・SF
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お助け地蔵
1話から読む昭和二十年八月五日、新潟県樫山村上空に米軍のBー29が新型爆弾の投下をしようとしていた。 三日前にも投下を試みたが機器トラブルで回避したばかりだった。 今回こそは必ず投下という上層部の指示で意気込みは強かったが、投下の指示と同時にエンジンが停止、 中止すると復帰という何度も同じ現象が・・・。
「ここは呪われてるぜ!」
機長ジョンソンの怯える言葉だった。
不可思議な現象にBー29爆撃機は樫山村への新型爆弾投下を諦め撤退した。
樫山村に住む平成生まれの小学生立川恭介は、土曜日に爺ちゃんの家に泊まり昔話を聞きながら眠りつくと、夢の中でタイムスリップし、その時代を生きるという不思議な能力の持ち主だった。 その不思議な体験から、この長閑な村に、人間の世界では覚束ない凄い力があることを知る。 それは昔から伝わる伝説のお助け地蔵だった。