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翌日、 日菜は母に朝早くに叩き起こされ、 お風呂に入ってから小学校へと向かった。
そして放課後、 妖精界へと足を運ぶ。
二回目のアカデミー、 二回目の教室、 当然隣の席にはミヅキがいる。
日菜
ミヅキ
今まで二言以上の会話が続いたことはほぼない。
今回もそのパターンだと日菜が諦めていた時、 珍しくミヅキから話題を出してきた。
ミヅキ
鞄から教科書類を取り出しながら聞くミヅキに、 日菜は慌てて答えを考える。
日菜
ミヅキはなかなか返事が返ってこないことに疑問を感じ、 手を止めて日菜をじっと見つめる。
ミヅキ
日菜
ミヅキ
面白みのない答えに少しがっかりしたミヅキは、 興味をなくしたように再び作業に戻った。
日菜はそれ以上何も言えなかった。
朝の会開始のチャイムが鳴り、 ミント先生が教室に入ってくる。
先生
先生は早めに挨拶を済ませ、 職員室へと戻っていった。
ミヅキ
ミヅキの呟きにぞっとした日菜だったが、 聞く暇もなくミヅキは教室を出て行ってしまった。
違和感を覚えているのは日菜も同じだった。
他の生徒たちの間でも、 少し噂になっているようだ。
チャイムが鳴る五分前、 生徒は全員校庭に集合して先生を待っていた。
「先生遅いね」
「また探し物かな」
生徒たちから不安の声が漏れ始める。
その時だった。
???
明らかに妖精ではない、 黒いスーツのような服を着た、 つり目の男が声をかけてきた。
背中に羽はついておらず、 日菜から見れば人間に酷似していた。
「おじさん、誰?」
「先生が、知らない人には何も教えないようにって……」
生徒たちは無意識に危険を感じたのか、 少しずつ男と距離を取り始める。
???
男が生徒たちに近づいていた時、 校舎から出てきたミント先生は青ざめた表情で叫ぶ。
先生
???
先生は生徒たちの元に駆けつけ、 守るように前に立ちはだかった。
先生
男を睨みつけ、 帰るよう促す先生。
???
そう言うと男は先生に近づき、 先生の額に人差し指を突き立てる。
その瞬間、 先生の目がうつろになった。
???
先生
先生は抵抗もせず日菜を指差した。
何か操られているようだ。
男はにやりと笑い、 指を離す。
???
そのまま意識を失い、 倒れた先生を放置し、 日菜に近づく男。
一人の生徒が職員室に報告しようと、 校舎へと走り出す。
???
その行動に気づいた男が叫ぶ。
その場の空気が一瞬で凍りつき、 生徒は静止した。
???
日菜に危険が忍び寄る。
???
気がつけば、 日菜は校舎の壁まで追い詰められ、 逃げ場がなくなっていた。
恐怖のあまり腰が抜け、 壁づたいに座り込む。
そして怯えながら頷いた。
???
日菜
男は日菜の目線に合わせてしゃがみ、 怯える日菜に容赦なく質問する。
???
日菜
???
日菜
男が大きな反応を見せることはなく、 やっぱりかといったように、 小さくため息をついた。
???
男は日菜の耳元で、 静かに呟いた。
???
聞き覚えのある言葉に日菜は目を見開く。
そして何かが暴れるように、 日菜の心に激しい痛みが走った。
日菜
徐々に息苦しくなり、 その場に倒れ込む。
???
男は立ち上がり、 くるりと方向を変え歩き出した。
日菜
日菜の声を無視して、 男は去っていった。
男がいなくなり、 一人の生徒が職員室へと報告に行く。
他の生徒たちは先生と日菜を抱え、 医務室まで運んで行くのだった。
トト
話を聞いて駆けつけたトトが、 目を覚ましたばかりの日菜を心配していた。
ララはミント先生と話している。
トト
日菜
日菜の言葉を聞いてトトは察した。
トト
トトの心は怒りに満ちていた。
日菜
トト
日菜
トトはいつものように日菜の頭を撫で、 目を見つめる。
トト
少し泣き顔の日菜に、 歯を見せて笑いかけるトト。
その笑顔のおかげで、 日菜の不安は少しだけ吹き飛んだ。
先生
生徒を危険にさらしてしまったことに、 ミント先生は罪悪感を抱いていた。
ベッドから起き上がり、 日菜に頭を下げる。
日菜
日菜は気にしていないということを伝えるため、 大きな素振りで必死に訴える。
先生
日菜
二人の様子を、 双子は後ろから静かに見守っていた。
ララ
トト
ララ
トト
双子は自然と意気投合して、 城へと仲良く向かった。
城には一人、 女王が紅茶を嗜みながら本を読んでいた。
滅多に開かない城の扉が、 ぎぎぎと音を立てて開く。
女王は不審に思い、 様子を見に行くことにした。
女王
扉まで続く長い廊下の先に、 黒い服を着た羽のない男が立っている。
男はゆっくりと女王に近づいてくる。
女王はその場から動かず、 男に質問を投げかけた。
女王
???
男は女王の質問を跳ね除け、 歩みを止めることなく話を続ける。
???
女王
女王は容赦なく男を疑う。
???
はぐらかす男に、 女王がさらに問い詰めようとした時、 再び城の扉が開いた。
???
扉を開けたのはトトとララだった。
男は気にも留めず、 そのまま城から出て行った。
緊張が一気に解け、 女王は座り込んだ。
双子は驚き慌てて駆け寄る。
「「お母様!」」
双子は女王を気遣いながら、 部屋に移動するのであった。